システム導入の波及【3連載:その3(最終回)】
出版業界で再販制度や委託販売制度を廃止しようという提案は、前から一部に
あった。しかし、再販制度については → 小売りの価格競争、書店の売上げ、書店
経営の安定度、最寄り店の数、文化の多様性、アクセス拠点、出版の自由さ、
業界はこうつながっていくとしていた。これは変数の連鎖だ。

しかし、ここには → 買取り制の動向、委託販売制、書店の品揃えの多様性、文化の
多様性という流れもある。
このような波及の流れは、自分達の好みによって作られてはならない。
また、流れの枝を、自分達に都合の良い枝だけを取り上げてはならない。
TPPや消費税問題にしても、その論議を聞くと一方的だ。賛成派と反対派に
分かれて、都合の良い枝のみを取り上げ、その波及を主張しているように思えて
ならない。
こうした意志決定のモデルを波及効果の分析という。
それにはまず可能性のある枝を描き出し、その波及を調べる。これは客観的でなけ
ればならない。それから起きて欲しくない枝を断ち、好ましくない波及が周辺に広が
らないように手を打つ。
東京オリンピックの開催について、あるグループは20兆円という効果を予想し、ある
グループは数兆円の経済効果という。もちろん、決ってからまだ日が浅いが、波及の
枝とその波及の予測が雑である。

経営問題のような制御可能な問題からスタートしても、それは必ず社会的な広がり
へと波及する。そのことを予め考えておくことが大切だ。
(おわり)
~・~・~・~・~
本年のブログ更新は今回で終了です。ご愛読いただきまして、どうもありがとうございました。
なお、年明けは8日から更新予定です。変わらずご愛読いただきますようよろしくお願いいたします。
それでは、どうぞ良いお年をお迎えください!
関連商品: 「事業構造改革」コンサルティング
弊社HP掲載:http://www.jbc-con.co.jp/consul_service/pdf/STC02.pdf
イプロス掲載:http://www.ipros.jp/products/141048/016/
困ったときはここ!「 ビジネス解決の玉手箱」
http://www.jbc-con.co.jp/consulting/index.html
コンサルティングのお問い合わせ先:
bca@jbc-con.co.jp にお気軽にお問い合わせください
あった。しかし、再販制度については → 小売りの価格競争、書店の売上げ、書店
経営の安定度、最寄り店の数、文化の多様性、アクセス拠点、出版の自由さ、
業界はこうつながっていくとしていた。これは変数の連鎖だ。

しかし、ここには → 買取り制の動向、委託販売制、書店の品揃えの多様性、文化の
多様性という流れもある。
このような波及の流れは、自分達の好みによって作られてはならない。
また、流れの枝を、自分達に都合の良い枝だけを取り上げてはならない。
TPPや消費税問題にしても、その論議を聞くと一方的だ。賛成派と反対派に
分かれて、都合の良い枝のみを取り上げ、その波及を主張しているように思えて
ならない。
こうした意志決定のモデルを波及効果の分析という。
それにはまず可能性のある枝を描き出し、その波及を調べる。これは客観的でなけ
ればならない。それから起きて欲しくない枝を断ち、好ましくない波及が周辺に広が
らないように手を打つ。
東京オリンピックの開催について、あるグループは20兆円という効果を予想し、ある
グループは数兆円の経済効果という。もちろん、決ってからまだ日が浅いが、波及の
枝とその波及の予測が雑である。

経営問題のような制御可能な問題からスタートしても、それは必ず社会的な広がり
へと波及する。そのことを予め考えておくことが大切だ。
(おわり)
~・~・~・~・~
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システム導入の波及【3連載:その2】
「風が吹けば桶屋が儲かる」という諺がある。風が吹くと埃が舞い、目にゴミが入り、
目を患う人が増え、盲人が増えて、その生活のために三味線を引く瞽女(ごぜ)が
増えて、三味線のため猫の皮が要求され、猫が少なくなって、ねずみが増え、桶を
かじるので、桶屋が儲かるという波及である。

もちろん、他にも枝があるだろう。そして、その枝がまた波及をもつだろう。
神田に昔、野菜の市場があった。この周辺の車の混雑を避けようというプロジェクト
があった。外国では車のナンバーの奇数、偶数で乗り入れの許可を与えているとい
う。神田市場の車の混雑の元である八百屋が共同して仕入れるという案を考えた。
青梅街道沿いの数軒の八百屋が仲間となって仕入れを行うというものであった。

だが、この案は思いがけぬ反論にあった。その日に仕入れる野菜が仲間に知られて
は困るというのであった。小さいとはいえ、八百屋は独立した経営者である。競争
相手に仕入れ商品の情報が筒抜けになっては困るというのであった。
人を含むシステムの難しさである。波及の枝の検討と、その波及をもっとじっくり
吟味すべきであったのだろう。
(次回へ続きます。お楽しみに!)
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増えて、三味線のため猫の皮が要求され、猫が少なくなって、ねずみが増え、桶を
かじるので、桶屋が儲かるという波及である。

もちろん、他にも枝があるだろう。そして、その枝がまた波及をもつだろう。
神田に昔、野菜の市場があった。この周辺の車の混雑を避けようというプロジェクト
があった。外国では車のナンバーの奇数、偶数で乗り入れの許可を与えているとい
う。神田市場の車の混雑の元である八百屋が共同して仕入れるという案を考えた。
青梅街道沿いの数軒の八百屋が仲間となって仕入れを行うというものであった。

だが、この案は思いがけぬ反論にあった。その日に仕入れる野菜が仲間に知られて
は困るというのであった。小さいとはいえ、八百屋は独立した経営者である。競争
相手に仕入れ商品の情報が筒抜けになっては困るというのであった。
人を含むシステムの難しさである。波及の枝の検討と、その波及をもっとじっくり
吟味すべきであったのだろう。
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システム導入の波及【3連載:その1】
卵が出来過ぎて市場に溢れ、それにはその源を少なくしようと鶏の数を制限した。
確かにそれで市価は維持できたが、反動で今は鶏の数が少なくなり過ぎて、卵の
値段が上がってしまった。社会システムはまったく一筋縄ではいかない。

2003年は冷夏で8月20日になって、やっと夏の暑さがやってきた。この年はレタス
もねぎも高くなった。でも人参は出来過ぎた。2002年には131円/㎏の人参が、
2003年には50円/㎏になって、農家は価格を維持しようと一部を廃棄した。
ショベルカーで処理される人参の姿は痛々しかった。この廃棄は他の人為的な策を
含めて、様々な波及を広げた。

人参の保管技術の開発
人参のレシピを工夫して消費を増大させる。
埋め立てられた土壌の変化
ショベルカーのレンタル費用
その波及の枝は、このように多くが考えられる。その枝がまた波及する。われわれの
システムの導入という行為は、意図したことはもちろん、他にも様々な波及を周辺に
広げる。
(次回へ続きます。お楽しみに!)
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確かにそれで市価は維持できたが、反動で今は鶏の数が少なくなり過ぎて、卵の
値段が上がってしまった。社会システムはまったく一筋縄ではいかない。

2003年は冷夏で8月20日になって、やっと夏の暑さがやってきた。この年はレタス
もねぎも高くなった。でも人参は出来過ぎた。2002年には131円/㎏の人参が、
2003年には50円/㎏になって、農家は価格を維持しようと一部を廃棄した。
ショベルカーで処理される人参の姿は痛々しかった。この廃棄は他の人為的な策を
含めて、様々な波及を広げた。

人参の保管技術の開発
人参のレシピを工夫して消費を増大させる。
埋め立てられた土壌の変化
ショベルカーのレンタル費用
その波及の枝は、このように多くが考えられる。その枝がまた波及する。われわれの
システムの導入という行為は、意図したことはもちろん、他にも様々な波及を周辺に
広げる。
(次回へ続きます。お楽しみに!)
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物流業界生き残りのカギは、新たな付加価値サービスによる攻めの姿勢【8連載:その8(最終回)】
■最後に
これまでの事例で見てきたように、物流ブルー・オーシャン戦略のネタの多くは、「荷主企業のサプライチェーンを活性化させるためには何ができるか」という発想から生まれています。

活性化の阻害要因は物流・商流の両方に存在していますし、また物流に限定しても動脈物流・静脈物流の両方に存在しています。以下は、今回ご紹介した事例を整理したものです。
◆サプライチェーンの活性化のための発想
○納入先企業の実態も把握して、納入先に喜ばれる梱包形態の実現
○納品時に発生する納入先企業での課題を解決するリバース物流(静脈物流)の構築
○納入先企業の機能を持って、自ら物流機会を創出するサプライチェーンの構築
○中抜きで失われた商社機能を取組むことで、物流・商流の付加価値サービスで差別化
上記では、サプライチェーンの範疇を「荷主企業~納入先企業」に限定しましたが、それらの前後即ち荷主企業のサプライヤや納入先企業の顧客まで視野に入れると、物流企業が提供できるサービスのネタはもっと多く発見できるのではないでしょうか。

例えば、ミルクラン形式の調達物流を荷主企業に提供することや「納入先企業の顧客」の購買意欲の刺激のためのイベント共同企画などが考えられのではないでしょうか。
価格競争の激化で苦しんでいる物流企業の皆様が業界生き残り戦略を検討される際に、ご紹介した事例や「サプライチェーン活性化のために」という考え方が参考になれば幸いです。
(おわり)
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これまでの事例で見てきたように、物流ブルー・オーシャン戦略のネタの多くは、「荷主企業のサプライチェーンを活性化させるためには何ができるか」という発想から生まれています。

活性化の阻害要因は物流・商流の両方に存在していますし、また物流に限定しても動脈物流・静脈物流の両方に存在しています。以下は、今回ご紹介した事例を整理したものです。
◆サプライチェーンの活性化のための発想
○納入先企業の実態も把握して、納入先に喜ばれる梱包形態の実現
○納品時に発生する納入先企業での課題を解決するリバース物流(静脈物流)の構築
○納入先企業の機能を持って、自ら物流機会を創出するサプライチェーンの構築
○中抜きで失われた商社機能を取組むことで、物流・商流の付加価値サービスで差別化
上記では、サプライチェーンの範疇を「荷主企業~納入先企業」に限定しましたが、それらの前後即ち荷主企業のサプライヤや納入先企業の顧客まで視野に入れると、物流企業が提供できるサービスのネタはもっと多く発見できるのではないでしょうか。

例えば、ミルクラン形式の調達物流を荷主企業に提供することや「納入先企業の顧客」の購買意欲の刺激のためのイベント共同企画などが考えられのではないでしょうか。
価格競争の激化で苦しんでいる物流企業の皆様が業界生き残り戦略を検討される際に、ご紹介した事例や「サプライチェーン活性化のために」という考え方が参考になれば幸いです。
(おわり)
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