1歩1秒1円【前編】
1歩1秒1円。
某自動車メーカーの改善の合言葉として、お馴染みのキャッチフレーズであること
は有名な話である。

作業現場で、「1歩」歩くと「1秒」掛かり「1円」のロスが出るという説明に使われ
ている。が、しかし実際に自らの企業に当てはめて考えてみたことがあるだろうか?
例えば、1時間に1人が30件の出荷をしている物流センターがあり、出荷作業
要員が20人で年間250日(1日8時間)の稼働と仮定したうえで、出荷工程の
ピッキング作業の商品を探すという動作に着目し、もし、目的の商品を取り出す
時間を1秒縮めることができるとしたら・・・、(1円/1秒)×30件×8時間×
250日×20人=120万円。さらに商品を探すという動作だけでなく、一連の
出荷工程において、10項目の動作において、僅か1秒ずつ縮めることができる
としたら、その効果は年間で1200万円という金額にある。

生産性を向上させようと全体の削減目標を先に眺めてしまうからハードルが高くなる。
1200万円のハードルは大変だが、僅か1円のハードルなんて容易いものだ。
(次回へ続きます。お楽しみに!)
関連商品: 「事業構造改革」コンサルティング
イプロス掲載:http://www.ipros.jp/products/141048/016/
「サプライチェーン競争力強化」についてはこちらから
http://www.jbc-con.co.jp/consultation01.html
コンサルティングのお問い合わせ先:
bca@jbc-con.co.jp にお気軽にお問い合わせください
某自動車メーカーの改善の合言葉として、お馴染みのキャッチフレーズであること
は有名な話である。

作業現場で、「1歩」歩くと「1秒」掛かり「1円」のロスが出るという説明に使われ
ている。が、しかし実際に自らの企業に当てはめて考えてみたことがあるだろうか?
例えば、1時間に1人が30件の出荷をしている物流センターがあり、出荷作業
要員が20人で年間250日(1日8時間)の稼働と仮定したうえで、出荷工程の
ピッキング作業の商品を探すという動作に着目し、もし、目的の商品を取り出す
時間を1秒縮めることができるとしたら・・・、(1円/1秒)×30件×8時間×
250日×20人=120万円。さらに商品を探すという動作だけでなく、一連の
出荷工程において、10項目の動作において、僅か1秒ずつ縮めることができる
としたら、その効果は年間で1200万円という金額にある。

生産性を向上させようと全体の削減目標を先に眺めてしまうからハードルが高くなる。
1200万円のハードルは大変だが、僅か1円のハードルなんて容易いものだ。
(次回へ続きます。お楽しみに!)
関連商品: 「事業構造改革」コンサルティング
イプロス掲載:http://www.ipros.jp/products/141048/016/
「サプライチェーン競争力強化」についてはこちらから
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(連載)顧客ニーズの多様化が招いたプライベート・ブランド(PB)商品化はサプライチェーン構造改革である!【その5(最終回)】
■サプライチェーン構造改革に伴う課題
ここまで、PB商品がきっかけで、サプライチェーン構造改革が起きていることを説明しましたが、この動きはまだ始まったばかりです。製造業・流通業がそれぞれ単独で取組む課題もあれば、製造業と流通業が一緒になって解決しなければならない課題もあります。
製造業としては、NB商品とPB商品のミックスで生産効率を最大化することも重要ですが、ブランド力を維持するために、NB商品とPB商品のそれぞれを事業の中でどう位置付けるかという商品戦略の明確化も重要です。即ち「何のために、PB商品を作るのか」「NB商品で何を狙うのか」を明確にする必要があります。
このような商品戦略にも絡みますが、強くなった流通業に選んでもらうために魅力ある技術力を絶えず磨くことも、生き残りのためには欠かすことのできない大きな課題です。
流通業の課題のうち、最も重要なものは売れるPB商品の企画力とそれを売り切る販促活動の強化であり、しかもそれをどのように継続的に行うか、という課題でしょう。
製造業と流通業の連携の課題としては、「価格決定プロセス構築」「計画策定・在庫責任ルールの明確化」「PB商品の評価&対策実施の仕組み化」など、共同で行っていく業務における役割・責任の分担明確化に関する課題が中心になってきます。
これらの課題を解決するためには、サプライチェーンの全体最適視点、「顧客のために何が最善か」という視点から、流通業と製造業が徹底的に話し合う場が今後必須になると考えます。そのような機会を、弊社では講演とディスカッションをセットにしたセミナーという形で、提供しています。

■最後に
これまでは、食品加工メーカーや家電メーカーなどBtoCビジネスを主体としたメーカーを対象に議論して来ましたが、生産設備や衣料品・航空機の素材などを提供するようなBtoBビジネスを生業としているメーカーも存在します。そのような企業の中には、景気の波が自社に及ぼす影響を緩和する目的で、これまで培ってきた技術をBtoBtoCビジネスに適用しようとする会社があります。
その一つが、東レ株式会社です。同社がユニクロと提携して、ヒートテック等を共同開発したことはよく知られています。また帝人株式会社と株式会社ニトリがランドセルなどを共同開発するという事例も同様です。これらは製造業と流通業がセットになって、競争を勝ち抜くための戦略であり、PB商品と同じ動向と捉えられます。
これまで製造業、流通業はぞれぞれ別々に、競合と戦ってきましたが、今は製造業と流通業がセットになって競争する時代、「サプライチェーン単位で競争する時代」に突入してきていると言えるのではないでしょうか。
「どんな顧客ニーズを満足する為に、誰と組むか」この戦略が生き残りに大きく影響してきそうです。
本記事が各企業における生き残り策の検討に参考となれば幸いです。
(おわり)
関連商品: 「事業構造改革」コンサルティング
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ここまで、PB商品がきっかけで、サプライチェーン構造改革が起きていることを説明しましたが、この動きはまだ始まったばかりです。製造業・流通業がそれぞれ単独で取組む課題もあれば、製造業と流通業が一緒になって解決しなければならない課題もあります。
製造業としては、NB商品とPB商品のミックスで生産効率を最大化することも重要ですが、ブランド力を維持するために、NB商品とPB商品のそれぞれを事業の中でどう位置付けるかという商品戦略の明確化も重要です。即ち「何のために、PB商品を作るのか」「NB商品で何を狙うのか」を明確にする必要があります。

このような商品戦略にも絡みますが、強くなった流通業に選んでもらうために魅力ある技術力を絶えず磨くことも、生き残りのためには欠かすことのできない大きな課題です。
流通業の課題のうち、最も重要なものは売れるPB商品の企画力とそれを売り切る販促活動の強化であり、しかもそれをどのように継続的に行うか、という課題でしょう。
製造業と流通業の連携の課題としては、「価格決定プロセス構築」「計画策定・在庫責任ルールの明確化」「PB商品の評価&対策実施の仕組み化」など、共同で行っていく業務における役割・責任の分担明確化に関する課題が中心になってきます。
これらの課題を解決するためには、サプライチェーンの全体最適視点、「顧客のために何が最善か」という視点から、流通業と製造業が徹底的に話し合う場が今後必須になると考えます。そのような機会を、弊社では講演とディスカッションをセットにしたセミナーという形で、提供しています。

■最後に
これまでは、食品加工メーカーや家電メーカーなどBtoCビジネスを主体としたメーカーを対象に議論して来ましたが、生産設備や衣料品・航空機の素材などを提供するようなBtoBビジネスを生業としているメーカーも存在します。そのような企業の中には、景気の波が自社に及ぼす影響を緩和する目的で、これまで培ってきた技術をBtoBtoCビジネスに適用しようとする会社があります。
その一つが、東レ株式会社です。同社がユニクロと提携して、ヒートテック等を共同開発したことはよく知られています。また帝人株式会社と株式会社ニトリがランドセルなどを共同開発するという事例も同様です。これらは製造業と流通業がセットになって、競争を勝ち抜くための戦略であり、PB商品と同じ動向と捉えられます。
これまで製造業、流通業はぞれぞれ別々に、競合と戦ってきましたが、今は製造業と流通業がセットになって競争する時代、「サプライチェーン単位で競争する時代」に突入してきていると言えるのではないでしょうか。
「どんな顧客ニーズを満足する為に、誰と組むか」この戦略が生き残りに大きく影響してきそうです。
本記事が各企業における生き残り策の検討に参考となれば幸いです。
(おわり)
関連商品: 「事業構造改革」コンサルティング
イプロス掲載:http://www.ipros.jp/products/141048/016/
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