バリューチェーンをプロセスで捉える
先日、弊社も企画・運営に参加しているNPO法人バリューチェーンプロセス協議会(VCPC)主催の「バリューチェーンセミナー日本2013」が開催された。
参加申込者数が定員をオーバーするほどの盛況ぶりであった。
http://vcpc.org/
午前中はVCPCのワーキンググループ(WG)による“独創的”な研究成果の発表と、今年度のWGメンバー募集が行われた。

午後は中部電力殿より「LNG調達の真実」と題して、LNGのアジアプレミアム解消に向けた戦略と実行、三井化学殿よりサプライチェーンの見える化を駆使したSCM推進の取組み、そしてNEC殿よりプロセス参照モデルを活用したプロセスマネジメント、と産業バリューチェーンの川上から川下まで、大変中身の濃い講演を拝聴することができた。
各講演内容についてのコメントは割愛するが、それぞれの講演内容は「バリューチェーンをプロセス視点で考えられている」点が共通しており、それが成功の一つの要件である認識した。
“バリューチェーン”を、
1.個別のバリューを産み出す機能が結果的に繋がっているもの
として捉えるか、
2.最終的なバリューを産み出す一連のプロセスとそのためにデザインされた個別機能
として捉えるかで世界感がまったく異なってくる。

まさに「LMG調達の真実」の中でお話しされていた「LNGの購入者が生産者になった」という内容は1.では決して出てこない戦略で、2.の捉え方ができていたからこそ立案・意思決定し実行できた戦略である。
1.と2.の違いは、ゴルフコースに出てスウイングばかりを気にするゴルファーと、ティ-オフからカップインまでの一連の攻め方を考えるゴルファーとの違いと同様である。
(おわり)
関連商品: 「事業構造改革」コンサルティング
弊社HP掲載:http://www.jbc-con.co.jp/consul_service/pdf/STC02.pdf
イプロス掲載:http://www.ipros.jp/products/141048/016/
困ったときはここ!「 ビジネス解決の玉手箱」
http://www.jbc-con.co.jp/consulting/index.html
コンサルティングのお問い合わせ先:
bca@jbc-con.co.jp にお気軽にお問い合わせください
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午前中はVCPCのワーキンググループ(WG)による“独創的”な研究成果の発表と、今年度のWGメンバー募集が行われた。

午後は中部電力殿より「LNG調達の真実」と題して、LNGのアジアプレミアム解消に向けた戦略と実行、三井化学殿よりサプライチェーンの見える化を駆使したSCM推進の取組み、そしてNEC殿よりプロセス参照モデルを活用したプロセスマネジメント、と産業バリューチェーンの川上から川下まで、大変中身の濃い講演を拝聴することができた。
各講演内容についてのコメントは割愛するが、それぞれの講演内容は「バリューチェーンをプロセス視点で考えられている」点が共通しており、それが成功の一つの要件である認識した。
“バリューチェーン”を、
1.個別のバリューを産み出す機能が結果的に繋がっているもの
として捉えるか、
2.最終的なバリューを産み出す一連のプロセスとそのためにデザインされた個別機能
として捉えるかで世界感がまったく異なってくる。

まさに「LMG調達の真実」の中でお話しされていた「LNGの購入者が生産者になった」という内容は1.では決して出てこない戦略で、2.の捉え方ができていたからこそ立案・意思決定し実行できた戦略である。
1.と2.の違いは、ゴルフコースに出てスウイングばかりを気にするゴルファーと、ティ-オフからカップインまでの一連の攻め方を考えるゴルファーとの違いと同様である。
(おわり)
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定量化すれば説得力は増すか?【後編】
もちろん、最適な尺度があったとしても定量化することが全てにおいて良いとは限らず、定性的な方が伝えたいことをより表現できる場合も多くあります。

但し、これは話し手や聞き手などの関係者の個性やその環境に依存する場合が多いので、その点は考慮する必要があります。
さらに、個人や特定の環境に依存するものとして、思い込みについても注意が必要です。たとえば、以下のような例があります。
オーストラリアは雨が多い→傘を使う機会が多い→傘が良く売れる?と思い、商売を考えた人がいたそうですが、この国は傘を差さない文化だそうで、傘はあまり売れないようです。

このように、思い込みは個人の経験や前例を基にした先入観や固定概念であり、場合によっては違う角度や視点で広い視野をもって物事を分析することが求められます。
さて、企業内に目を向けますと、特に同事業や同部門においては同じ環境に属する人達の視点で物事を把握し、判断するケースが多いと思われます。
場合によっては新たな視点で事業活動を見つめ直すことが有効かもしれません。
当社のようなコンサルティング事業では、多くの定量的な情報を活用しますが、新たな視点と視野を提供して、思い込みに依らない説得力のある経営判断を支える活動であるとも言えます。
(おわり)
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さらに、個人や特定の環境に依存するものとして、思い込みについても注意が必要です。たとえば、以下のような例があります。
オーストラリアは雨が多い→傘を使う機会が多い→傘が良く売れる?と思い、商売を考えた人がいたそうですが、この国は傘を差さない文化だそうで、傘はあまり売れないようです。

このように、思い込みは個人の経験や前例を基にした先入観や固定概念であり、場合によっては違う角度や視点で広い視野をもって物事を分析することが求められます。
さて、企業内に目を向けますと、特に同事業や同部門においては同じ環境に属する人達の視点で物事を把握し、判断するケースが多いと思われます。
場合によっては新たな視点で事業活動を見つめ直すことが有効かもしれません。
当社のようなコンサルティング事業では、多くの定量的な情報を活用しますが、新たな視点と視野を提供して、思い込みに依らない説得力のある経営判断を支える活動であるとも言えます。
(おわり)
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定量化すれば説得力は増すか?【前編】
何かを説得するために意見を述べたり主張する際には、その根拠となるものの妥当性がとても重要となります。
特に一個人の意見では主観的なものと見なされがちで、感情的表現や定性的なものが強ければ尚更です。

一般的には、説得性を上げるために事実に基づいた定量的な根拠で支えることになります。定量的すなわち比較可能な数値での表現ができると共通の尺度によって、より客観性が高まるものと思われますが、これがかなり難しいです。
たとえば以下の例文では、
A.今日の気温は昨日より5℃高いので暑い。
B.今日は昨日より暑い。
A.の方が「5℃高い」と明示することで、多くの人へより客観的な情報を伝えているように思えます。
また定量化の尺度についても重要で、この例文では気温だけですが、体感温度では湿度や風(の向きや強さ)の状況にも影響しますので、この限りではありません。このように単一の尺度では正しく言い表せないこともあり、採用する定量化尺度は容易には決められません。
たとえば、平均(値)という統計尺度ですが、学生時代から最も慣れ親しんだもので、計算式についても誰もがご存知かと思います。
ただ一見この単純な尺度も伝えたいことや表現によっては、不適当な場合もあります。身近な例としては、国民の所得や貯蓄額の平均とか、プロ野球選手の平均年棒などが公表されることがあります。

これらの値は、どちらも少し大きいような気がしますが、いかがでしょうか。
特に当事者においては、少し違うかなと感じる方も多いのではないでしょうか。
ご存知のように、この計算式では母集団に他と比較して大きな値や小さな値が含まれるとそちらに引っ張られますので、バラツキがある場合には真ん中辺りとはいきません(最頻値ではない)。
ケースによれば、母集団の分析をしたり、平均ではなく中央値を尺度とした方が良いかもしれません。
(次回へ続きます。お楽しみに!)
関連商品: 「事業構造改革」コンサルティング
弊社HP掲載:http://www.jbc-con.co.jp/consul_service/pdf/STC02.pdf
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特に一個人の意見では主観的なものと見なされがちで、感情的表現や定性的なものが強ければ尚更です。

一般的には、説得性を上げるために事実に基づいた定量的な根拠で支えることになります。定量的すなわち比較可能な数値での表現ができると共通の尺度によって、より客観性が高まるものと思われますが、これがかなり難しいです。
たとえば以下の例文では、
A.今日の気温は昨日より5℃高いので暑い。
B.今日は昨日より暑い。
A.の方が「5℃高い」と明示することで、多くの人へより客観的な情報を伝えているように思えます。
また定量化の尺度についても重要で、この例文では気温だけですが、体感温度では湿度や風(の向きや強さ)の状況にも影響しますので、この限りではありません。このように単一の尺度では正しく言い表せないこともあり、採用する定量化尺度は容易には決められません。
たとえば、平均(値)という統計尺度ですが、学生時代から最も慣れ親しんだもので、計算式についても誰もがご存知かと思います。
ただ一見この単純な尺度も伝えたいことや表現によっては、不適当な場合もあります。身近な例としては、国民の所得や貯蓄額の平均とか、プロ野球選手の平均年棒などが公表されることがあります。

これらの値は、どちらも少し大きいような気がしますが、いかがでしょうか。
特に当事者においては、少し違うかなと感じる方も多いのではないでしょうか。
ご存知のように、この計算式では母集団に他と比較して大きな値や小さな値が含まれるとそちらに引っ張られますので、バラツキがある場合には真ん中辺りとはいきません(最頻値ではない)。
ケースによれば、母集団の分析をしたり、平均ではなく中央値を尺度とした方が良いかもしれません。
(次回へ続きます。お楽しみに!)
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原理原則を貫くことの大切さ
先日久振りに実家に帰った時、もはや物置き部屋と化しているかつての自分の部屋で、高校時代に読んだ本がふと目にとまった。ロシア生まれの物理学者であるガモフが著わしたガモフ全集の第一話「不思議の国のトムキンス」だ。
薄い本ではあるが、主人公のトムキンスが夢の中で相対性理論や量子力学の効果が日常的に観察できる不思議な世界に入り込んで色々と思いがけない出来事を体験するかたちで、非日常的な物理学の世界を解き明かす楽しい本であったことを思い出した。

相対性理論は理解するのは困難なこと、と言われていたことを覚えているが、この本を読んで、アインシュタインの考えた難しい理論を垣間見て、少し賢くなったと自画自賛したものだった。
そんな折、相対性理論にチャレンジしてみようと、佐藤勝彦氏の著作「相対性理論を楽しむ本」を読んでみた。この本は、私のような凡人でも、「なるほどそうだったのか」と特殊・一般の二つの相対性理論がその題目通り「楽しめる」本である。それによると、相対性理論はアインシュタインという偉大な天才が、ほとんど一人でその体系を作り上げたものであるが、その誕生は、彼がいなくても、一・ニ年も遅れることはなかったであろう、と著者は主張されている。
即ち、科学の進歩は決して一人の偉人によって達成されるものではなく、多くの研究者が努力して下地を作り、最後に誰かが理論をまとめ上げることで進んでいくものであると説く。別の見方をすれば、相対性理論はアインシュタインのような天才にしか分からないものではなく、私たちの誰ものが必ず理解できる理論なのだそうだ。

相対性理論は、物理学の中で最も美しい理論と言われている。例えば重力場の方程式は、一見無関係に思える時間・空間・物質の関係が、たった一行の方程式で示されている。この式を導く過程は、「光速度は誰が見ても一定の速度で見える」という実にシンプルなことからスタートしている。事実を一つ一つ丁寧に積み上げて行けば、誰でも同じ結論にたどり着くことができる、と著者は解説されている。
翻って、私たちのコンサルティングも、原理原則を出発点に複雑な問題を解く活動であるようにも思う。著者の主張には誠に共感する次第であった。
経営コンサルティングの仕事は、一見、複雑な問題を解くように見えるところがあるが、企業内で起きている問題の本質の多くは、実は極めてシンプルな原理原則がないがしろにされていることに起因しているものなのだ、と私は思う。
最後に20世紀の天才、アインシュタインの名言から。
「私は頭が良いわけではない。ただ人よりも長い時間、問題に向き合うようにしているだけである。」
原理原則に基づいて、一つの問題に対して真摯に忍耐強く取り組むことの大切さを諭してくれるこの言葉は、私のような凡人に勇気を与えてくれる。
(おわり)
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薄い本ではあるが、主人公のトムキンスが夢の中で相対性理論や量子力学の効果が日常的に観察できる不思議な世界に入り込んで色々と思いがけない出来事を体験するかたちで、非日常的な物理学の世界を解き明かす楽しい本であったことを思い出した。

相対性理論は理解するのは困難なこと、と言われていたことを覚えているが、この本を読んで、アインシュタインの考えた難しい理論を垣間見て、少し賢くなったと自画自賛したものだった。
そんな折、相対性理論にチャレンジしてみようと、佐藤勝彦氏の著作「相対性理論を楽しむ本」を読んでみた。この本は、私のような凡人でも、「なるほどそうだったのか」と特殊・一般の二つの相対性理論がその題目通り「楽しめる」本である。それによると、相対性理論はアインシュタインという偉大な天才が、ほとんど一人でその体系を作り上げたものであるが、その誕生は、彼がいなくても、一・ニ年も遅れることはなかったであろう、と著者は主張されている。
即ち、科学の進歩は決して一人の偉人によって達成されるものではなく、多くの研究者が努力して下地を作り、最後に誰かが理論をまとめ上げることで進んでいくものであると説く。別の見方をすれば、相対性理論はアインシュタインのような天才にしか分からないものではなく、私たちの誰ものが必ず理解できる理論なのだそうだ。

相対性理論は、物理学の中で最も美しい理論と言われている。例えば重力場の方程式は、一見無関係に思える時間・空間・物質の関係が、たった一行の方程式で示されている。この式を導く過程は、「光速度は誰が見ても一定の速度で見える」という実にシンプルなことからスタートしている。事実を一つ一つ丁寧に積み上げて行けば、誰でも同じ結論にたどり着くことができる、と著者は解説されている。
翻って、私たちのコンサルティングも、原理原則を出発点に複雑な問題を解く活動であるようにも思う。著者の主張には誠に共感する次第であった。
経営コンサルティングの仕事は、一見、複雑な問題を解くように見えるところがあるが、企業内で起きている問題の本質の多くは、実は極めてシンプルな原理原則がないがしろにされていることに起因しているものなのだ、と私は思う。
最後に20世紀の天才、アインシュタインの名言から。
「私は頭が良いわけではない。ただ人よりも長い時間、問題に向き合うようにしているだけである。」
原理原則に基づいて、一つの問題に対して真摯に忍耐強く取り組むことの大切さを諭してくれるこの言葉は、私のような凡人に勇気を与えてくれる。
(おわり)
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