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サプライヤと付き合う理由を再点検しよう【6連載:その4】

それでは、次に重要な視点はなんでしょうか。過去のコンサル経験から筆者はアフターサービス対応ではないかと思います。なぜならば、モノと異なり、設備・建物等は移動させられない上に、トラブル復旧を迅速に行うことを要求されること多いからです。
緊急対応のサービスを提供できるサプライヤを選んでいないと、トラブル発生時に、大きなロスコストや販売機会損失が発生してしまいます。
迅速なトラブル復旧という条件を設定したとして、どのような企業に発注すればよいのでしょうか。設備・建物等の近くに拠点を構えている地元企業ではないでしょうか。
地元企業に継続的に定期メンテナンスも発注すれば、設備等の特徴も熟知してもらえて、「品質」という価値も獲得できます。このように、地元企業は「品質」と「アフターサービス対応」の両方を提供できる位置にいます。従って、発注者からすれば信頼関係を維持すべきサプライヤであることが分かります。
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ここまでは、価格以外に焦点を当てて、工事会社を選定することをご紹介してきました。
しかし、企業が存続するためには利益を確保する必要が有り、そのためには工事のコストダウンも追求する必要があります。それでは、工事コストダウンはどのように考えればよいのでしょうか。
コストはサプライヤ選定の視点と捉えるよりは、サプライヤが決定した後に、そのサプライヤと一緒になって低減すべきものとして捉える方が良いように思います。以下では、具体的にどうやって低減するかをご紹介します。

コストダウンの効果的な方法の一つが、負荷の平準化を考慮した調達計画です。なぜならば、工事コストが増加してしまう要因として、大きいのが次の2つだからです。

●繁忙期に、保有工数以上の工事を受注し、外部から賃金の高い作業員を調達することによるコスト増(原価損)
●閑散期にも、社員に報酬を支給できるように、1人あたりの工賃単価増(稼働損)

負荷の平準化により、上記の増加要因を抑制することができます。
更に、サプライヤ1社あたりの工事量を増加させたり、複数年契約にしたりすることで、更なるコスト低減も見えてきます。
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<工事の調達のポイント>
◆工事の調達の重要視点:品質とアフターサービス対応(迅速なトラブル対応等)
⇒設備・建物等の近くに拠点を構えている地元企業が有利である
◆工事のコストダウンは、サプライヤ決定後に、負荷の平準化を考慮した調達計画にすることで達成する

(次回へ続きます。お楽しみに!)

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サプライヤと付き合う理由を再点検しよう【6連載:その3】

■工事・メンテナンス作業の調達における調達戦略

前回の事例では、モノの調達を対象にしていましたが、ここでは工事やメンテナンス作業などの労務の調達を対象にしたいと思います。具体的には、以下のようなものが考えられます。
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○生産設備をお客さまの工場に設置する工事の調達
○社会インフラや建物などの建設工事の調達
○設備・社会インフラ・建物のメンテナンス作業の調達

労務の調達とモノの調達を比較すると、以下のような違いを見出すことができます。

●モノの生産はサプライヤの工場になるが、工事は発注者の指定した場所になる。
●モノの場合は毎回ほぼ同じ仕様であるが、工事の場合は毎回異なる。
●モノの品質は安定化できるが、工事の場合はその時の作業者に品質が依存する。

このような違いに伴い、モノと工事では調達の考え方が異なります。
モノの調達では、品質が安定していることもあり、選定の最重要視点はやはりコストでしょう。
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一方、工事の調達では、最重要視点は品質ということが多いようです。ここで言う「品質」の中には、過去の経験から工事のポイントを熟知していることや、少ない指示内容でも高品質を提供できること、などの要素も含めており、そのような観点からサプライヤを選定しています。

(次回へ続きます。お楽しみに!)

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サプライヤと付き合う理由を再点検しよう【6連載:その2】

■調達戦略におけるトヨタ自動車と日産自動車の違い

まず、コストを重視した調達戦略とコスト以外を重視した調達戦略の違いを自動車業界の事例でみてみましょう。
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日産自動車は、カルロス・ゴーン社長の下、経営再建の第1段階として、これまでのサプライヤとのしがらみを断ち切り、「競争原理」を導入することで、調達コストを削減しました。このケースでは、「価格が低いこと」がサプライヤ選定の大きな基準です。
一方、トヨタ自動車は、ケイレツという体制を組んで「協調的なカイゼン」という視点でサプライヤを選定しています。このケースでは、価格ではなく、「カイゼンに協力的であるかどうか」という観点がサプライヤ選定の一番の基準になっています。

上記の2つの調達戦略には、それぞれメリット・デメリットがあり、どちらがいい悪いではないと思います。そのときの経営環境に応じて、取るべき戦略を適切に選択することこそがポイントではないでしょうか。
実際に、日産自動車も事業環境の変化に伴い、価格一辺倒の基準から、協調性も含めた基準に変化してきているようです。

ちなみに、メリット・デメリットを整理すると以下のようになるのではないでしょうか。これらを踏まえて、適切な調達戦略を取られることをお奨めします。
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◆競争原理のメリット・デメリット
<メリット> コストダウンの即効性が高い。
<デメリット> 継続性に乏しい(ある価格から下がらない、サプライヤが疲弊する)
※なお、競争対象の企業が多いことが前提となっている。

◆協調的カイゼンのメリット・デメリット
<メリット> 継続的なコストダウンが期待できる。コスト以外の価値も享受できる。
<デメリット> コストダウンの即効性が低い。
※なお、サプライヤのコストダウンを自社の売上拡大で補うことが前提となっている。

(次回へ続きます。お楽しみに!)

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サプライヤと付き合う理由を再点検しよう【6連載:その1】

各企業において、コストの内訳で大きく占める費目として、調達コスト(サプライヤへの支払い費用)があります。この費用を継続的に低減する活動は、経営効率化に大きく寄与します。そこで大きな役割を果たすのが調達部門です。調達部門は、要求仕様を満足した製品をより安いサプライヤから購入することにより、経営の効率化に貢献することになります。
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ここでバリュー・エンジニアリング(http://www.sjve.org/ve/summary/)の観点に立つと、調達した製品の価値は

製品価値V=機能F/価格C

と定義され、調達業務の善し悪しをこれで評価することができます。購入価格が同じであっても、製品購入で享受できる機能、例えば品質やアフターサービス対応などが優れていれば、よりよい買い物をしたと評価できます。
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そこで、今回は価格以外の要素でサプライヤを選ぶケースに焦点を当ててみたいと思います。サプライヤ選定に影響を与える要素にはどんなものがあり、どのように決断すべきかを、事例を用いながら、6回にわたってご紹介したいと思います。
それを参考に、サプライヤと付き合う理由を再点検して頂ければ幸いです。

(次回へ続きます。お楽しみに!)

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製造業は希望が持てる【4連載:その4(最終回)】

あけましておめでとうございます。
本年も本ブログをご愛読頂きます様、宜しくお願い申し上げます。
では本題の、昨年から連載しておりました『製造業は希望が持てる』の最終回をお届けします。
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ぼんやり見えて来るのが、サイバネティックスの延長線上に未来の企業の姿があり、世界で最も有機的な企業が実は日本から生まれるのではないかという期待が出て来ました。
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何となれば、根回し、摺り合わせ、細やかな配慮による手続き論、組織間のバランスによるハーモニーの美しさ、多くのファクターを拾うが故の意思決定の遅さ。実はそれらは生物体に備わる性質のものです。この上等な品質を組織として維持しながら、PDCAを早く回せれば、こんなに強いものはありません。ITの発展がそれを叶えるのです。昨今のそれは、どうも発展の様相が、現代人が経験した事が無いような代物ではないかと言われ始めています。歴史の転換点であるに違いありません。

組織の機能を定義、分析、創生する技術に卓越していると自負しているのがJBCですが、言葉を変えれば、基盤強化と機能連鎖の応答性向上、つまりサイバネティックスの理想形を追い求めているのです。そして今一番強く意識しているのがITの援用技術です。
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旨く応用している人々がサイバネティックスへの最短距離にあるに違いありません。ITありきで無くて、ITを使うことであるのは言うまでもありませんが。「間接の効率化」とは言わないで、「サイバネティックスへの進化活動」を一緒にやる企業様がいらっしゃいませんでしょうか。

(おわり)

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Author:日本ビジネスクリエイト
経営改革、業務改革、現場改革、システム実現支援などの総合的なコンサルティングを提供しています。特に製造業の現場に精通したコンサルティングに強みを持ち、SCM/CVM領域でのパイオニアとして認知され、また公益事業向けコンサルティングにおいても実績があります。

経営コンサルティング企業として、日本におけるSCM改革をリーディングしております。
また最近では、「X-Chain Mangement(エックスチェーンマネジメント)」という新しい経営手法を開発して、お客様の事業の成功に貢献しております。

【ホームページ】: http://www.jbc-con.co.jp/

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