fc2ブログ

購買部の存在価値向上のカギは、戦略的な思考にあり 【7連載:第2回】

前回は、欧米中心に現在注目を浴びている購買部の存在価値向上の取組みに関して、購買部が置かれている状況について、お話しました。
今回は、その目指すべき方向性を考察したいと思います。

■購買部の目指す方向性

まず、購買部の置かれている状況を確認しましたが、それではどうすれば、購買部は存在価値を高めることができるのでしょうか。
そもそも存在価値は、企業のビジネス活動への貢献度に依存します。ビジネスへの貢献方法には一般的には次の2つの方向性があります。
 ①企業の売上・利益の増大のための貢献
 ②企業のブランド力(評判)向上のための貢献
繧ケ繝ゥ繧、繝・_convert_20120116151914
購買部は社外への支払いのほとんどに関与していることもあり、上記①での貢献、特に利益増大への貢献が大きく占めます。しかし、今以上に存在感をためるためには、上記②の貢献も見出す必要があります。また、①に関しても、会社の費用をより効果的な使い方をするという見方で、更なる利益拡大を狙うという余地も残されています。

ここで少し視点を変えて、サプライチェーンにおける購買部の位置付け(役割)から、存在価値の向上策を検討したいと思います。サプライチェーンは、顧客からの需要をきっかけに駆動しますが、ものの動きは調達から始まります。即ち、購買部はサプライチェーンの流れの起点に位置しています。
従って、購買業務の品質、あるいは調達品の品質Q、コストC、納期Dのマネジメント力はサプライチェーン全体に影響を与えます。購買部がいい仕事をすれば、後工程はそのフォローが不要になり、当該部門本来の価値をそこに付加できます。その結果、顧客に価値を最大化して、提供できるようになります。
繧ケ繝ゥ繧、繝・_convert_20120116151932
購買部の存在価値向上の3つの方向性
●企業の売上・利益の増大のための貢献
●企業のブランド力(評判)向上のための貢献
●サプライチェーン・マネジメントの質向上のための貢献

次回は、その方向性の具体的な実現方法を考察したいと思います。

(次週へ続きます。お楽しみに!)

関連商品「事業構造改革」コンサルティング
弊社HP掲載:http://www.jbc-con.co.jp/consul_service/pdf/STC02.pdf
イプロス掲載:http://www.ipros.jp/products/141048/016/

困ったときはここ!「 ビジネス解決の玉手箱」
http://www.jbc-con.co.jp/consulting/index.html

コンサルティングのお問い合わせ先:
bca@jbc-con.co.jp にお気軽にお問い合わせください
スポンサーサイト



【theme : 頑張りまっしょい!
【genre : ビジネス

購買部の存在価値向上のカギは、戦略的な思考にあり 【7連載:第1回】

突然ですが、"Procurement Transformation"という言葉はご存知でしょうか。
これはイギリスのバーミンガム大学でMBA とサプライチェーンマネジメントを勉強している友人から聞いた言葉で、購買部が存在価値を高めるために、材料を調達してから顧客に届けるまでのサプライチェーン全体の中心となって、今まで以上に会社に貢献できる部門に変わっていくという考え方です。このような考えに基づき、欧米を中心に、購買部の存在価値を向上させる取組みが活発化しているようです。
繧ケ繝ゥ繧、繝・_convert_20120116151816
これまでの購買部は納期に合わせて調達し、値段交渉でコストダウンをするといった日々の購買オペレーションに焦点が当たっていたように思います。最近のITの進歩により、リバース・オークションや価格比較などが容易になり、特別なスキルがなくても誰でもできる業務になってしまいました。そうなると、購買部は存在意義を問われ、アウトソーシング化のターゲットになってしまいます。このような状況は、欧米に限らず、日本の製造業でも発生しつつあるのではないかと思います。

そこで、今回は購買部が企業内で生き残るためには、どんなことに着目し、どう変わって行くべきなのかを考えてみたいと思います。

■購買部の置かれている実態

上述したように、購買部の存在価値は現在、低下しています。換言すれば、これまで果たしてきた役割が評価されなくなってしまいました。それはなぜでしょうか。
私は次のように考えています。これまでは作れば売れる時代だったので、生産に間に合うように調達し、しかも安く手に入れること、即ち購買オペレーションが高く評価されました。
しかし、顧客のニーズが多様化して、どんな仕様のものを調達するか、またボリュームの少ないものを如何に安く購入するかといった戦略的な業務がより重要になってきました。その一方で、インターネットの普及で調達品の情報が容易に入手できるだけでなく、技術の進歩が早く調達品の仕様が複雑化しました。
繧ケ繝ゥ繧、繝・_convert_20120116151852
その結果、調達品の仕様が良く分かっている開発技術者が購買に関連する多くの業務を担うようになってしまいました。
このような経緯で、購買部の存在価値が低下してしまったのではないでしょうか。

このような状況に置かれた購買部ですが、開発部もできれば購買業務は購買部にお願いして、よりコアの設計業務に時間を費やしたいと思っているはずです。従って、ここに突破口があります。
ここに挑戦するということは、現在持っていないスキルを身に付けるということであり、大きな困難を伴いますが、果敢に取組む以外に生き残る術はありません。

以下のような変化により、購買部の存在価値が低下した。
●顧客ニーズの多様化
●技術進歩による調達品の仕様の複雑化
●インターネットの普及による調達品情報の入手の容易化

今回は、欧米中心に現在注目を浴びている購買部の存在価値向上の取組みに関して、購買部が置かれている状況についてお話しました。
次回は、購買部の目指すべき方向性を考察したいと思います。

(次週へ続きます。お楽しみに!)

関連商品「事業構造改革」コンサルティング
弊社HP掲載:http://www.jbc-con.co.jp/consul_service/pdf/STC02.pdf
イプロス掲載:http://www.ipros.jp/products/141048/016/

困ったときはここ!「 ビジネス解決の玉手箱」
http://www.jbc-con.co.jp/consulting/index.html

コンサルティングのお問い合わせ先:
bca@jbc-con.co.jp にお気軽にお問い合わせください

【theme : 頑張りまっしょい!
【genre : ビジネス

決め手は発想力!

 ここ最近、いろいろな企業から相談を受け、その企業を訪問して、お話をさせていただくなかで感じることがある。それは、企業における物流活動において、現状の問題を感知して、課題を発見する力が弱くなっている企業が増えてきているということである。これはなにも、物流活動に限った話ではなく、企業の経営活動全般に共通する話と捉えても差し支えないことだ。

 経営とは、日常の活動の繰り返しのなかに潜む問題の芽を早期に発見し、課題を整理(やること、やらないことを明確に仕分る)し、その対策をいかに早く打つことができるかに掛っている。問題を発見し、課題を整理、解決する力が衰えると、日常業務のなかでの蝕まれていく過程に気づかず、かなり重篤な症状が表面化してから大騒ぎをすることになりかねない。 繧ケ繝ゥ繧、繝・_convert_20120110123135
 衰えかけている問題発見や課題整理、課題解決の力を蘇らせるのに最も重要なことは、「発想力」を鍛えることである。今までにはない新しい視点で物事を捉えるアイデアを生み出す力を養うことで、確実に問題発見力、課題解決力が磨きあげられる。

 しかし、日常業務の繰り返しのなかに長年居ると、改善の要素はあちこちにありそうな現場でも、そこで作業している人たちは皆、今のやり方が一番いいと思っているケースが多い。固定観念がそうした発想の妨げになっているものと考える。いろいろな企業でのコンサルティング活動のなかでも、ちょっとした発想(固定観念がないからできるかも・・・)により、大きな改善に繋がることがある。発想力は固定観念を捨て、日常の小さな出来事のなかで、いかに多くのアイデアを出せるかの訓練から始まる。

 ちょっと脱線するが・・・、ある夜、東京駅で新幹線に乗り発車を待つ間のこと、向かい側に入線してきた列車にかなり熟睡状態の男性が居て(窓枠の物置にビールの缶があったので酔いと疲れで寝入っていたのだと想像した)、その車両に残った乗客はただ一人なのに、車掌にも起こされる様子もない。列車の行先表示には回送の文字があるので、このままだと、一晩、新幹線のなかで寝ることになるかも・・・と思った。ところが、一瞬、目を離して再び、向かいのその車両の座席を見ると、熟睡男性が忽然と消えている。この一瞬の間にどこに消えたんだろう? 
(1)自分で気づいて降りた。
(2)車掌に起こされて降りた。
(3)警備の人が見回りに来て起こされて降りた。(ただ、いずれもこの短時間の間なら、降りていく様子が見えたはずだが)
(4)網棚に登って横になって寝た。
(5)座席からずり落ちて床で熟睡状態続く。
(6)UFOに連れ去られた。
(7)小さくなって、あのビールの缶に中に入った。(だんだんとSFチックな発想になっていくが)
・・・と、あれこれと熟睡男性が消えた可能性を挙げていると、私の乗った新幹線が発車した(あの熟睡男性の結末が気になったまま)。これは、他愛もない想像のお遊びだが、普段からこうした発想を出す訓練をしてみるのもよいのではないか。

 問題の発見力とは、火を吹いている顕在化した問題だけではなく、焦げ臭いぐらいの潜在的な問題をいかに見つけることができるかが重要で、常日頃から問題を感知するアンテナをどれだけ多く、どれだけ高くの立てていられるかということだ。アンテナだけ張っていても、感知した問題の本質がなんであるかを整理する課題整理力も必要である。これらのベースとなるのが、いかに多くの可能性を導出できるかという「発想力」に掛ってくる。繧ケ繝ゥ繧、繝・_convert_20120110123209
 日常業務における改善活動を実践するには、顕在化した問題や潜在的な問題を多くのアンテナで感知し、整理する。次に、洗い出した問題の中から、重要と判断し、取り組む課題を明確化する。課題解決のためにどうすればよいのかの実行計画を策定する。実践したことの結果を評価(効果検証)する。よくご存知の「PDCA活動」そのものである。この「PDCA」をうまく廻せないという声を耳にするが、これもすべての起点は「発想力」にあると考える。さきほどの熟睡男性の例のように、日常の他愛もない出来事から、たくさんの可能性を列挙する訓練(遊び)をしてみるといいでしょう。こうした訓練が業務活動のなかでの問題発見、課題整理の力を蘇らせることにつながると考えます。

 発想力向上の体系だった訓練プログラムも用意しております。企業の教育活動の一環として取り入れられるところも増えてきています。ご興味があれば、一度、ご相談ください。

(おわり)

関連商品「事業構造改革」コンサルティング
弊社HP掲載:http://www.jbc-con.co.jp/consul_service/pdf/STC02.pdf
イプロス掲載:http://www.ipros.jp/products/141048/016/

困ったときはここ!「 ビジネス解決の玉手箱」
http://www.jbc-con.co.jp/consulting/index.html

コンサルティングのお問い合わせ先:
bca@jbc-con.co.jp にお気軽にお問い合わせください

【theme : 経営コンサルタント
【genre : ビジネス

計算式にみる企業文化

あけましておめでとうございます。
本年も本ブログをご愛読頂きます様、宜しくお願い申し上げます。
では本題にはいりましよう。
---
年が明け、子供たちの冬休みも終盤である。中学生のわが娘には、宿題がたくさん出された。
奮闘現場を査察しようと部屋に入ると、数学の宿題プリントと格闘中で方程式の問題を解いていた。
繧ケ繝ゥ繧、繝・_convert_20111227142414
方程式と言えば、数学があまり好きでない彼女でも、(A)の式から(B)や(C)の式を簡単に導くことができる。計算式上、以下の3つの式はすべて同じである。
そんなことは彼女にはとっくに分かっている。
 Y-X=Z  (A)
 Z=Y-X  (B)
 Y=X+Z  (C)

ここで、X、Y、Zをそれぞれ原価、売値、利益という言葉に置き換えて式を書く。
 売値-原価=利益  (A)
 利益=売値-原価  (B)
 売値=原価+利益  (C)

計算式上の規則から考えると、どれも同じことを言っている。きっと彼女には何らの違いも発見できない。しかし、原価低減を実践する製造現場の考え方は、少し違う。これはみんな「意味」が違うと考える。どう違うのか、について考えてみる。
繧ケ繝ゥ繧、繝・_convert_20111227142451
(B)は、利益というものは売値から原価を引いたものだという考え方。主語は利益にある。
仕事をやる以上儲けないといけない。20円儲けるために、100円かかったものを100円で売ってはもうからないから、少し差別化して120円で売ろうじゃないか、と考えるやり方。120円で買ってくれるかどうかはお客様が決めることであるのに、こちらの勝手な都合で売値に期待をかけ、そう決めてしまうような考え方と言える。

(C)は、利益と原価を寄せたものが売値であるという考え方。主語は売値にある。
原価が100円かかったので、適正利潤である20円を積んだ120円を売値としたい、この売値は正しいのです、だから認めて下さいという理屈である。よそへ行けば100円で買えるものがあれば、お客様は決して振り向いてくれない。その結果、ものが売れなくなるリスクを抱える考え方。

(A)は、もう売値というものがお客様に決められているのだ、との前提に立った考え方。
だからどうしたって作る人は原価を下げないといけない。原価を下げた分だけ儲けがでるのだ、と考えないといけない。いままで80円かかって作っていた。売値は100円なので20円の利益が出ている。これを何とか50円で作れるようにしよう。
われわれの努力でたくさん儲けたのだと胸を張って言えるようにしよう、とする考え方である。

数学の先生は、どの式もみな同じと教える。計算式上では確かにその通りである。何の間違いもない。しかし、我々企業人は一つの式でもその書き方にこだわりたい。その式の中にも企業としての健全で本質的な取り組み姿勢を表したい。何気ない計算式の三式であるが、その表現には、日々是発展に取り組む事業現場の深い思いが現れると考える。私は、(A)の考え方が企業の発展には不可欠と思っている。

(おわり)

関連商品「事業構造改革」コンサルティング
弊社HP掲載:http://www.jbc-con.co.jp/consul_service/pdf/STC02.pdf
イプロス掲載:http://www.ipros.jp/products/141048/016/

困ったときはここ!「 ビジネス解決の玉手箱」
http://www.jbc-con.co.jp/consulting/index.html

コンサルティングのお問い合わせ先:
bca@jbc-con.co.jp にお気軽にお問い合わせください

【theme : 経営コンサルタント
【genre : ビジネス

訪問者
プロフィール

日本ビジネスクリエイト

Author:日本ビジネスクリエイト
経営改革、業務改革、現場改革、システム実現支援などの総合的なコンサルティングを提供しています。特に製造業の現場に精通したコンサルティングに強みを持ち、SCM/CVM領域でのパイオニアとして認知され、また公益事業向けコンサルティングにおいても実績があります。

経営コンサルティング企業として、日本におけるSCM改革をリーディングしております。
また最近では、「X-Chain Mangement(エックスチェーンマネジメント)」という新しい経営手法を開発して、お客様の事業の成功に貢献しております。

【ホームページ】: http://www.jbc-con.co.jp/

メールでお問い合わせ

名前:
メール:
件名:
本文:

公式メルマガ
メルマガ登録・解除
 

『経営に役立つ
「現場レポート!」』

を購読しませんか?
E-mail

めろんぱん

メルマガ登録・解除
経営に役立つ「現場レポート!」
 
 powered by メルマガスタンドmelma! トップページへ

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
コンテンツページ
日本ビジネスクリエイトは日本初のAPICSの認定教育機関(AEP)
apics

弊社は、以下のページでも記事を掲載しています。

●フジサンケイビジネスアイでの連載記事

書籍案内
カレンダー
12 | 2012/01 | 02
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -
検索フォーム
全記事表示リンク

全ての記事を表示する

リンク
カテゴリ
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード