(連載)顧客ニーズの多様化が招いたプライベート・ブランド(PB)商品化はサプライチェーン構造改革である!【その2】
■PB商品の変遷
まず、PB商品の歴史を振り返ります。これまでの歴史は、黎明期(1960年代~1990年代)、第1次ブーム(1990年代~2000年代)、第2次ブーム(2000年代~現在)の3つに大別されます。

日本で最初のPB商品は、高度経済成長期の1961年にダイエーが発売したインスタントコーヒーという説が有力のようです。それを皮切りに対象が拡大しますが、安かろう悪かろうの商品が中心ということも影響してか、石油危機をきっかけに衰退します。
1990年代に始まる第1次ブームはバブル経済崩壊と円高不況の時期に相当し、スーパー各社がナショナル・ブランド商品(以下、NB商品)の▲30%ダウンのPB商品を販売するケースもでてきました。この頃には、「品質」と「低価格」が両立してきます。それもPL法の施行に伴う責任の増加から、流通業はPB商品の開発を敬遠するようになります。
第2次ブームは現在起きているもので、長引く不況の中で顧客の節約志向が原動力です。これまでとの違いはスーパー以外の流通業の参入とプレミアムPB商品というカテゴリーの発生です。ニーズが多様化して、低価格だけではなく、そこにしかないモノを顧客が求めるようになりました。

●黎明期(1960年代~1990年代)
景気動向: 高度経済成長期
顧客ニーズ: より安く購入
商品特性: 安かろう悪かろうのPB商品
終焉事象: 石油危機以降の景気低迷
●第1次ブーム(1990年代~2000年代)
景気動向: バブル経済崩壊と円高不況
顧客ニーズ: 品質が良く、より低価格なモノを購入
商品特性: スーパー各社の低価格PB商品が猛威を振るう
終焉事象: PL法の施行に伴い、流通業が責任を持つPB商品の開発敬遠
●第2次ブーム(2000年代~現在)
景気動向: 長引く不況・顧客の節約志向
顧客ニーズ: ニーズの多様化
商品特性: 様々な流通業がPB商品を販売/プレミアムPB商品の出現
終焉事象: <現在、進行中>
【参考資料】
日本におけるPB商品の開発動向と発展可能性
http://www.jiu.ac.jp/books/bulletin/2010/info/miyashita.pdf
(次回掲載は6月10日の予定です。お楽しみに!)
関連商品: 「事業構造改革」コンサルティング
イプロス掲載:http://www.ipros.jp/products/141048/016/
「サプライチェーン競争力強化」についてはこちらから
http://www.jbc-con.co.jp/consultation01.html
コンサルティングのお問い合わせ先:
bca@jbc-con.co.jp にお気軽にお問い合わせください
まず、PB商品の歴史を振り返ります。これまでの歴史は、黎明期(1960年代~1990年代)、第1次ブーム(1990年代~2000年代)、第2次ブーム(2000年代~現在)の3つに大別されます。

日本で最初のPB商品は、高度経済成長期の1961年にダイエーが発売したインスタントコーヒーという説が有力のようです。それを皮切りに対象が拡大しますが、安かろう悪かろうの商品が中心ということも影響してか、石油危機をきっかけに衰退します。
1990年代に始まる第1次ブームはバブル経済崩壊と円高不況の時期に相当し、スーパー各社がナショナル・ブランド商品(以下、NB商品)の▲30%ダウンのPB商品を販売するケースもでてきました。この頃には、「品質」と「低価格」が両立してきます。それもPL法の施行に伴う責任の増加から、流通業はPB商品の開発を敬遠するようになります。
第2次ブームは現在起きているもので、長引く不況の中で顧客の節約志向が原動力です。これまでとの違いはスーパー以外の流通業の参入とプレミアムPB商品というカテゴリーの発生です。ニーズが多様化して、低価格だけではなく、そこにしかないモノを顧客が求めるようになりました。

●黎明期(1960年代~1990年代)
景気動向: 高度経済成長期
顧客ニーズ: より安く購入
商品特性: 安かろう悪かろうのPB商品
終焉事象: 石油危機以降の景気低迷
●第1次ブーム(1990年代~2000年代)
景気動向: バブル経済崩壊と円高不況
顧客ニーズ: 品質が良く、より低価格なモノを購入
商品特性: スーパー各社の低価格PB商品が猛威を振るう
終焉事象: PL法の施行に伴い、流通業が責任を持つPB商品の開発敬遠
●第2次ブーム(2000年代~現在)
景気動向: 長引く不況・顧客の節約志向
顧客ニーズ: ニーズの多様化
商品特性: 様々な流通業がPB商品を販売/プレミアムPB商品の出現
終焉事象: <現在、進行中>
【参考資料】
日本におけるPB商品の開発動向と発展可能性
http://www.jiu.ac.jp/books/bulletin/2010/info/miyashita.pdf
(次回掲載は6月10日の予定です。お楽しみに!)
関連商品: 「事業構造改革」コンサルティング
イプロス掲載:http://www.ipros.jp/products/141048/016/
「サプライチェーン競争力強化」についてはこちらから
http://www.jbc-con.co.jp/consultation01.html
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(連載)顧客ニーズの多様化が招いたプライベート・ブランド(PB)商品化はサプライチェーン構造改革である!【その1】
プライベート・ブランド商品(以下、PB商品)と聞いて、読者の皆様はどんな商品をイメージされますでしょうか。低価格でお求めやすい商品でしょうか、それともセブンイレブンのセブンプレミアムでしょうか。あるいはイオングループのトップバリュでしょうか。

高度経済成長期に、ダイエーが低価格を武器に始めたPB商品は、市場環境・顧客ニーズの変化と共に形を変えています。最近では、価格以外の価値を追求しているPB商品も開発されています。それを象徴する商品として、美味しさを追求した「セブンゴールド」が挙げられることに異論はないかと思います。PB商品は対象商品数、即ち「量」を拡大しつつ「質」も変化させています。
<株式会社セブン&アイ・ホールディングス 2015年2月期決算説明会 P.12参照>
http://www.7andi.com/dbps_data/_template_/_user_/_SITE_/localhost/_res/ir/library/ks/pdf/2015_0402ksg.pdf
ここでPB商品が拡大している注目すべき記事をご紹介します。2015年4月7日(火)付けの日経ビジネスONLINEで、PB商品化を拒んでいたコカ・コーラがついに、セブンのロゴ入り商品を販売するという記事が掲載されました。コカ・コーラは「今回はPBではなく、あくまで共同企画商品」と強調していますが、圧倒的な販売力を持つセブンへの歩み寄りを感じる出来事のようにも思います。

<“アンチPB”のコカ・コーラも、ついにセブンのロゴ入り商品>
http://business.nikkeibp.co.jp/article/interview/20150406/279630/
今回の連載では、PB商品を取り上げ、現在製造業・流通業の周辺で起きている変化を、PB商品の変遷と共に、事業環境変化を紐解きながら、考察してみたいと思います。
(次回掲載は5月27日の予定です。お楽しみに!)
関連商品: 「事業構造改革」コンサルティング
イプロス掲載:http://www.ipros.jp/products/141048/016/
「サプライチェーン競争力強化」についてはこちらから
http://www.jbc-con.co.jp/consultation01.html
コンサルティングのお問い合わせ先:
bca@jbc-con.co.jp にお気軽にお問い合わせください

高度経済成長期に、ダイエーが低価格を武器に始めたPB商品は、市場環境・顧客ニーズの変化と共に形を変えています。最近では、価格以外の価値を追求しているPB商品も開発されています。それを象徴する商品として、美味しさを追求した「セブンゴールド」が挙げられることに異論はないかと思います。PB商品は対象商品数、即ち「量」を拡大しつつ「質」も変化させています。
<株式会社セブン&アイ・ホールディングス 2015年2月期決算説明会 P.12参照>
http://www.7andi.com/dbps_data/_template_/_user_/_SITE_/localhost/_res/ir/library/ks/pdf/2015_0402ksg.pdf
ここでPB商品が拡大している注目すべき記事をご紹介します。2015年4月7日(火)付けの日経ビジネスONLINEで、PB商品化を拒んでいたコカ・コーラがついに、セブンのロゴ入り商品を販売するという記事が掲載されました。コカ・コーラは「今回はPBではなく、あくまで共同企画商品」と強調していますが、圧倒的な販売力を持つセブンへの歩み寄りを感じる出来事のようにも思います。

<“アンチPB”のコカ・コーラも、ついにセブンのロゴ入り商品>
http://business.nikkeibp.co.jp/article/interview/20150406/279630/
今回の連載では、PB商品を取り上げ、現在製造業・流通業の周辺で起きている変化を、PB商品の変遷と共に、事業環境変化を紐解きながら、考察してみたいと思います。
(次回掲載は5月27日の予定です。お楽しみに!)
関連商品: 「事業構造改革」コンサルティング
イプロス掲載:http://www.ipros.jp/products/141048/016/
「サプライチェーン競争力強化」についてはこちらから
http://www.jbc-con.co.jp/consultation01.html
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提案力を鍛える【後編】
第2のステップは、システムの内容をターゲットから設計する、である。人々が
日頃、暖めていたアイディアを実現するチャンスである。蓄積された事例が
ヒントになるし、提案をまとめる図表化、図面化の技法がクライアントを説得する
のに力を発揮する。

システムの評価は単に特徴を説明したり、投資額、運用費用を見積もるだけで
なく、予見される波及効果が重視される。その影響の大きさにクライアントは
驚愕するだろう。また環境の変化から要請される“ねらい”が提案を導く。これに
集中する。かつてボルボ カルマ工場の計画にあたってリーダーが「人間性尊重」
を命題として挙げたのも、システム提案における「ねらい」だ。リードタイム短縮や
在庫0、省人・省エネも採用されている「ねらい」の例である。
このターゲットを実現していく第3のステップがロードマップへの展開である。それは
変化の過程においても十分な成果が保証されねばならない。工事途中で混乱が
引き起こされても、ターゲット実現のためには致し方ないと利用者が我慢する
ようなロードマップは好ましくない。今、建設中だからという説明の下、迷路のような
通路を歩かされるターミナルもある。システムが導入される際には、国のインフラ
施策、グローバルスタンダードが制約となることもある。
ビジネスの立場での提案を実際に生かすのは、企業がターゲット案にこだわって、
この案をクライアント企業や受け入れる国に説得する努力である。

提案作成はクライアントとの連携による協調作業でもある。互いに持っている情報
を共有し、設計の過程で意見を交わし、知力を高め合い、競争力のある物流
システムをえて、物流の社会システムへの統合を図る。
(おわり)
関連商品: 「事業構造改革」コンサルティング
イプロス掲載:http://www.ipros.jp/products/141048/016/
「サプライチェーン競争力強化」についてはこちらから
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日頃、暖めていたアイディアを実現するチャンスである。蓄積された事例が
ヒントになるし、提案をまとめる図表化、図面化の技法がクライアントを説得する
のに力を発揮する。

システムの評価は単に特徴を説明したり、投資額、運用費用を見積もるだけで
なく、予見される波及効果が重視される。その影響の大きさにクライアントは
驚愕するだろう。また環境の変化から要請される“ねらい”が提案を導く。これに
集中する。かつてボルボ カルマ工場の計画にあたってリーダーが「人間性尊重」
を命題として挙げたのも、システム提案における「ねらい」だ。リードタイム短縮や
在庫0、省人・省エネも採用されている「ねらい」の例である。
このターゲットを実現していく第3のステップがロードマップへの展開である。それは
変化の過程においても十分な成果が保証されねばならない。工事途中で混乱が
引き起こされても、ターゲット実現のためには致し方ないと利用者が我慢する
ようなロードマップは好ましくない。今、建設中だからという説明の下、迷路のような
通路を歩かされるターミナルもある。システムが導入される際には、国のインフラ
施策、グローバルスタンダードが制約となることもある。
ビジネスの立場での提案を実際に生かすのは、企業がターゲット案にこだわって、
この案をクライアント企業や受け入れる国に説得する努力である。

提案作成はクライアントとの連携による協調作業でもある。互いに持っている情報
を共有し、設計の過程で意見を交わし、知力を高め合い、競争力のある物流
システムをえて、物流の社会システムへの統合を図る。
(おわり)
関連商品: 「事業構造改革」コンサルティング
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「サプライチェーン競争力強化」についてはこちらから
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