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サービス・システムを扱う【後編】

私の提案はこうだ。インプットとして主に人を扱い、それを変換して価値の高まった
人をアウトプットするシステムをサービス・システムと呼ぼう。
医療、保育、介護、教育、理髪、飲食、冠婚葬祭などは人を扱い、彼等を変換する
ことがサービス・システムの対象となる。人はシステムの中で価値を高められる。
20160113_3.jpg
これらの人は多様であり、自律性があり、変換の過程で感じ、反応する。
生きているのである。
従来、われわれの扱ってきた対象は物や情報、金であった。
IEは人を含んでシステムを設計するという。しかし、それは変換を助ける作業者
についていっているのであって、彼等がいかに効率よく安全に物を扱うかを設計し
てきたのである。だがサービス・システムでは変換される人を対象にする。ここでは
病人を扱う時、患者満足より効率が優先するという考えは成り立たない。人間
は全過程で感情のゆらぎを体感し、それが蓄積されて、そのサービス・システム
の評価となる。これは物や情報の流れにはないことだ。物や情報には感情がない。
もちろん創造力はない。
特にサービス・システムの特徴をまとめておこう。
1.サービス・システムは人間を変換する。
2.システムの評価は生産性向上より、変換される人間の満足感を重視する。
3.サービス・システムでは変換された人が、そこで獲得した知見を生かしてシステム
を成長させる。サービス・システムの自律性である。
特にこれからはサービス・システムの自律性に着目しよう。一区切りの教育を
終了した人(例えば学習塾)が、それをベースに新しい次の期のカリキュラムを
設計する。テーマパークの改良に顧客が加わる。介護や医療のシステムの新し
いビジネスモデルの設計に、介護や入院体験者を入れて意見を重用する。
20160113_4.jpg

システム設計で、その対象であった人が設計を担当する主要な力となるという
のがサービス・システムの新しい捉え方である。ここでシステム設計者が立場を
変える。現場力を定着させるという運動にも通じるものがある。

(おわり)

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サービス・システムを扱う【前編】

あけましておめでとうございます。
本年も本ブログをご愛読頂きます様、宜しくお願い申し上げます。
・~~・~・~・~
サービスという言葉があふれている。サービス産業といえば、物の製造を支援する
情報処理産業や運輸業などを含むことがある。サービスが良い、といえば接客が
おもてなし精神にあふれていることだ。
20160113_1.jpg
ここではサービス・システムとして対象を規定し、それをどのように設計するかを
考えたい。
アメリカでは1956年頃よりホワイトカラーの従業員数がブルーカラー従業員を凌ぐ
ようになった。これを脱工業化社会と呼んだりする。それはサービス業の台頭と期を
一にする。
20160113_2.jpg
日本でも今日、GDPの約70%を生んでいるのが製造業でなく、サービス業だと
いう。もっともサービス、サービス産業といった枠組みや分類はそれ程明解ではなく、
広義とか狭義といったりすることが多い。すべての産業は人間にサービスするわけ
だから、その分類は難しいはずである。特に現在分類されているサービス産業だけ
が人間を助けるわけではない。農業も林業も運輸業も飲食業も人間にサービスを
提供する。ここで便宜的に、われわれは伝統的な農業、林業などを第一次産業、
そして製造、建設のようなもの作りに関わる産業は第二次産業、ここに分類され
ない産業を第三次に分類してきた。ここには公益、飲食、情報通信、運輸、金融、
その他の事業を含み、分類不能な産業はここに組み入れてきた。産業は人間の
生活にとって必要な活動であり、分類のために生じたわけではないから、こうした
難しさが生じたのも無理はない。今日では農業の新しい形態を第六次産業と呼ん
でいる。
われわれが関心を持つサービス産業は第三次に含まれることは確かだが、やはり
異質のものを含んでしまう。不動産業、ソフトウェア産業、レンタルや3PLもそれ
だろう。ガス、水、熱、電気供給などもサービス産業だ。娯楽産業はもちろんサー
ビス産業である。

(次回へ続きます。お楽しみに!)

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経営コンサルティング企業として、日本におけるSCM改革をリーディングしております。
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