業務効率化と内部統制強化の両立のポイント:4連載【その1】
米国ではエンロンやワールド・コムの粉飾決算/破たんを受けて、2002年に成立したサーベンス・オクスリー法で内部統制システムの構築・運用を経営者の義務、その監査・監査意見表明を外部監査人の義務としています。
日本においても2005年4月から法令の整備の動きが始まり、内部統制システム構築の義務を課したり、業務遂行や内部管理状況などを文書化し、それを公認会計士がチェックする制度を義務付け、内部統制環境を整備することが必要になりました。このように内部統制の強化の動きは5年以上前から始まっています。

内部統制を強化することは、企業として社会的責任を果たすためになさねばならないことですが、これは社内の業務コストが増加する要因にもなります。一方、企業として継続するために、利益を出し続ける義務もあり、これは内部統制強化と相反します。最低限の業務コストの増加に抑えながら、内部統制の環境を整える必要があります。
内部統制の要件を満たしている企業も多いでしょうが、より高度なレベルで業務効率化と内部統制を両立する段階に来ているのではないでしょうか。
今回は、工事系の企業でのコンサル経験を交えて、業務効率化と内部統制を両立させるポイントをご紹介したいと思います。どのように考えて、業務を再設計すれば、業務コストを最低限の増加に抑えながら、内部統制を強化できるか、事例ベースで考えてみたいと思います。
■内部統制とは
ご存じの方も多いかと思いますが、おさらいとして、「内部統制」とはどんな取組みなのかを簡単に説明します。
内部統制は、会社組織をあるべき姿に近づける全社的取組みで、不正が発生する原因を取り除くだけでなく、たとえ業務上でミスが発生しても、それをカバーすることができる環境を構築することである。
「何のために内部統制を強化するのか」に関して、次の4つの目的が挙げられています。

(1)業務の有効性及び効率性
社員のノウハウや勘、経験に依存した業務を整備して、事業活動の透明性、安全性の確保、業務の標準化に繋げて、業務の有効性や効率性を高める。
(2)財務報告の信頼性
財務諸表に関わる業務内容、作業手順、プロセス等を明確にすることによって、財務情報が正しく作成されることを証明する。
(3)事業活動に関わる法令などの遵守
法律や規則を守るだけでなく、社会規範や企業倫理、企業が独自に設けたルールやマニュアルを守り、企業の社会的責任を果たす。
(4)資産の保全
事業活動に関わるすべての資産を適正管理・有効活用することは、企業の競争力を高め、利益を高め、利益を最大限に上げるために必要不可欠である。
そして、上記の4つの目的を達成するために、適切に整備、運用されなければならない基本的要素としては、次の6つのがあります。

(1)統制環境
内部統制の目的を達成しようとする会社全体の雰囲気や社風を醸成することで、組織の気風を決定する経営者の意向と姿勢が統制環境の源となる。
(2)リスクの評価と対応
自社の事業環境を取り巻く様々なリスクについて、適時にその状況を的確に把握した上で、現実にならないような対策を考える。リスク発生時に早期に対策を講じる。
(3)統制活動
会社内のあらゆる社員が、社内のあらゆる取り決めを正しく守り、業務を遂行することで、互いの仕事をチェックし合うように、複数の社員で業務を分担する「業務の分掌」を明確にしたり、上司による承認の仕組みなど「多重チェック」を行ったりする。活動の記録を残し、一定期間保管することも重要である。
(4)情報と伝達
内部的には、経営者の意思や指示、命令がすべての社員に迅速に伝達されるように、一方外部的には、情報を受け取る側のニーズに合致した正確な情報を発信されるように環境・仕組み・ルールを構築する。
(5)モニタリング
内部統制の様々な施策が有効に機能しているか、効率的に運用されているかの確認を継続的にチェックして評価する。
(6) ITへの対応
情報の伝達が素早く行われ、かつ誤入力などのミスの発見、未然防止の効果のために、ITを活用する。
内部統制の強化とは、4つの目的を達成するために、6つの基本的要素を実現することとも言い換えることもできます。
内部統制を紹介しているURLを、ご参考までに記述します。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%86%85%E9%83%A8%E7%B5%B1%E5%88%B6
4月6日掲載の【その2】へ続く!お楽しみに!!
関連商品: 事業構造改革コンサルティング
弊社HP掲載:http://www.jbc-con.co.jp/consul_service/pdf/STC02.pdf
イプロス掲載:http://www.ipros.jp/products/141048/016/
困ったときはここ!「 ビジネス解決の玉手箱」
http://www.jbc-con.co.jp/consulting/index.html
コンサルティングのお問い合わせ先:
bca@jbc-con.co.jp にお気軽にお問い合わせください
日本においても2005年4月から法令の整備の動きが始まり、内部統制システム構築の義務を課したり、業務遂行や内部管理状況などを文書化し、それを公認会計士がチェックする制度を義務付け、内部統制環境を整備することが必要になりました。このように内部統制の強化の動きは5年以上前から始まっています。

内部統制を強化することは、企業として社会的責任を果たすためになさねばならないことですが、これは社内の業務コストが増加する要因にもなります。一方、企業として継続するために、利益を出し続ける義務もあり、これは内部統制強化と相反します。最低限の業務コストの増加に抑えながら、内部統制の環境を整える必要があります。
内部統制の要件を満たしている企業も多いでしょうが、より高度なレベルで業務効率化と内部統制を両立する段階に来ているのではないでしょうか。
今回は、工事系の企業でのコンサル経験を交えて、業務効率化と内部統制を両立させるポイントをご紹介したいと思います。どのように考えて、業務を再設計すれば、業務コストを最低限の増加に抑えながら、内部統制を強化できるか、事例ベースで考えてみたいと思います。
■内部統制とは
ご存じの方も多いかと思いますが、おさらいとして、「内部統制」とはどんな取組みなのかを簡単に説明します。
内部統制は、会社組織をあるべき姿に近づける全社的取組みで、不正が発生する原因を取り除くだけでなく、たとえ業務上でミスが発生しても、それをカバーすることができる環境を構築することである。
「何のために内部統制を強化するのか」に関して、次の4つの目的が挙げられています。

(1)業務の有効性及び効率性
社員のノウハウや勘、経験に依存した業務を整備して、事業活動の透明性、安全性の確保、業務の標準化に繋げて、業務の有効性や効率性を高める。
(2)財務報告の信頼性
財務諸表に関わる業務内容、作業手順、プロセス等を明確にすることによって、財務情報が正しく作成されることを証明する。
(3)事業活動に関わる法令などの遵守
法律や規則を守るだけでなく、社会規範や企業倫理、企業が独自に設けたルールやマニュアルを守り、企業の社会的責任を果たす。
(4)資産の保全
事業活動に関わるすべての資産を適正管理・有効活用することは、企業の競争力を高め、利益を高め、利益を最大限に上げるために必要不可欠である。
そして、上記の4つの目的を達成するために、適切に整備、運用されなければならない基本的要素としては、次の6つのがあります。

(1)統制環境
内部統制の目的を達成しようとする会社全体の雰囲気や社風を醸成することで、組織の気風を決定する経営者の意向と姿勢が統制環境の源となる。
(2)リスクの評価と対応
自社の事業環境を取り巻く様々なリスクについて、適時にその状況を的確に把握した上で、現実にならないような対策を考える。リスク発生時に早期に対策を講じる。
(3)統制活動
会社内のあらゆる社員が、社内のあらゆる取り決めを正しく守り、業務を遂行することで、互いの仕事をチェックし合うように、複数の社員で業務を分担する「業務の分掌」を明確にしたり、上司による承認の仕組みなど「多重チェック」を行ったりする。活動の記録を残し、一定期間保管することも重要である。
(4)情報と伝達
内部的には、経営者の意思や指示、命令がすべての社員に迅速に伝達されるように、一方外部的には、情報を受け取る側のニーズに合致した正確な情報を発信されるように環境・仕組み・ルールを構築する。
(5)モニタリング
内部統制の様々な施策が有効に機能しているか、効率的に運用されているかの確認を継続的にチェックして評価する。
(6) ITへの対応
情報の伝達が素早く行われ、かつ誤入力などのミスの発見、未然防止の効果のために、ITを活用する。
内部統制の強化とは、4つの目的を達成するために、6つの基本的要素を実現することとも言い換えることもできます。
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【theme : がんばるあなたを応援します!】
【genre : ビジネス】
国の将来は若者が支える現実:はたして我が国は・【後編】
もう一人は,ベトナム絹の織物工場に勤めている21歳の女性Bさん。こちらも多少日本語が話せる。「何をきかっけに日本語を学んだのか?」と聞いたところ,リボンの騎士やドラえもんなど,アニメに影響されて日本語に興味を示したそうだ。語学力を生かして日本人相手に商売をして,これまたお金儲けをしたいという。
先に紹介したがベトナムは社会主義国家であるが若い世代は完全に市場経済を念頭においた思考で行動しているようだ。豊かな生活を手に入れるために・豊かになれると信じて躍起になっている。

【グエン朝王宮:その1】 【グエン朝王宮中庭】
ダナンからフエまで車で片道2時間程度移動したが,市街を離れると田園風景が続く。ベトナムの労働人口の7割近くが第一次産業に従事しており,大半の人々は裕福とはいえない。道中,村にある自動車整備工場で若い作業員の様子をうかがったが,上半身裸・ゴム草履姿で油と,すすまみれになりながら作業をしている。日本では考えられない劣悪な労働環境である。都市部と農村部ではこれほどの格差・ハンディがあることを見せつけられ,それでもチャンスがあれば這い上がろうとするいわば野心を抱えるベトナムの第三世代は底知れないパワーを秘めているように感じる。私の世代では記憶に留めることはできていないが戦後の経済成長に至る日本にもこのような活力があったのかもしれない。

【グエン朝王宮:その2】 【トゥードゥック帝廊】
今回の旅で,ベトナム戦争終結から35年以上が経過し,戦争を知らないベトナムの若い世代が裕福さを求めて活躍している姿を目撃した。就業形態や雇用情勢,価値観の変化はあるにせよ世界でも類を見ない裕福な国:日本の若者がニートや派遣社員に甘んじて,志(こころざし)の矛先を向けあぐねている間に,世界の潮流に乗り損ねていることにあらためて気付く機会でもあった。グローバル環境におけるベトナムのポジションは「成長が停滞している日本」に接近することは間違いない。
<国の将来は若者が支える現実:はたして我が国は・完>
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先に紹介したがベトナムは社会主義国家であるが若い世代は完全に市場経済を念頭においた思考で行動しているようだ。豊かな生活を手に入れるために・豊かになれると信じて躍起になっている。


【グエン朝王宮:その1】 【グエン朝王宮中庭】
ダナンからフエまで車で片道2時間程度移動したが,市街を離れると田園風景が続く。ベトナムの労働人口の7割近くが第一次産業に従事しており,大半の人々は裕福とはいえない。道中,村にある自動車整備工場で若い作業員の様子をうかがったが,上半身裸・ゴム草履姿で油と,すすまみれになりながら作業をしている。日本では考えられない劣悪な労働環境である。都市部と農村部ではこれほどの格差・ハンディがあることを見せつけられ,それでもチャンスがあれば這い上がろうとするいわば野心を抱えるベトナムの第三世代は底知れないパワーを秘めているように感じる。私の世代では記憶に留めることはできていないが戦後の経済成長に至る日本にもこのような活力があったのかもしれない。


【グエン朝王宮:その2】 【トゥードゥック帝廊】
今回の旅で,ベトナム戦争終結から35年以上が経過し,戦争を知らないベトナムの若い世代が裕福さを求めて活躍している姿を目撃した。就業形態や雇用情勢,価値観の変化はあるにせよ世界でも類を見ない裕福な国:日本の若者がニートや派遣社員に甘んじて,志(こころざし)の矛先を向けあぐねている間に,世界の潮流に乗り損ねていることにあらためて気付く機会でもあった。グローバル環境におけるベトナムのポジションは「成長が停滞している日本」に接近することは間違いない。
<国の将来は若者が支える現実:はたして我が国は・完>
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国の将来は若者が支える現実:はたして我が国は・【前編】
昨年,ベトナムのダナンを訪れた。ダナンは南北に長いベトナムの中部に位置する中央直轄市である。ベトナム戦争時には駐留米軍最大の基地があり激戦地にもなった。市街南30kmにある旧チャンバ王国の聖地:ミーソン遺跡にも米軍の空襲による戦火の傷跡が多く残っており痛々しい姿を当時のままさらしている。100km程北側には1945年まで存在したグエン朝の首府フエがあり(王宮南門、宮殿や帝廟は世界遺産でもある),ダナンはその港町として栄えた歴史がある。

【ミーソン遺跡:その1】 【ミーソン遺跡:その2】
ベトナム戦争後,政府共産党がドイモイ路線を打ち出し,市場経済システムの導入や対外開放化を柱に外資導入に向けた構造改革や国際競争力強化に取り組んでいることは広く知られている。最近ダナンに出来た大きなカジノは二極化路線の象徴である。しかし街を歩くと,ハンマーとカマを重ねた模様の赤旗が目につく(旧ソ連邦の旗)。ここは正真正銘の社会主義国家である。

【ミーソン遺跡から発掘された石造:その1】 【ミーソン遺跡から発掘された石造:その2】
そんなベトナム・ダナンで遭遇した若者と目撃した労働の様子,それに伴う所感を紹介したい。
まず,今回現地を案内してくれた年齢28歳の男性Aさん。どこで覚えたのか片言の日本語でおやじギャグ(これがまた寒い)を連発する陽気な人物である。彼は日本人の私が身につけているもの全てに興味を示して「デザインがいい」とか,「ダナンにはない」とか,もの欲しそうな言葉を投げかけてくる。私が身につけているものはユニクロや近所のスーパーで買った衣料品でこれといって特別なものではない。数日間同行して,どうやら彼は衣料品というよりも日本人の一人である私のライフスタイルに興味を示していると気付いた。親しくなったある日,「A君は結婚していないのか?彼女はいるのか?」と聞いたところ,「結婚はまだしない,今はお金儲けに注力したい」と真剣なまなざしで語りだした。家庭が貧しかった分,お金を稼いで一旗あげたいそうだ。なんだか久しぶりに人間の愚直な生きざまに触れた気がする。
<次回3月23日掲載の後編に続く!お楽しみに!!>
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【ミーソン遺跡:その1】 【ミーソン遺跡:その2】
ベトナム戦争後,政府共産党がドイモイ路線を打ち出し,市場経済システムの導入や対外開放化を柱に外資導入に向けた構造改革や国際競争力強化に取り組んでいることは広く知られている。最近ダナンに出来た大きなカジノは二極化路線の象徴である。しかし街を歩くと,ハンマーとカマを重ねた模様の赤旗が目につく(旧ソ連邦の旗)。ここは正真正銘の社会主義国家である。


【ミーソン遺跡から発掘された石造:その1】 【ミーソン遺跡から発掘された石造:その2】
そんなベトナム・ダナンで遭遇した若者と目撃した労働の様子,それに伴う所感を紹介したい。
まず,今回現地を案内してくれた年齢28歳の男性Aさん。どこで覚えたのか片言の日本語でおやじギャグ(これがまた寒い)を連発する陽気な人物である。彼は日本人の私が身につけているもの全てに興味を示して「デザインがいい」とか,「ダナンにはない」とか,もの欲しそうな言葉を投げかけてくる。私が身につけているものはユニクロや近所のスーパーで買った衣料品でこれといって特別なものではない。数日間同行して,どうやら彼は衣料品というよりも日本人の一人である私のライフスタイルに興味を示していると気付いた。親しくなったある日,「A君は結婚していないのか?彼女はいるのか?」と聞いたところ,「結婚はまだしない,今はお金儲けに注力したい」と真剣なまなざしで語りだした。家庭が貧しかった分,お金を稼いで一旗あげたいそうだ。なんだか久しぶりに人間の愚直な生きざまに触れた気がする。
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次世代の自販機にみるマーケティング手法の進化【6連載最終回】
■マーケティング手法の横展開の可能性
「3.他業界のマーケティング手法の取り込み」をKOMTRAXを題材に検討してみます。
このKOMTRAXは、GPS経由で全世界の建機の稼働状況を把握することができるシステムです。
稼働状況の時系列を把握することで、建機の売れ行きが精度高く予測できます。日経ビジネス2007年6月4日号P.30によると、実際に中国政府の金融引き締めを素早く察知して、在庫を最小限に抑えることに成功しています。

この稼働率管理を、例えば生産工場にある産業ロボットに適用することが考えられます。
ただし、建機と違って、ラインの中の設備の一つなので、ロボットの需要予測に活用するというよりは、サービスパーツの需要予測や不具合発生予防の点検需要獲得に利用されることになるのではないでしょうか。
また、建機のように移動するものではないので、GPSを活用せずとも直接インターネットに繋げば済みます。ロボットを制御するためのディスプレイなどもあるでしょうから、そこに情報を発信することで、次世代の自販機のように、双方向コミュニケーションの可能性も探れるのではないでしょうか。例えば、定期点検を必要性を知らせる表示を出すというサービスが考えられます。
適用できる他のマーケティング手法を探す観点の一つとして、「次世代の自販機」の特徴を整理するときに活用した、以下の3つも活用できるのではないでしょうか。
●情報処理面
●コミュニケーション面
●販売方式面

■最後に
作れば売れていた時代から、モノが溢れる時代になり、顧客をセグメンとして、どの顧客をターゲットにするかという戦略が市場競争の重要な要素になりました。勝てる戦略を立案するには、顧客を知る必要があります。顧客を知って、そのニーズにマッチした商品を開発できたとしても、きちんとその商品の存在、及びその良さを顧客に知らしめないと売れません。
マーケティングの活動要素のうちの「ニーズ分析活動」「宣伝・広告活動」をより進化させなければならない時代になったと言い換えることができるのではないでしょうか。「ニーズ分析活動」はこれまでもインターネットの世界も含めて、情報収集の手段が色々と開発されてきましたが、これからは分析結果を如何にスピーディに活用するか、あるいは活用できる情報の如何に収集するかが問われるようになると感じます。「宣伝・広告活動」では、市場をより細分化して、その市場ニーズを捉えた宣伝・広告ができるか、さらには提案活動に繋げられるか
が問われるように思います。
本連載が、マーケティング力強化のきっかけになれば幸いです。
【次世代の自販機にみるマーケティング手法の進化:完結!最後までお付き合い頂きありがとうございました。】
関連商品: 「 ビジネスプロセス改革」コンサルティング
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「3.他業界のマーケティング手法の取り込み」をKOMTRAXを題材に検討してみます。
このKOMTRAXは、GPS経由で全世界の建機の稼働状況を把握することができるシステムです。
稼働状況の時系列を把握することで、建機の売れ行きが精度高く予測できます。日経ビジネス2007年6月4日号P.30によると、実際に中国政府の金融引き締めを素早く察知して、在庫を最小限に抑えることに成功しています。

この稼働率管理を、例えば生産工場にある産業ロボットに適用することが考えられます。
ただし、建機と違って、ラインの中の設備の一つなので、ロボットの需要予測に活用するというよりは、サービスパーツの需要予測や不具合発生予防の点検需要獲得に利用されることになるのではないでしょうか。
また、建機のように移動するものではないので、GPSを活用せずとも直接インターネットに繋げば済みます。ロボットを制御するためのディスプレイなどもあるでしょうから、そこに情報を発信することで、次世代の自販機のように、双方向コミュニケーションの可能性も探れるのではないでしょうか。例えば、定期点検を必要性を知らせる表示を出すというサービスが考えられます。
適用できる他のマーケティング手法を探す観点の一つとして、「次世代の自販機」の特徴を整理するときに活用した、以下の3つも活用できるのではないでしょうか。
●情報処理面
●コミュニケーション面
●販売方式面

■最後に
作れば売れていた時代から、モノが溢れる時代になり、顧客をセグメンとして、どの顧客をターゲットにするかという戦略が市場競争の重要な要素になりました。勝てる戦略を立案するには、顧客を知る必要があります。顧客を知って、そのニーズにマッチした商品を開発できたとしても、きちんとその商品の存在、及びその良さを顧客に知らしめないと売れません。
マーケティングの活動要素のうちの「ニーズ分析活動」「宣伝・広告活動」をより進化させなければならない時代になったと言い換えることができるのではないでしょうか。「ニーズ分析活動」はこれまでもインターネットの世界も含めて、情報収集の手段が色々と開発されてきましたが、これからは分析結果を如何にスピーディに活用するか、あるいは活用できる情報の如何に収集するかが問われるようになると感じます。「宣伝・広告活動」では、市場をより細分化して、その市場ニーズを捉えた宣伝・広告ができるか、さらには提案活動に繋げられるか
が問われるように思います。
本連載が、マーケティング力強化のきっかけになれば幸いです。
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次世代の自販機にみるマーケティング手法の進化【6連載:その5】
前回までで、マーケティング手法という切り口で、品川駅、東京駅に新たに設置された次世代の自販機がどんなものかを整理してみました。そして、コンビニ程の商品の多様性はないけれども、顔画像センシング技術とIT技術の活用により性別・年代別のニーズ分析が可能になり、即座にその分析結果を推奨商品という形で提案販売を可能にしました。換言すれば、洋服専門店の提案販売に近づきました。
従来の自販機から以下の進化を達成した
●コンビニの持つ「ニーズ分析機能の追加」
●洋服専門店の持つ「提案販売機能の付加」
今回は、事業の特徴を踏まえた上で、その事業に適切なマーケティングを行うためには、どのように考えればよいかを考察してみたいと思います。
■事業にマッチしたマーケティング手法とは
前々回に、マーケティングを以下のように定義しました。
「マーケティング(marketing)とは、企業や非営利組織が行うあらゆる活動のうち、『顧客が真に求める商品やサービスを作り、その情報を届け、顧客がその商品を効果的に得られるようにする活動』の全てを表す概念である。」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%82%B1%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%82%B0
事業にマッチしたマーケティング手法とはどんなものかを考える上で、重要なことは次の3点ではないかと考えています。
1.ビジネスの特徴の把握
顧客のニーズ傾向(提案を求めているか、スピードや手軽さ重視か、など)
取り扱う商品の特徴や品種数
2.マーケティングの各活動要素(註)の重点項目の設定
4つの活動要素のうちどれに重点を置くか
各活動要素をどのように実現するか(自動化するのか、人に依存するのか、など)
3.他業界のマーケティング手法の取り込み
より正確に顧客のニーズを把握できるやり方はないか
商品をより効果的にアピールできるやり方はないか

(註)マーケティングの各活動要素
●ニーズ分析活動:顧客ニーズを把握するまでの活動
●商品企画・開発活動:商品やサービスを作り上げる活動
●宣伝・広告活動:商品やサービスの情報を顧客に届ける活動
●販売活動:商品やサービス、それ自体を顧客が効果的に得られるようにする活動
上記の「1.ビジネスの特徴の把握」では、顧客の実態と自社の実態の両面から把握することがポイントです。顧客の実態把握から、「顧客をどんな観点で、どれくらいの細かさでグルーピングすればよいか」が検討できますし、自社の実態把握から、「自社の強みの強化、あるいは弱点克服のために、どんな情報を収集し、それをどう活かすべきか」が検討できるようになります。
上記の「2.マーケティングの各活動要素の重点項目の設定」は、実際にマーケティング活動を作り込むところですが、現状のマーケティングの強み・弱みを把握した上で、より強化すべき活動を明確にする必要があります。このときに、上記1.で捉えたビジネスとしての強み・弱みと整合性が取れているかどうか確認することも重要です。
例えば、今回取り上げた「次世代の自販機」では、ニーズ分析活動に重点が置かれていました。その分析結果を推奨商品の提案という形で活用し、顧客への発信を可能にしました。
上記の「3.他業界のマーケティング手法の取り込み」ですが、これまで見てきたように、「次世代の自販機」はでコンビニの性別・年代情報の負荷と洋服専門店の提案販売を盛り込んで、マーケティングを進化させています。

その他、想定されるマーケティング手法の横展開を挙げてみます。色々あるでしょうが、今回はBtoBビジネスにおける事例として、建機メーカーであるコマツが構築した機械稼働管理システムKOMTRAX(註)をマーケティングに活用している事例を取り上げます。
(註)機械稼働管理システムKOMTRAXの紹介
機械稼働管理システムKOMTRAX搭載車両が10万台を達成
http://www.komatsu.co.jp/CompanyInfo/press/2008051919503416225.html
(次週3月9日掲載の最終回へ続く!お楽しみに!!)
関連商品: 「 ビジネスプロセス改革」コンサルティング
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従来の自販機から以下の進化を達成した
●コンビニの持つ「ニーズ分析機能の追加」
●洋服専門店の持つ「提案販売機能の付加」
今回は、事業の特徴を踏まえた上で、その事業に適切なマーケティングを行うためには、どのように考えればよいかを考察してみたいと思います。
■事業にマッチしたマーケティング手法とは
前々回に、マーケティングを以下のように定義しました。
「マーケティング(marketing)とは、企業や非営利組織が行うあらゆる活動のうち、『顧客が真に求める商品やサービスを作り、その情報を届け、顧客がその商品を効果的に得られるようにする活動』の全てを表す概念である。」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%82%B1%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%82%B0
事業にマッチしたマーケティング手法とはどんなものかを考える上で、重要なことは次の3点ではないかと考えています。
1.ビジネスの特徴の把握
顧客のニーズ傾向(提案を求めているか、スピードや手軽さ重視か、など)
取り扱う商品の特徴や品種数
2.マーケティングの各活動要素(註)の重点項目の設定
4つの活動要素のうちどれに重点を置くか
各活動要素をどのように実現するか(自動化するのか、人に依存するのか、など)
3.他業界のマーケティング手法の取り込み
より正確に顧客のニーズを把握できるやり方はないか
商品をより効果的にアピールできるやり方はないか

(註)マーケティングの各活動要素
●ニーズ分析活動:顧客ニーズを把握するまでの活動
●商品企画・開発活動:商品やサービスを作り上げる活動
●宣伝・広告活動:商品やサービスの情報を顧客に届ける活動
●販売活動:商品やサービス、それ自体を顧客が効果的に得られるようにする活動
上記の「1.ビジネスの特徴の把握」では、顧客の実態と自社の実態の両面から把握することがポイントです。顧客の実態把握から、「顧客をどんな観点で、どれくらいの細かさでグルーピングすればよいか」が検討できますし、自社の実態把握から、「自社の強みの強化、あるいは弱点克服のために、どんな情報を収集し、それをどう活かすべきか」が検討できるようになります。
上記の「2.マーケティングの各活動要素の重点項目の設定」は、実際にマーケティング活動を作り込むところですが、現状のマーケティングの強み・弱みを把握した上で、より強化すべき活動を明確にする必要があります。このときに、上記1.で捉えたビジネスとしての強み・弱みと整合性が取れているかどうか確認することも重要です。
例えば、今回取り上げた「次世代の自販機」では、ニーズ分析活動に重点が置かれていました。その分析結果を推奨商品の提案という形で活用し、顧客への発信を可能にしました。
上記の「3.他業界のマーケティング手法の取り込み」ですが、これまで見てきたように、「次世代の自販機」はでコンビニの性別・年代情報の負荷と洋服専門店の提案販売を盛り込んで、マーケティングを進化させています。

その他、想定されるマーケティング手法の横展開を挙げてみます。色々あるでしょうが、今回はBtoBビジネスにおける事例として、建機メーカーであるコマツが構築した機械稼働管理システムKOMTRAX(註)をマーケティングに活用している事例を取り上げます。
(註)機械稼働管理システムKOMTRAXの紹介
機械稼働管理システムKOMTRAX搭載車両が10万台を達成
http://www.komatsu.co.jp/CompanyInfo/press/2008051919503416225.html
(次週3月9日掲載の最終回へ続く!お楽しみに!!)
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