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物流業界生き残りのカギは、新たな付加価値サービスによる攻めの姿勢【8連載:その3】

■物流企業が提供すべき価値とは

一例ではありますが、荷主企業が持っているニーズが把握できましたので、顧客ニーズを満足する物流サービスとは何か、を追求していきたいと思います。
製品(モノ)を提供している製造業は、製品の品質Q、価格C、納期Dを最大化することで競合他社との競争に勝ち、より大きな売上高・利益を獲得します。
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物流企業が提供するのは、物流インフラ・システムであり、それを活用した製造業がより大きな売上高・利益を獲得するための支援サービスです。製造業のサプライチェーンを最適化するための支援サービスが物流企業が提供すべき価値と言い換えることもできると思います。

◆製造業の提供価値: 製品の品質Q、価格C、納期Dの最大化
→ その結果:製造業の売上高・利益の拡大
◆物流企業の提供価値:製造業が品質Q、価格C、納期Dを最大化して提供できるような物流インフラ・システム
→ その結果:製造業の売上高・利益の拡大 と 物流企業の売上高・利益の拡大

現在の過当競争は、製造業の利益拡大(あるいはコスト削減)に焦点を当てた競争と言えます。
しかし、製造業の目的は、コスト削減だけでなく、売上拡大もあります。それを考慮すれば、例えば、同じコスト比率でも売上を拡大できるようなサービスを提供できれば、製造業から選ばれる存在になれわけです。そのような発想から、物流ブルー・オーシャン戦略と呼べる新しい付加価値サービスを企画することを考えてみたいと思います。

まず、物流企業が「製造業の売上拡大のために」できることとは何でしょうか。ここで物流企業は荷主の顧客に製品を納入する物流業務を行っていることに着目するべきだと考えます。荷主企業と納入先企業を物流という機能で繋ぐ役割を持ち、どちらの状況も把握できるという特異な存在であることを活かすべきではないでしょうか。
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物流企業が入手できる情報は限定的かも知れませんが、荷主企業が入手できない情報を獲得できる可能性を秘めています。入手できた情報が、荷主企業の売上拡大に繋がるような顧客ニーズ情報であれば、荷主企業に喜ばれること、間違いなしです。
物流企業としてどんな貢献ができるのかを事例を交えながら、ご紹介したいと思います。

◆物流企業:荷主企業と納入先企業を物流という機能で繋ぐ役割
⇒ 納入先企業の実態も把握して、荷主企業の売上拡大に貢献する

(次回へ続きます。お楽しみに!)

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物流業界生き残りのカギは、新たな付加価値サービスによる攻めの姿勢【8連載:その2】

■取り巻く事業環境と荷主企業のニーズ

前回述べたように、物流企業を取り巻く環境は厳しいものですが、再度おさらいした上で、顧客である荷主企業がどんなニーズを持っているのかを確認したいと思います。

物流企業を取り巻く環境としては、次の3つが挙げられるのではないでしょうか。

●価格競争と物量減少による収益力低下
 → 上述したように、物量が減少する一方で、物流コスト削減のニーズが強い
●物流構造の変化と業界再編の動きの活発化
 → コスト削減要求に伴い、商社や卸業の中抜き、及び共同物流化で物流機会が減少している
●異業種参入による競争激化
 → ネット通販業者(楽天など)やIT企業(日本HPなど)が物流業界に参入してきている
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それでは、荷主企業はどんなニーズを持っているのでしょうか。少し古い記事ですが、LOGI-BIZ 2010年2月号(P.68-73)に掲載されていた「米国大手コンサルティング会社のキャプジェミニ・コンサルティング゙の報告書」が参考になります。この報告書から、以下のような顕在ニーズと潜在ニーズが読み取れます。

◆顕在ニーズ:
(定義:荷主企業が必要性を感じて、実際に物流企業を活用しているニーズ)
・物流費の変動費化とその削減の提案
・新市場の開拓も考慮したサプライチェーン・ネットワーク再編支援
◆潜在ニーズ:
(定義:荷主企業が必要性を感じているが、まだ充分物流企業を活用できていないニーズ)
・需要予測支援と在庫管理の改善提案
・キャッシュフローの改善支援

現在の競争は、顕在ニーズを対象にしている場合が多いのではないでしょうか。しかし、物流業界で生き残るためには、潜在ニーズの対応も視野に入れていく必要があると考えます。
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生き残りのために、例えば顕在ニーズへの対応で、荷主企業から選ばれる存在になった上で、潜在ニーズへの対応で荷主と強固な信頼関係を構築し、参入障壁を形成するというストーリーが考えらるでしょう。また、荷主の置かれている経営環境がしっかり分析できるのであれば、潜在ニーズに向けた新サービスを提案して、他社から顧客を奪い取るストーリーも可能かも知れません。

(次回へ続きます。お楽しみに!)

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物流業界生き残りのカギは、新たな付加価値サービスによる攻めの姿勢【8連載:その1】

公益社団法人 全日本トラック協会では、「日本のトラック輸送産業2012」というタイトルの報告書(後述のURL参照)を作成されており、そのP.4,5をみると、国内貨物輸送量は以下のような状況であることが分かります。
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○輸送トンベース:平成11年度の6,446百万トンをピークに減少傾向
○輸送トンキロベース:平成13年度の5,807億トンキロをピークに減少傾向

また同協会では、「H22年度トラック輸送産業の現状と課題」というタイトルの報告書(後述のURL参照)も作成されており、その報告書のP.5をみると、トラック運送事業者に関して、以下のようなことが読み取れます。

○トラック運送事業者数:平成19年度の63,122者をピークに減少傾向
○トラック運送事業の営業収入:平成18年度の14.3兆円をピークに減少傾向

参考資料:
「日本のトラック輸送産業2012」
http://www.jta.or.jp/coho/yusosangyo/img/yusosangyo2012.pdf
「H22年度トラック輸送産業の現状と課題」
http://www.jta.or.jp/coho/hakusho/hakusho22/hakusho22_gaiyo.pdf

上記の統計データの背景には、日本の人口減少、及び国内製造業の空洞化ばかりでなく、製造業がコスト削減のターゲットとして、売上の5%程度を占める物流コストに着目し始めている実態があります。その結果、物流企業各社は厳しい価格競争に晒されているわけです。そして、価格競争激化に伴い、共同物流の拡大、異業種からの物流業界参入などが活発化し、物流企業を取り巻く事業環境は大きく変化しています。
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このような物流業界を、「どのように生き抜くべきか」の戦略を考えるべき時期が今まさに到来していると言えるのではないでしょうか。これまでのサービスでコスト競争力を高めて、生き残る戦略もありますが、これまでにない「新しい付加価値サービス」を提供して生き残る戦略、所謂ブルーオーシャン戦略も候補の一つです。この戦略は企業の規模に関係なく、適用できる戦略ということもあり、今回焦点を当ててみたいと思います。

物流版ブルー・オーシャン戦略のためには、何に着目し、どんな付加価値サービスを提供すればよいのか、具体事例も合わせて、ご紹介したいと思います。

(次回へ続きます。お楽しみに!)

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3,000人が一歩進むと幾らに成るのでしょうか【後編】

しかし何かが急速に変わった。直近の5年間で、ガラッと変わってしまった。
名声をほしいままにしていたライバルが急落した。 
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当社は一歩づつやって来たが、今は安定していると世の中から言われている。
あの時の苦しさを思うと、ぞーっとするが、そうかと言って安心はできないまま、
毎日を過ごしている。との事。

新しい市場を開拓するという事は、必ずしも飛び地のマーケットとは限らず、
もう一つの意味があり。自社製品が持つ機能を進化させて今のユーザーに
更なる便益を提供する、
世の中の発展、変化を追い越せとは言わないが、追いついていく事。
次世代5年後、10年後もあるが、来年もやはり次世代なのだと考える。
自らの目で見ると、今日と明日だな、と言う事に思いが及ぶ。これが如何に
大事な事かと知らされた。
と、そんな感想を当の事業部長殿に申し上げながら、私は何故か、若い頃
の友人の中で東大に行った連中を思い浮かべた。
少しずつ勉強をしていた姿をハッキリと思い出した。
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毎日、彼等は着実に学習をしていた。つまんない事やっているなとその頃は
思っていたが、老境に近づくに連れ強く思うのです。
一歩一歩がいかに大切かを。
情けないとは思うが、遅まきながら、実は教訓にしているのです。
顧客にコンサルティングを薦める時に訴えている言葉にしている事。
大きくて立派な企業ほど、小さくとも着実な進歩を保証するコンサルティング
活動が如何に価値ある事であるかを、日夜問いかけているのです。

(おわり)

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3,000人が一歩進むと幾らに成るのでしょうか【前編】

これはあるメーカーの事業本部長の話から・・・。
自社の得意製品(産業機械)でヒット商品(製品)が出ると、当面は次から
次へ売れる、好循環の時代が続いた。
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黙ってても、向こうから依頼が来る、売手市場だから上代はこちらの言い値。
マーケティングをしなくても、売り上げは上がるし、営業の煩雑さから解き放た
れて、ハッピーな状態が続く。

営業が新しい仕事の話を持って来ても、気が乗らないから、やっても碌な事
にならない。
でも売上は維持できているから事業の体質が段々低下している事に気が
付かない。
客を選ぶし、批判はするし、自分のやり方が一番と思い。 慢心に陥る。
勢いが衰え始めたが、また盛り返した時期があって、又落ちて来た。
それで気が付くのが遅れた。
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一旦落ちると、盛り返すのがこれほど困難とは知らなかった。ライバルのメーカー
は消費財に近い製品が多い事もあってどんどん栄えて行った。
背中が遠くに成り、かなり水が空いた。この距離は離される事があっても縮まる
事は無いと思っていた。 

(次回へ続きます。お楽しみに!)

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Author:日本ビジネスクリエイト
経営改革、業務改革、現場改革、システム実現支援などの総合的なコンサルティングを提供しています。特に製造業の現場に精通したコンサルティングに強みを持ち、SCM/CVM領域でのパイオニアとして認知され、また公益事業向けコンサルティングにおいても実績があります。

経営コンサルティング企業として、日本におけるSCM改革をリーディングしております。
また最近では、「X-Chain Mangement(エックスチェーンマネジメント)」という新しい経営手法を開発して、お客様の事業の成功に貢献しております。

【ホームページ】: http://www.jbc-con.co.jp/

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