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物流業界生き残りのカギは、新たな付加価値サービスによる攻めの姿勢【8連載:その7】

■中抜きで失われた商社機能と物流サービスのセット販売の事例

これまで商社が果たしていた機能の一つにファイナンス機能があります。ファイナンス、即ち商流は物流と表裏一体の関係にあり、物流企業が参入しやすい領域ではないかと思います。
ご紹介する事例は、2013年2月22日の報道ステーションで放送されたヤマトフィナンシャル株式会社
が提供する「クロネコあんしん決済サービス(http://www.yamatofinancial.jp/so/ansin_pay.html)」
の事例です。
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鹿児島県喜界島にある唯一のコンビニ「アイ・ショップ」にこれまで商品を届けていたヤマトは、そのコンビニの店主が持つ課題「島民のために充分な品揃えしたいが資金繰りのためにできない」にファイナンス・サービスで応えました。この課題は、卸大手が入金確認の後しか商品を発送しないことに起因していました。そこで、ヤマトフィナンシャル株式会社が卸大手に代行支払いして、コンビニの買掛金サイトを延長するサービスを提供したのです。これまで物流でコンビニとお付き合いしているヤマトグループだからこそ、実現したサービスです。
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【参考URL】 http://www.tv-asahi.co.jp/dap/bangumi/hst/feature/detail.php?news_id=28782&y_m=13-02&str_num=0

サプライチェーンの活性化が荷主の売上に繋がり、ひいては物流増大に繋がるというロジックをご説明しましたが、サプライチェーンの流れを停滞させている要因は物流のみならず、その表裏一体である商流にも潜んでいる可能性があります。上記の事例は、物流・商流の全体に着目することで、新しい付加価値サービスのネタが発見できることを示唆している事例と言えるのではないでしょうか。

(次回へ続きます。お楽しみに!)

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物流業界生き残りのカギは、新たな付加価値サービスによる【8連載:その6】

■物流機会を物流企業自ら作る事例

物流は、サプライチェーンの下流に位置する顧客が購買行動を起こして発生する業務です。従って、顧客の購買意欲を刺激することができれば、サプライチェーンは活性化して、物流機会が発生します。

次にご紹介する事例は、岩谷物流株式会社の産直事業部が、日本各地ならではの食べ物を発掘して、それを「ごちそう紀行」というタイトルで、全国にカタログ販売している事業です。
これは自らカタログ販売を行うことで、自社の物流機会を創出していることが着目すべき点です。
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なお、現在はグループ会社のイワタニダイレクト株式会社に事業は引き継がれています。
【参考URL】 http://www.iwatani-i-collect.com/

物流企業自身が荷主の顧客である納入先の機能を果たしている画期的なサプライチェーンではないでしょうか。この事例は、物流企業が商社機能を持った事例という見方もできます。

◆物流企業が物流機会を自ら創出
⇒ サプライチェーンから中抜きされた商社の機能を物流企業が持つことで、物流機会を創出
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物流コスト削減の観点から、サプライチェーンの中抜きが発生していますが、それにより商社がこれまで担ってきた機能が欠落しつつあります。ここにも生き残りのネタ、物流ブルー・オーシャン戦略のネタがあるのではないでしょうか。それでは次に、商社機能に着目して、その機能を物流サービスとのセットで販売することで、売上を拡大している事例をご紹介します。

(次回へ続きます。お楽しみに!)

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物流業界生き残りのカギは、新たな付加価値サービスによる攻めの姿勢【8連載:その5】

前回まで4回にわたって、物流業界を生き残るためには、コスト競争力を高める戦略もありますが、これまでにない「新しい付加価値サービス」を核にした物流ブルー・オーシャン戦略もあることを説明しました。
後者は小規模の物流企業でも実現可能な戦略ということもあり、これに焦点を当てることにしました。
物流企業の置かれている環境・荷主のニーズを再確認した上で、物流企業は製造業のコスト低減のみならず、売上拡大のために「どんな貢献ができるか」を追求すべきと述べました。
そして、売上拡大のために、納入先の情報を入手する役割が物流企業にはあり、その事例の一つをご紹介しまた。

◆物流企業:荷主企業と納入先企業を物流という機能で繋ぐ役割
⇒ 納入先企業の実態も把握して、荷主企業の売上拡大に貢献する

今回も、物流ブルー・オーシャン戦略と呼べる事例をご紹介するともに、その事例の根底にある考え方を、ご説明したいと思います。

■売上拡大のための物流企業の貢献事例2

前回に引き続き、荷主企業の売上拡大のための物流サービスの事例をご紹介します。
この事例は、荷主企業であるアイリスオーヤマ株式会社と物流企業であるDHLサプライチェーン株式会社が共同で、取組んだ事例です。LED照明導入時に発生する使用済み蛍光灯の回収・リサイクルまでを含めた循環サプライチェーンを構築したという事例です。
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【参考URL】 http://lnews.jp/2012/04/e041007.html

LED照明を購入した企業では、交換後に残った使用済み蛍光灯の処理に困っていました。そこで、使用済み蛍光灯の回収・リサイクルをLED照明の販売とセットにすることで、高付加価値化して、LED照明の販売を促進させようという戦略です。この事例も前回の事例同様に、納入先でどんな事態が発生するか、どんなことに困っているかに着目し、その解決策が売上拡大に繋がったという事例です。
DHLサプライチェーン株式会社からすれば、LED照明納品の物量増大と使用済み蛍光灯のリバース物流の両方が収益アップの源泉になります。
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更に、これらの2社は4月10日の発表で、「今後10年以上続くスキームである。蛍光灯がなくなれば、今度はLED回収・リサイクル事業スキームとして生きてくる。」と発言されており、将来まで見据えた戦略であることが分かります。

◆製品納入後に発生するお困りごと解決からの売上拡大策
⇒ 納品時に発生する廃棄物処理を提案することで、荷主企業の売上拡大に貢献する

上記の事例ではリバース物流を構築している点が特徴的できですが、これに着目できたのは、LED照明の供給サプライチェーンを流れを阻害する要因を排除すれば、売上拡大、即ち物量増大に繋がるという発想です。
そこで次は、サプライチェーンの流れに着目して、物流企業自ら物流機会を創出した事例をご紹介致します。

(次回へ続きます。お楽しみに!)

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物流業界生き残りのカギは、新たな付加価値サービスによる攻めの姿勢【8連載:その4】

■売上拡大のための物流企業の貢献事例1

製品を納入する物流企業は、納入先からどんな情報を入手することができるのでしょうか。
最も入手できそうな情報は、製品の扱い方や保管状況ではないでしょうか。倉庫に保管するときに「どんな形態にしているのか」「どのように倉庫に保管しているのか」などの情報です。
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例えば、納品した梱包のままなのか、バラしているのか、またはパレットのままリフト移動して、倉庫に保管しているのか、人が棚に持ち運んでいるのかなどの情報の入手は可能ではないでしょうか。
これらの情報を基に、納入先の受取作業を効率化できるような梱包を提案できれば、荷主と納入先の両方にとって喜ばれるとともに、荷主の売上拡大に貢献できます。このようなサービスの可能性を示唆する事実をご紹介します。

ヨーロッパの事例ですが、納品形態が売上拡大に影響している事例があります。各国の家電メーカーがある製品を家電量販店に納品しているのですが、日本メーカーは自国の基準に基づいて、梱包の大きさを決定していました。それはヨーロッパのパレット基準と異なっており、倉庫内で段積みができず床に置かれ、単位面積当たりの在庫数が低い状況でした。一方、他国の家電メーカーの梱包はヨーロッパ基準に準拠しており、高く段積みされ、結果在庫数が日本のそれより多くなっていました。日本製品が海外で売れない理由はこれだけではないとは思いますが、これも理由の一つと考えられ、売上拡大のためには解決すべき課題ではないかと思います。
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◆納入先の保管状況の把握からの売上拡大策
⇒ 納入先企業が扱いやすい梱包を荷主に提案することで、荷主企業の売上拡大に貢献する

ここまで、物流業界を生き残るための糸口の一つに、物流ブルー・オーシャン戦略があり、物流企業の置かれている環境・荷主のニーズを再確認した上で、着目すべきは荷主の売上拡大に向けた支援であることをご説明しました。梱包の大きさが売上拡大に繋がる可能性があるという事例もご紹介しました。
次回からは、更に別の事例をご紹介しながら、生き残り策としての物流ブルー・オーシャン戦略の考え方をご説明致します。

(次回へ続きます。お楽しみに!)

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Author:日本ビジネスクリエイト
経営改革、業務改革、現場改革、システム実現支援などの総合的なコンサルティングを提供しています。特に製造業の現場に精通したコンサルティングに強みを持ち、SCM/CVM領域でのパイオニアとして認知され、また公益事業向けコンサルティングにおいても実績があります。

経営コンサルティング企業として、日本におけるSCM改革をリーディングしております。
また最近では、「X-Chain Mangement(エックスチェーンマネジメント)」という新しい経営手法を開発して、お客様の事業の成功に貢献しております。

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