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「必ず雨を降らす祈祷師」に学ぶ、改革・改善の実現の極意(の一つ)

ある国に祈祷師がいます。
その祈祷師は、必ず雨を降らすことで有名です。
それはなぜでしょうか?
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ところ変わって場面は、日本のとある企業。
いつもいろいろな手法を取り入れ改革や改善活動を進めていますが、限定的な成果しかあがりません。本社が進めてきた施策は現場では受け入れられず、時には一度実施した施策もすぐに元に戻ってしまう。挙句の果てには、形だけ施策を導入し全く機能せず。
よく観察してみるとある共通点があることに気付きました。(言い過ぎかもしれませんが)本当に現場を良くしたい、自分たちの会社を良くしたい、会社を継続させ自分たちの生活を良くしたいと思っているのかな?と。
結局は、計画した活動期間が終了しプロジェクトが解散した等(この理由が一番多い)で、目標を達成する、定着化するまえに断念していました。
もしかすると、施策が機能せず十分な成果が得られなかったことより活動が終わり、ホッとしていることの方が多いのではないかと思ってしまいます。

また、このようなことが続くと次の改革・改善活動を実施するとき現場から「また同じことをするの?」「前の活動はどうなったのか?」という質問を浴びせられ、「また実現しないだろうが、やれと言われているので参加はしておこうか」とモチベーションの低い状態で活動を進めることになり、結局、限定的な成果しか上がらないという悪循環になってしまいます。
たちの悪いことに何度も取りざたされるテーマは、根本的な問題と結びついていることが多く、うわべだけで対応すると新たな問題を生み、その対応に追われ、また、根本的な対策を打てないという悪循環にもなってしまいます(その場しのぎ症候群というらしいです)。

このような、社風の企業では、小さな成功をおさめて達成感を味わいながら、メンバーのモチベーションを向上させ、かつ、経営者には成果をみせて活動を継続できるようにし、大きな成果に繋げるという方法を良く取ります。この方法は有効ですが、それだけでは十分ではありません。少なくとも中心となる人物には必ずやり遂げるという「信念」が必要です。繧ケ繝ゥ繧、繝・_convert_20111013144936
現在、(良い意味で)諦めの悪い担当者(失礼な表現ですいません)と改革活動を共にしています。その方には、会社を良くしたい、継続させたいという「信念」があるので、活動を共にすることに充実感があり、成功すると確信しています。

さて、冒頭の問題(祈祷師はなぜ必ず雨を降らすことができるのか?)に対する答え、読者にはもうお分かりでしょう。雨が降るまで祈祷を続けるからです。コロンブスの卵と同じで答えを聞くと非常に単純なことですが。

最後に、
改革・改善を実現させるには、この祈祷と同じようにやり抜く「信念」が必要です。
ただ、祈祷と異なり1人だけでは困難かもしれません。
その場合、「信念」を持つメンバーをサポートする「仲間」を社外にも求めてみてはいかがでしょうか?

(おわり)

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電池を制する者が世界を制する(episode2)

東日本大震災の影響を受けて原子力発電のあり方に様々な意見が出る中、自然エネルギーによる電源創造が加速しています。太陽光や風力、地熱などをエネルギーにして電源に繋げる技術は確立されていますが、「24時間365日供給」の壁を超えるためには、高性能で安価な電池の開発が不可欠です。電池といえば、やっと電気自動車が市場に出回り認知されてきてはいますが、まだまだ高嶺の花感は否めません。

しかし、国内の現場では古くから電池により支えられている事例があります。繧ケ繝ゥ繧、繝・_convert_20111005121744
以前、荷役設備メーカに勤めていたのですが、フォークリフトはバッテリー式が採用されて既に70年以上の歴史があります。食品工場や電子部品工場などに向け、排気ガスを出さない産業車両として、いまだ需要も伸びています。鉛電池を使っているので、比較的高コストではありますが、日々の作業には耐えうる放電能力があるので利用そのものには遜色はありません。昔から電気自動車の開発もそう遠くはないと仲間内でも語り草になっていたものです(意外に時間は掛かりましたが・・・)。その後、制御技術が進歩して無人搬送車を初め、様々なバッテリー電源を採用したマテハン機器が登場し、生産現場や小売店の重労働を支援してくれています。鉛電池からリチウム電池へ開発軸が移行し、長時間使用や低価格のニーズに応えるようになれば、家庭用電源や移動手段だけではなく、医療や介護など様々な分野での応用が期待できるはずです。

鳩山政権時、世界に向けた「CO2・25%削減表明」に、産業界は冷ややかな視線を注いだものでしたが、原子力電源の喪失が現実になった今、電池の開発は否応なくスピードを上げざるを得なくなりました。
世界に先駆けて新しい蓄電・放電技術が確立されると、エネルギー革命に繋がる程の市場インパクトを放つことになり、大きなビジネスチャンスを手中に収めることができます。
ものづくりの世界潮流をみると中国をはじめ、インドや東南アジアが台頭するなか、日本の存在感は薄まり続けています。繧ケ繝ゥ繧、繝・_convert_20111005121812
不幸にも災害が加速させた背景はありますが、高性能・低価格電池の開発は、右肩下がりの日本が再度成長軌道にのる礎になるはずです。

(おわり)

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モノの価値は顧客により変わる!欲しがる顧客を探せ! 4連載:その4

前回は、南都銀行の吉野杉活用を事例に、【手順1】対象の設定、【手順2】対象の特徴把握 までをご説明させて頂きました。
今回は、その続き【手順3】からご説明いたします。

■【手順3】顧客の発見について■
それでは、箸を欲しがっている人は誰でしょうか。
当然、箸で食事をする人でしょう。日本のみならず、中国や韓国も可能性があるでしょう。繧ケ繝ゥ繧、繝・_convert_20110913114246
箸を利用するエンドユーザーに着目して、より吉野杉の箸の良さを感じてくれる人に絞り込んで供給するのも一つです。
しかし、ここでは箸は食事で利用することから、エンドユーザーに食事が届くまでのサプライチェーンに着目してみたいと思います。
サプライチェーンも、どこで食事を取るかでいくつかパターンがあります。

<サプライチェーン:自宅で自炊>
農業・漁業・畜産業等 → 食材の加工業 → スーパー・コンビニ → 自宅調理 → エンドユーザー

<サプライチェーン:弁当>
農業・漁業・畜産業等 → 食材の加工業 → 調理工場 → スーパー・コンビニ → エンドユーザー

<サプライチェーン:料理店・旅館>
農業・漁業・畜産業等 → 食材の加工業 → 料理店 → 調理 → エンドユーザー

上記のように見てくると、エンドユーザーのみならず、スーパー・コンビニも料理店も箸を必要としていることが見えてきます。

実際には、コンビニでの弁当用の箸として販売することを選択しています。
需要の大きさや価格帯、箸の強度に対するニーズのマッチ度などから、コンビニを顧客と選んだのではないかと想像します。

■【手順4】営業プロセス設計について■
どうやって、コンビニに吉野杉の箸を知らしめて、良さを認めてもらうかがこのステップです。
この場合は、コンビニの本部に、差別化要素も含めて良さが分かる資料を持って、直接売り込みに行くのが基本ではないでしょうか。

もしエンドユーザーが顧客ならば、人が集まる場所で販売する、あるいは人がよく見るインターネットのページに掲載するなど、工夫が必要になってきます。

■【手順5】商品供給プロセス構築について■
確実に、かつ継続的に、商品を提供するための供給プロセスを作るとともに、収益構造を明らかにするのがこのステップです。
この事例の場合、供給プロセス面での課題は、箸の加工コストを下げて、きちんと加工能力を確保することではなかったかと推測します。
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安い輸入材に対抗するために、低価格を実現しなくてはなりませんでした。そこで、実際に取られた秘策は、箸を入れる袋に広告を載せるというものでした。広告費を企業からもらうことで、加工コストを下げきれない分を補いました。

以上で、吉野杉の箸をビジネスに仕立て上げる手法・やり方の説明は終わります。
現実には、上記以外にももっと色々なことが検討されているでしょうし、ビジネスを始めると、課題が山積し、それらを一つずつ解決されていったものと思います。

■最後に■
かつては、ものが不足して、作れば売れた時代がありましたが、現代は豊かになり顧客も自分に合ったものを選んで購入する時代になりました。このような時代では、うまくターゲットとする顧客を設定し、その顧客のニーズにマッチした商品であることをしっかりアピールして、きちんと顧客に届けることが求められます。
工場が日本から海外に移管されていることも考え合わせると、日本企業は生き残りを掛けて、製造領域などのオペレーション系ではなく、マーケティング領域などのマネジメント系の能力を高めなければならない状況に置かれているのではないでしょうか。
JBC流のビジネスの捉え方がこのような状況下で、お役に立てれば幸いです。

(おわり)

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モノの価値は顧客により変わる!欲しがる顧客を探せ! 4連載:その3

前々回は、B級グルメの話題を起点に、商品を欲しがる顧客を発見して、きちんとその顧客に商品を認知してもらえれば、ビジネスとして成立する事例をご紹介しました。
前回は、そのようなビジネスに仕立て上げる手法・やり方として、弊社では20年間、ビジネスを以下の4要素でモデリングしてきたことをご説明させて頂きました。

<JBC流のビジネスの捉え方>

要素1:顧客(誰を顧客とするか)
要素2:提供価値(どんな商品・サービスか)
要素3:提供プロセス(どのように商品・サービスを提供するか)
要素4:収益構造(どこから収益を獲得するか)

今回は、具体的な事例を取り上げて、上記の4要素を基軸にビジネスに仕立て上げる手法を実際に適用してみたいと思います。

■適用事例■
「日経ビジネス 2009年4月27日号 P.32-34」にも掲載された事例ですが、奈良の南都銀行が経営方針に掲げた「環境活動」や「社会貢献活動」の一環として地元の吉野杉の間伐材の有効活用に取り組んだ事例を適用してみたいと思います。この取組みは、地元の林業関連企業と共に、地域経済の活性化を目指したものでもあります。繧ケ繝ゥ繧、繝・_convert_20110913114201
南都銀行の吉野杉活用
http://www.nantobank.co.jp/investor/desk/pdf/2010_contribution.pdf
http://www.ginkouin.com/news/contribution009.php

この事例を適用していきますが、実際にこの取組みに関わったわけではありません。
雑誌等で知り合えた情報から、もし弊社が関わったとすると、「このような手順でビジネスを作り上げます」という適用の仕方になりますことをご了承ください。

前回ご紹介した以下の手順に従って、適用してみます。

【手順1】対象の設定
【手順2】対象の特徴把握
【手順3】顧客の発見
【手順4】営業プロセス設計
【手順5】商品供給プロセスの構築

■【手順1】対象の設定について■
今回の対象は、有効活用されていない吉野杉の間伐材です。
地元の名産である吉野杉は、かつては建築、家具・木工品用資材などで全国で使用されていたのですが、安い輸入材に押されている状況でした。何とか吉野杉を売って、そこで得られた売上を山に戻して、杉の生育を良くしたいという思いがありました。

■【手順2】対象の特徴把握について■
奈良県にある株式会社ホーテックさんでは、吉野杉の特徴として4つ挙げられています。
http://www.hootec.jp/sugi/quality.html

特徴1:年輪が緻密で均一 ⇒ 優れた強度を生む
特徴2:色つや、香りがいい ⇒ 心の安らぎに繋がる
特徴3:本末同大(幹の根元から上まで太さがあまり変わらない)⇒ 良材となる
特徴4:無節完満(幹にふしがなく、形がほぼ円形)⇒ 見た目に美しい繧ケ繝ゥ繧、繝・_convert_20110913114225
今回の対象が間伐材ということで、建築材よりは細く、強度は落ちます。
そこそこの強度でよく、より多くの数を取ることができる商品として、「箸」が挙がってきたのではないかと想像します。吉野杉の香りが食事をより楽しくするというのが、輸入材との差別化要素になるのではないでしょうか。

次回(最終回)で【手順3】以降をご説明いたします。

(次回もお楽しみに!)

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Author:日本ビジネスクリエイト
経営改革、業務改革、現場改革、システム実現支援などの総合的なコンサルティングを提供しています。特に製造業の現場に精通したコンサルティングに強みを持ち、SCM/CVM領域でのパイオニアとして認知され、また公益事業向けコンサルティングにおいても実績があります。

経営コンサルティング企業として、日本におけるSCM改革をリーディングしております。
また最近では、「X-Chain Mangement(エックスチェーンマネジメント)」という新しい経営手法を開発して、お客様の事業の成功に貢献しております。

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