クロス・ファンクショナル・チーム(CFT)で会社を変貌させる
1.クロス・ファンクショナル・チーム(CFT)とは
= はじめに =
クロス・ファンクショナル・チーム(以下、CFT)と聞いて、日産自動車の改革活動(日産V-upプログラム)を思い浮かべる方も多いかと思います。CFTが優れた手法であることは、カルロス・ゴーン社長の下、日産自動車が
V字回復を達成したことが物語っているかと思います。私もCFTという改革手法の有効性を強く感じている一人として、「なぜ有効なのか」「どう適用すべきなのか」また「どんなことに気をつけるべきか」などについて、
コンサル経験から得られた知恵も織り交ぜながら、整理したいと思います。少しでも参考になれば、幸いです。
【参考】「日産自動車 V-upプログラムに見る業務改善手法」 (日経情報ストラテジー July2005 P.56-73)
= CFTの定義 =
INVENIO Co.,Ltd.では、CFTを以下のように定義しています。
URL: http://leadershipinsight.jp/dictionary/words/crossfunctional_team.html

CFTの例として、製品供給リードタイムの短縮を目的に、営業・調達・製造・物流の各部門から数名ずつが参加して、CFTを結成し、その中でサプライチェーン(SC)内に潜むロスを発見し、それを削減するような改革活動が想定されます。別の例としては、製品ライフサイクルの短期化に伴い、開発期間短縮を目的に、開発・生産技術・調達・品質保証の各部門参加型のCFTを検討されている企業さんも多いのではないでしょうか。
= CFTの例 =
CFTの例として、製品供給リードタイムの短縮を目的に、営業・調達・製造・物流の各部門から数名ずつが参加して、CFTを結成し、その中でサプライチェーン(SC)内に潜むロスを発見し、それを削減するような改革活動が想定されます。

別の例としては、製品ライフサイクルの短期化に伴い、開発期間短縮を目的に、開発・生産技術・調達・品質保証の各部門参加型のCFTを検討されている企業さんも多いのではないでしょうか。

それでは、なぜCFTを結成するようになったのでしょうか。またCFTを結成するとどんなメリットがあるのでしょうか。この点から整理したいと思います。
2. CFTの必要性・メリットについて
まず、CFTの必要性についてですが、これまで部門ごとの改革活動がし尽くされてきていて、大きな活動成果を得られにくくなっていることが背景にあるのではないでしょうか。また、現在の非効率の原因が部門間に潜んでいることや、問題が発生している部門と問題の原因を作っている部門が必ずしも一致しないこと(例えば、在庫は倉庫で増加するが、原因は需要に連動した生産計画になっていない)なども影響しているように思います。
顧客要求を受けてから製品を顧客に届けるまでの業務プロセスは、部門を跨いで繋がっているにも関わらず、部門ごとの分業が進んでしまい、全体を俯瞰したり、管理したりすることができにくくなりました。そこで、各部門が一堂に会して、全体を俯瞰する場としてのCFTが必要になってきたように思います。
全体俯瞰ができれば、顧客への提供価値を最大化(例えば、低価格や短納期)する上での阻害要因を数多く発見することができますし、また部門ごとに立場が違うことを活かして、様々な視点から解決策を検討できます。
当然、解決策を検討する中で、それぞれの部門の利害が必ずしも一致せず、衝突が起きるかも知れませんが、経験上、「顧客への提供価値最大化のために各部門が何ができるか」という発想で、全員が同じ目的を共有できれば、最善策は必ず見付かるように思います。


3. CFTによる改革活動実践のポイント
コンサル経験上、もっとも重要なポイントは各部門の参加者が、「Face to Faceで議論する」ことだと考えます。これは当たり前のことですが、顔を合わせるからこそ、お互いに腹を割って、話合うことができ、最善策を検討することが出来ると思います。ただし、特定部門だけの利益に偏らないように、中立的な第3者の参加は
必要でしょうが。
CFTメンバー選出におけるポイントとしては、問題意識を持ち、改革へのモチベーションが高い人を選出することや、実務層だけでなく、権限を持った管理層(部課長レベル)も選出することが挙げられます。
活動運営におけるポイントとしては、全体俯瞰できるリーダーの育成、活動の進捗管理やリーダーのサポートという役割を担う事務局の設置が考えられます。これらの人たちの舵取り如何で全体最適化の議論になるかが左右され、ひいては活動成果に影響してくることでしょう。

最後に、CFTを定着させて、継続的に改革活動を実践するためにはどうすべきかを整理したいと思います。
4. CFTによる改革活動の定着化に向けて
CFTの定着においてもっとも重要なのは、組織トップ層による強力な活動推進だと考えます。トップ層がCFTの必要性・有効性を強く感じ、CFTによる改革活動を認めていることを明言することが必要ではないでしょうか。これによりCFT参加メンバーは安心して議論ができます。次には、改革リーダーや事務局の人材を育成する仕組みの構築ではないでしょうか。なぜなら、前述したようにこれらの人材の有無で活動成果が左右されるからです。特に、事務局は、改革活動が複数発生するようになると、それらの間の整合性を取るという機能も併せ持つ必要があります。
また、活動意欲のあるメンバーを増やすためには、成功体験をしてもらう必要があります。そのためには大きな難しいテーマだけでなく、日常的なテーマも取り上げることが重要です。

5.最後に
現在の激しい市場環境を勝ち抜くために、これまでよりもより広い範囲(*2)での全体最適化を実現するべく、CFTを結成し、充分議論させることをお勧めします。部門の壁を打破された企業さんは、組織の壁を越えて、グループ会社やサプライヤなどと議論する場を設けては如何でしょうか。きっと新たな発見があることでしょう。
(*2)弊社ではサプライチェーンマネジメント(SCM)の概念をマーケティング領域や製品開発領域などを含めた事業全体に拡張したエックスチェーンマネジメント(XCM; 出版「Xチェーン経営」http://www.jbc-con.co.jp/books/books_xcm.html)という概念を提唱しています。SC領域でのCFTを実践された企業さんは、XC領域(事業全体)でのCFTを実践されては如何でしょうか。

関連商品: 「 ビジネスプロセス改革」コンサルティング
弊社HP掲載:http://www.jbc-con.co.jp/consul_service/pdf/STC03.pdf
イプロス掲載:http://www.ipros.jp/products/141048/017/
困ったときはここ!「 ビジネス解決の玉手箱」
http://www.jbc-con.co.jp/consulting/index.html
コンサルティングのお問い合わせ先:
bca@jbc-con.co.jp にお気軽にお問い合わせください
= はじめに =
クロス・ファンクショナル・チーム(以下、CFT)と聞いて、日産自動車の改革活動(日産V-upプログラム)を思い浮かべる方も多いかと思います。CFTが優れた手法であることは、カルロス・ゴーン社長の下、日産自動車が
V字回復を達成したことが物語っているかと思います。私もCFTという改革手法の有効性を強く感じている一人として、「なぜ有効なのか」「どう適用すべきなのか」また「どんなことに気をつけるべきか」などについて、
コンサル経験から得られた知恵も織り交ぜながら、整理したいと思います。少しでも参考になれば、幸いです。
【参考】「日産自動車 V-upプログラムに見る業務改善手法」 (日経情報ストラテジー July2005 P.56-73)
= CFTの定義 =
INVENIO Co.,Ltd.では、CFTを以下のように定義しています。
URL: http://leadershipinsight.jp/dictionary/words/crossfunctional_team.html

CFTの例として、製品供給リードタイムの短縮を目的に、営業・調達・製造・物流の各部門から数名ずつが参加して、CFTを結成し、その中でサプライチェーン(SC)内に潜むロスを発見し、それを削減するような改革活動が想定されます。別の例としては、製品ライフサイクルの短期化に伴い、開発期間短縮を目的に、開発・生産技術・調達・品質保証の各部門参加型のCFTを検討されている企業さんも多いのではないでしょうか。
= CFTの例 =
CFTの例として、製品供給リードタイムの短縮を目的に、営業・調達・製造・物流の各部門から数名ずつが参加して、CFTを結成し、その中でサプライチェーン(SC)内に潜むロスを発見し、それを削減するような改革活動が想定されます。

別の例としては、製品ライフサイクルの短期化に伴い、開発期間短縮を目的に、開発・生産技術・調達・品質保証の各部門参加型のCFTを検討されている企業さんも多いのではないでしょうか。

それでは、なぜCFTを結成するようになったのでしょうか。またCFTを結成するとどんなメリットがあるのでしょうか。この点から整理したいと思います。
2. CFTの必要性・メリットについて
まず、CFTの必要性についてですが、これまで部門ごとの改革活動がし尽くされてきていて、大きな活動成果を得られにくくなっていることが背景にあるのではないでしょうか。また、現在の非効率の原因が部門間に潜んでいることや、問題が発生している部門と問題の原因を作っている部門が必ずしも一致しないこと(例えば、在庫は倉庫で増加するが、原因は需要に連動した生産計画になっていない)なども影響しているように思います。
顧客要求を受けてから製品を顧客に届けるまでの業務プロセスは、部門を跨いで繋がっているにも関わらず、部門ごとの分業が進んでしまい、全体を俯瞰したり、管理したりすることができにくくなりました。そこで、各部門が一堂に会して、全体を俯瞰する場としてのCFTが必要になってきたように思います。
全体俯瞰ができれば、顧客への提供価値を最大化(例えば、低価格や短納期)する上での阻害要因を数多く発見することができますし、また部門ごとに立場が違うことを活かして、様々な視点から解決策を検討できます。
当然、解決策を検討する中で、それぞれの部門の利害が必ずしも一致せず、衝突が起きるかも知れませんが、経験上、「顧客への提供価値最大化のために各部門が何ができるか」という発想で、全員が同じ目的を共有できれば、最善策は必ず見付かるように思います。


3. CFTによる改革活動実践のポイント
コンサル経験上、もっとも重要なポイントは各部門の参加者が、「Face to Faceで議論する」ことだと考えます。これは当たり前のことですが、顔を合わせるからこそ、お互いに腹を割って、話合うことができ、最善策を検討することが出来ると思います。ただし、特定部門だけの利益に偏らないように、中立的な第3者の参加は
必要でしょうが。
CFTメンバー選出におけるポイントとしては、問題意識を持ち、改革へのモチベーションが高い人を選出することや、実務層だけでなく、権限を持った管理層(部課長レベル)も選出することが挙げられます。
活動運営におけるポイントとしては、全体俯瞰できるリーダーの育成、活動の進捗管理やリーダーのサポートという役割を担う事務局の設置が考えられます。これらの人たちの舵取り如何で全体最適化の議論になるかが左右され、ひいては活動成果に影響してくることでしょう。

最後に、CFTを定着させて、継続的に改革活動を実践するためにはどうすべきかを整理したいと思います。
4. CFTによる改革活動の定着化に向けて
CFTの定着においてもっとも重要なのは、組織トップ層による強力な活動推進だと考えます。トップ層がCFTの必要性・有効性を強く感じ、CFTによる改革活動を認めていることを明言することが必要ではないでしょうか。これによりCFT参加メンバーは安心して議論ができます。次には、改革リーダーや事務局の人材を育成する仕組みの構築ではないでしょうか。なぜなら、前述したようにこれらの人材の有無で活動成果が左右されるからです。特に、事務局は、改革活動が複数発生するようになると、それらの間の整合性を取るという機能も併せ持つ必要があります。
また、活動意欲のあるメンバーを増やすためには、成功体験をしてもらう必要があります。そのためには大きな難しいテーマだけでなく、日常的なテーマも取り上げることが重要です。

5.最後に
現在の激しい市場環境を勝ち抜くために、これまでよりもより広い範囲(*2)での全体最適化を実現するべく、CFTを結成し、充分議論させることをお勧めします。部門の壁を打破された企業さんは、組織の壁を越えて、グループ会社やサプライヤなどと議論する場を設けては如何でしょうか。きっと新たな発見があることでしょう。
(*2)弊社ではサプライチェーンマネジメント(SCM)の概念をマーケティング領域や製品開発領域などを含めた事業全体に拡張したエックスチェーンマネジメント(XCM; 出版「Xチェーン経営」http://www.jbc-con.co.jp/books/books_xcm.html)という概念を提唱しています。SC領域でのCFTを実践された企業さんは、XC領域(事業全体)でのCFTを実践されては如何でしょうか。

関連商品: 「 ビジネスプロセス改革」コンサルティング
弊社HP掲載:http://www.jbc-con.co.jp/consul_service/pdf/STC03.pdf
イプロス掲載:http://www.ipros.jp/products/141048/017/
困ったときはここ!「 ビジネス解決の玉手箱」
http://www.jbc-con.co.jp/consulting/index.html
コンサルティングのお問い合わせ先:
bca@jbc-con.co.jp にお気軽にお問い合わせください
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