競合他社との差別化視点からみた需要予測の重要性
特集『マネジメント・ソリューションとしての需要予測ソフトの活用』
世界同時不況をきっかけに、更なるコストダウンに取り組むとともに、需要の大きな低価格品でも利益の出るようなコスト体質に変革しようとしている企業は多いのではないでしょうか。
利益拡大の考え方には色々あるかと思いますが、ここではその一つとして、「必要な製品を、必要なときに、必要なだけ顧客に届ける」を徹底することに、焦点を当ててみたいと思います。「需要予測を起点に、製造コストを最小し、在庫を適正化する方法やそのインフラ構築のポイントを発信するとともに、このような取り組みにより、どんな効果がもたらされるかについても提起していきたいと思います。
具体的には、以下のような4回の連載をお届け致します。

1.共同配送の事例紹介
去る2009年5月19日の日経新聞に、ライバル同士のキヤノンとエプソンがプリンターの共同配送を行うという記事(註1)が掲載されました。なぜ、ライバルが手を組んだのでしょうか。それぞれが物流の効率化を狙うよりも、共同配送にして物量を増やした方がより大きな物流の効率化(輸送コストの削減)が実現できると判断したからではないでしょうか。しかし、共同配送にすると、単位あたりの輸送コストは同じになり、企業間に差が付かないことになります。ということは、キャノンとエプソンは、物流部分で競争しない、言い換えれば違うところで差別化するという決断をしたということだと思います。
それでは、どこで差別化を図るのか、これまでのコンサル実績を踏まえて、ここで考察して見たいと思います。
(註1)日経新聞の「キヤノンとエプソン、プリンターを共同配送 ライバル手を組む」
http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20090519AT1D180D618052009.html
ここで考えなければならないことは、先ほども申し上げたようにどこで差別化を図るかです。
サプライチェーンをみてみると、いかに売れるモノだけをタイムリーに輸送するかがポイントとなります。(※実は、不必要なものを輸送しないため、輸送コストはさらに下がる)しかし、欠品しないように、かつ、在庫を最小化するような生販在計画を立案しなければなりません。
そのためには、需要予測を実施して、それに基づいて生販在計画を立てる必要があります。差別化要素として、上記以外にも考えられるでしょうが、「欠品しないように、かつ、在庫を最小化する⇒在庫適正化」はその一つとして、存在することは明白ではないでしょうか。ということで、ここでは「在庫適正化のための需要予測の必要性」を考察したいと思います。

2.製造業の差別化要素
まず上述の事例に限らず、差別化要素としてどんなものが想定されるかを明らかにしたいと思います。
差別化要素を作りこむ対象として、大きく分けると、以下の3つくらいではないでしょうか。

製造業各社は、これらのどれか、あるいはいくつかを組合せて、自社の強みを差別化要素として定義し、顧客に提供しています。
ところで、上記の共同配送に関する記事は、「②製品の供給能力」の一部の業務に相当します。ここで他社と競争しないということは、取り得る選択肢は、「①製品の機能・性能・デザイン」、「③アフターサービスの充実度」で差別化を図ることに加えて、「②製品の供給能力」の配送以外の部分で競争することが考えられます。これ以降では、「②製品の供給能力」に絞って、差別化要素を考察したいと思います。

(註2)Xチェーン経営
Xチェーンでは事業を「デマンドチェーン」「エンジニアリングチェーン」「サプライチェーン」そして「サービスチェーン」の4つから構成されると定義しています。


3.サプライチェーンでの差別化
より良い計画とは、「顧客が必要なときに、必要な数だけ届ける」ような計画のことで、調達部品や仕掛在庫、製品在庫などサプライチェーン内の在庫が少なくなるような計画のことです。そのためには、需要予測をする必要があります。
以下に、どんな手順で、何に注意して計画を立案すればよいかを記述します。

これまで見てきたように、例え配送部分(出荷Deliver)で他社と手を組んだとしても、「需要予測の精度」で競合と競争することはできます。需要予測の精度が高まれば、サプライチェーン内の在庫を最小化することができて、利益増大に繋がります。
需要予測の精度を高めるとともに、それを調達・生産・出荷の各計画に連動させることが重要です。
是非、継続的にこれを行い、競争を優位に進められることをお勧めします。
5.サプライチェーン全体最適の組織
計画作成手順で、「サプライチェーン内の在庫を可視化し、最小化するように計画を見直す」と記述しましたが、これは言うは易し、行うは難しです。なぜなら、調達・生産・出荷の各計画はそれぞれ別の部門が立案することが多く、それぞれの部門の思いが入り込むからです。そこでサプライチェーン全体を最適化する権限と責任を持った部門(例えばサプライチェーンセンター)が必要になります。
「サプライチェーン・マネジメントSCMのパイオニア」として、サプライチェーン全体を最適化するコンサルティングを多数実践してきた経験から、需要予測を起点に、サプライチェーン全体を最適化する組織、及び業務プロセスを構築されることで、他社との差別化が実現されるものと信じています。

関連商品: 「ビジネスプロセス改革」コンサルティング
弊社HP掲載:http://www.jbc-con.co.jp/consul_service/pdf/STC03.pdf
イプロス掲載:http://www.ipros.jp/products/141048/017/
困ったときはここ!「 ビジネス解決の玉手箱」
http://www.jbc-con.co.jp/consulting/index.html
コンサルティングのお問い合わせ先:
bca@jbc-con.co.jp にお気軽にお問い合わせください
世界同時不況をきっかけに、更なるコストダウンに取り組むとともに、需要の大きな低価格品でも利益の出るようなコスト体質に変革しようとしている企業は多いのではないでしょうか。
利益拡大の考え方には色々あるかと思いますが、ここではその一つとして、「必要な製品を、必要なときに、必要なだけ顧客に届ける」を徹底することに、焦点を当ててみたいと思います。「需要予測を起点に、製造コストを最小し、在庫を適正化する方法やそのインフラ構築のポイントを発信するとともに、このような取り組みにより、どんな効果がもたらされるかについても提起していきたいと思います。
具体的には、以下のような4回の連載をお届け致します。

1.共同配送の事例紹介
去る2009年5月19日の日経新聞に、ライバル同士のキヤノンとエプソンがプリンターの共同配送を行うという記事(註1)が掲載されました。なぜ、ライバルが手を組んだのでしょうか。それぞれが物流の効率化を狙うよりも、共同配送にして物量を増やした方がより大きな物流の効率化(輸送コストの削減)が実現できると判断したからではないでしょうか。しかし、共同配送にすると、単位あたりの輸送コストは同じになり、企業間に差が付かないことになります。ということは、キャノンとエプソンは、物流部分で競争しない、言い換えれば違うところで差別化するという決断をしたということだと思います。
それでは、どこで差別化を図るのか、これまでのコンサル実績を踏まえて、ここで考察して見たいと思います。
(註1)日経新聞の「キヤノンとエプソン、プリンターを共同配送 ライバル手を組む」
http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20090519AT1D180D618052009.html
ここで考えなければならないことは、先ほども申し上げたようにどこで差別化を図るかです。
サプライチェーンをみてみると、いかに売れるモノだけをタイムリーに輸送するかがポイントとなります。(※実は、不必要なものを輸送しないため、輸送コストはさらに下がる)しかし、欠品しないように、かつ、在庫を最小化するような生販在計画を立案しなければなりません。
そのためには、需要予測を実施して、それに基づいて生販在計画を立てる必要があります。差別化要素として、上記以外にも考えられるでしょうが、「欠品しないように、かつ、在庫を最小化する⇒在庫適正化」はその一つとして、存在することは明白ではないでしょうか。ということで、ここでは「在庫適正化のための需要予測の必要性」を考察したいと思います。

2.製造業の差別化要素
まず上述の事例に限らず、差別化要素としてどんなものが想定されるかを明らかにしたいと思います。
差別化要素を作りこむ対象として、大きく分けると、以下の3つくらいではないでしょうか。

製造業各社は、これらのどれか、あるいはいくつかを組合せて、自社の強みを差別化要素として定義し、顧客に提供しています。
ところで、上記の共同配送に関する記事は、「②製品の供給能力」の一部の業務に相当します。ここで他社と競争しないということは、取り得る選択肢は、「①製品の機能・性能・デザイン」、「③アフターサービスの充実度」で差別化を図ることに加えて、「②製品の供給能力」の配送以外の部分で競争することが考えられます。これ以降では、「②製品の供給能力」に絞って、差別化要素を考察したいと思います。

(註2)Xチェーン経営
Xチェーンでは事業を「デマンドチェーン」「エンジニアリングチェーン」「サプライチェーン」そして「サービスチェーン」の4つから構成されると定義しています。


3.サプライチェーンでの差別化
より良い計画とは、「顧客が必要なときに、必要な数だけ届ける」ような計画のことで、調達部品や仕掛在庫、製品在庫などサプライチェーン内の在庫が少なくなるような計画のことです。そのためには、需要予測をする必要があります。
以下に、どんな手順で、何に注意して計画を立案すればよいかを記述します。

これまで見てきたように、例え配送部分(出荷Deliver)で他社と手を組んだとしても、「需要予測の精度」で競合と競争することはできます。需要予測の精度が高まれば、サプライチェーン内の在庫を最小化することができて、利益増大に繋がります。
需要予測の精度を高めるとともに、それを調達・生産・出荷の各計画に連動させることが重要です。
是非、継続的にこれを行い、競争を優位に進められることをお勧めします。
5.サプライチェーン全体最適の組織
計画作成手順で、「サプライチェーン内の在庫を可視化し、最小化するように計画を見直す」と記述しましたが、これは言うは易し、行うは難しです。なぜなら、調達・生産・出荷の各計画はそれぞれ別の部門が立案することが多く、それぞれの部門の思いが入り込むからです。そこでサプライチェーン全体を最適化する権限と責任を持った部門(例えばサプライチェーンセンター)が必要になります。
「サプライチェーン・マネジメントSCMのパイオニア」として、サプライチェーン全体を最適化するコンサルティングを多数実践してきた経験から、需要予測を起点に、サプライチェーン全体を最適化する組織、及び業務プロセスを構築されることで、他社との差別化が実現されるものと信じています。

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需要予測ソフト導入に見る情報システム導入の効果を発揮させるポイント
特集『マネジメント・ソリューションとしての需要予測ソフトの活用』
世界同時不況をきっかけに、更なるコストダウンに取り組むとともに、需要の大きな低価格品でも利益の出るようなコスト体質に変革しようとしている企業は多いのではないでしょうか。
利益拡大の考え方には色々あるかと思いますが、ここではその一つとして、「必要な製品を、必要なときに、必要なだけ顧客に届ける」を徹底することに、焦点を当ててみたいと思います。「需要予測を起点に、製造コストを最小し、在庫を適正化する方法やそのインフラ構築のポイントを発信するとともに、このような取り組みにより、どんな効果がもたらされるかについても提起していきたいと思います。
具体的には、以下のような4回の連載をお届け致します。

1.情報システム導入の効果
情報システムはとても便利な道具で、今や日常の仕事を進めるうえでなくてはならないものになりました。しかし、情報システムを導入したら必ず効果が上がるかというものではないようです。業務を新しい情報システムに置き換えたら、かえって業務が煩雑になった、情報システムを導入したものの使用方法が分からず、使用しなくても業務に不都合がないので結局使用していない、というような事例もあります。
では、情報システムを導入して、確実に効果を上げるためにはどうすればいいでしょうか?
以下、「需要予測ソフト」を事例に情報システム導入の効果を上げるポイントを見ていきたいと思います。

2.情報システム導入のポイント
〔ポイント1 情報システムを導入する目的を明確化する〕
情報システムを導入する前に、その情報システムを導入する目的を明確化して、関係者で認識を合わせることが重要です。
「需要予測ソフト」を例にすると、導入する効果は大きく下記の2つに分けられます。
①需要予測業務の効率化
担当者が多くの品目を、品目別に一つ一つ需要予測を行っているとすると、需要予測業務を需要予測ソフトで実施することで、大幅に業務工数を削減できる可能性があります。
②需要予測の質の向上
担当者の「カンと経験」で実施していた需要予測業務を、需要予測ソフトのロジックにあてはめて予測することで、担当者のレベルが変わっても需要予測の質を向上させ一定に保つことができます。また、需要予測の質を向上させることで、その情報をもとにして作成する「販売計画」、「在庫計画」、「仕入計画」、「生産計画」等の有効性を向上させることができます。
ここで重要なのは、「需要予測ソフト」を導入して漠然と効果が得られると考えるのではなく、どのような効果があって、どの効果を狙うのかという「目的」を明確化することです。「目的」を明確にすることで、関係者の仕事に取り組む方向性を合わせることができ、また次に述べる業務プロセスへの組み込み方が決まってきます。

〔ポイント2 情報システムの機能を業務プロセスに適切に組み込む〕
情報システムを導入するうえでは、その機能を業務プロセスに適切に組み込むことが重要です。これは当たり前のことですが、うまく業務プロセスに組み込まれておらず、業務がとても煩雑になる、そもそも情報システム自体が使われないということが実際に起こっています。
「需要予測ソフト」を例にすると、後述のような項目を明確にして業務プロセスを構築する必要があります。

①需要予測のもととなる、過去の需要情報の収集方法
需要予測の精度を上げるためには、サプライチェーンの構造を考慮して目的に沿った情報を収集する必要があります。例えば、顧客の需要を予測する必要がある場合販売会社への販売実績は実際の需要とは異なるので、顧客の実需情報を集める仕組みを構築する必要があります。
②需要予測手法の選択方法
需要予測手法を選択するルールを明確にして、品目の需要特性別に最適な需要予測手法を選択する必要があります。例えば「需要予測ソフト:SmartForecats」では、下記のような需要予測手法を選択することができます。
・自動予測 :需要に季節性・周期性のある場合
・回帰予測 :需要と相関関係のある別の指標を使って予測する場合
・販促予測 :販促等のイベント実施のタイミングを考慮して予測する場合
・間歇需要予測 :サービス部品等継続して需要がない品目の場合
③需要予測情報の活用方法
需要予測のデータは、あくまで過去の情報をもとに機械的に作成したものなので、今後の方針等、人間の“思い”を込める必要があります。例えば、下記のようなことがあげられます。
・今後の販売戦略を考慮して、需要予測を補正して「販売計画」を作成する
・需要予測データをもとに、目指す在庫水準・納期順守率を達成できる「在庫計画」を作成する
需要予測ソフトの出力結果に、“思い”を込めて、初めて有効性の高い情報となるのです。
それでは、誰の“思い”を込めるべきでしょうか。需要予測ソフトを導入する「目的」に合わせた最適な部門が需要予測を実施し、“思い”を込めることが望ましいです。例えば、目的が「販売計画」の精度を向上させたいのであれば、販売に責任を持つ部門が、目的が「在庫計画」の精度を向上させたいのであれば、在庫に責任を持つ部門が実施するという具合です。
3.最後に
情報システムは単なる「道具」です。しかも購入すれば簡単に効果の出る道具ではなく、この道具を使用する目的を明確にして、道具の使い方を十分検討しなげれば効果を発揮しません。情報システムを導入する時は、この当たり前のことを認識して活動することをおすすめします。

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弊社HP掲載:http://www.jbc-con.co.jp/consul_service/pdf/STC03.pdf
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困ったときはここ!「 ビジネス解決の玉手箱」
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世界同時不況をきっかけに、更なるコストダウンに取り組むとともに、需要の大きな低価格品でも利益の出るようなコスト体質に変革しようとしている企業は多いのではないでしょうか。
利益拡大の考え方には色々あるかと思いますが、ここではその一つとして、「必要な製品を、必要なときに、必要なだけ顧客に届ける」を徹底することに、焦点を当ててみたいと思います。「需要予測を起点に、製造コストを最小し、在庫を適正化する方法やそのインフラ構築のポイントを発信するとともに、このような取り組みにより、どんな効果がもたらされるかについても提起していきたいと思います。
具体的には、以下のような4回の連載をお届け致します。

1.情報システム導入の効果
情報システムはとても便利な道具で、今や日常の仕事を進めるうえでなくてはならないものになりました。しかし、情報システムを導入したら必ず効果が上がるかというものではないようです。業務を新しい情報システムに置き換えたら、かえって業務が煩雑になった、情報システムを導入したものの使用方法が分からず、使用しなくても業務に不都合がないので結局使用していない、というような事例もあります。
では、情報システムを導入して、確実に効果を上げるためにはどうすればいいでしょうか?
以下、「需要予測ソフト」を事例に情報システム導入の効果を上げるポイントを見ていきたいと思います。

2.情報システム導入のポイント
〔ポイント1 情報システムを導入する目的を明確化する〕
情報システムを導入する前に、その情報システムを導入する目的を明確化して、関係者で認識を合わせることが重要です。
「需要予測ソフト」を例にすると、導入する効果は大きく下記の2つに分けられます。
①需要予測業務の効率化
担当者が多くの品目を、品目別に一つ一つ需要予測を行っているとすると、需要予測業務を需要予測ソフトで実施することで、大幅に業務工数を削減できる可能性があります。
②需要予測の質の向上
担当者の「カンと経験」で実施していた需要予測業務を、需要予測ソフトのロジックにあてはめて予測することで、担当者のレベルが変わっても需要予測の質を向上させ一定に保つことができます。また、需要予測の質を向上させることで、その情報をもとにして作成する「販売計画」、「在庫計画」、「仕入計画」、「生産計画」等の有効性を向上させることができます。
ここで重要なのは、「需要予測ソフト」を導入して漠然と効果が得られると考えるのではなく、どのような効果があって、どの効果を狙うのかという「目的」を明確化することです。「目的」を明確にすることで、関係者の仕事に取り組む方向性を合わせることができ、また次に述べる業務プロセスへの組み込み方が決まってきます。

〔ポイント2 情報システムの機能を業務プロセスに適切に組み込む〕
情報システムを導入するうえでは、その機能を業務プロセスに適切に組み込むことが重要です。これは当たり前のことですが、うまく業務プロセスに組み込まれておらず、業務がとても煩雑になる、そもそも情報システム自体が使われないということが実際に起こっています。
「需要予測ソフト」を例にすると、後述のような項目を明確にして業務プロセスを構築する必要があります。

①需要予測のもととなる、過去の需要情報の収集方法
需要予測の精度を上げるためには、サプライチェーンの構造を考慮して目的に沿った情報を収集する必要があります。例えば、顧客の需要を予測する必要がある場合販売会社への販売実績は実際の需要とは異なるので、顧客の実需情報を集める仕組みを構築する必要があります。
②需要予測手法の選択方法
需要予測手法を選択するルールを明確にして、品目の需要特性別に最適な需要予測手法を選択する必要があります。例えば「需要予測ソフト:SmartForecats」では、下記のような需要予測手法を選択することができます。
・自動予測 :需要に季節性・周期性のある場合
・回帰予測 :需要と相関関係のある別の指標を使って予測する場合
・販促予測 :販促等のイベント実施のタイミングを考慮して予測する場合
・間歇需要予測 :サービス部品等継続して需要がない品目の場合
③需要予測情報の活用方法
需要予測のデータは、あくまで過去の情報をもとに機械的に作成したものなので、今後の方針等、人間の“思い”を込める必要があります。例えば、下記のようなことがあげられます。
・今後の販売戦略を考慮して、需要予測を補正して「販売計画」を作成する
・需要予測データをもとに、目指す在庫水準・納期順守率を達成できる「在庫計画」を作成する
需要予測ソフトの出力結果に、“思い”を込めて、初めて有効性の高い情報となるのです。
それでは、誰の“思い”を込めるべきでしょうか。需要予測ソフトを導入する「目的」に合わせた最適な部門が需要予測を実施し、“思い”を込めることが望ましいです。例えば、目的が「販売計画」の精度を向上させたいのであれば、販売に責任を持つ部門が、目的が「在庫計画」の精度を向上させたいのであれば、在庫に責任を持つ部門が実施するという具合です。
3.最後に
情報システムは単なる「道具」です。しかも購入すれば簡単に効果の出る道具ではなく、この道具を使用する目的を明確にして、道具の使い方を十分検討しなげれば効果を発揮しません。情報システムを導入する時は、この当たり前のことを認識して活動することをおすすめします。

関連商品: 「ビジネスプロセス改革」コンサルティング
弊社HP掲載:http://www.jbc-con.co.jp/consul_service/pdf/STC03.pdf
イプロス掲載:http://www.ipros.jp/products/141048/017/
困ったときはここ!「 ビジネス解決の玉手箱」
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利益拡大のために、需要予測ソフトの活用を前提にした計画業務に変えよ!
特集『マネジメント・ソリューションとしての需要予測ソフトの活用』
世界同時不況をきっかけに、更なるコストダウンに取り組むとともに、需要の大きな低価格品でも利益の出るようなコスト体質に変革しようとしている企業は多いのではないでしょうか。
利益拡大の考え方には色々あるかと思いますが、ここではその一つとして、「必要な製品を、必要なときに、必要なだけ顧客に届ける」を徹底することに、焦点を当ててみたいと思います。「需要予測を起点に、製造コストを最小し、在庫を適正化する方法やそのインフラ構築のポイントを発信するとともに、このような取り組みにより、どんな効果がもたらされるかについても提起していきたいと思います。
具体的には、以下のような4回の連載をお届け致します。

1.はじめに
サブプライムローンに端を発して、世界な不況に陥っています。その結果、営業赤字に急落した企業が続出しています。大企業ですら、例外ではありませんでした。赤字化の要因の一つは、北米中心に、国内外の需要が減退していることが挙がられます。このような状況下で利益を獲得するには、大きく次の2つの方向性があるのではないでしょうか。
①需要を喚起できる商品を市場に投入する(⇒売上拡大)
②需要の変動に迅速に対応(需要動向を予測)し、必要な商品だけ準備(在庫を適正化)しておく
⇒欠品率低下による機会損失を最小化(売上拡大)し、不動在庫を削減する(原価低減)
上記①に比べて、上記②は各企業のコントロール下にあり、容易に着手できるのではないでしょうか。
上記②を実現するためにキーとなるのが、「需要予測を予測する」ことです。ここでは、需要予測ソフトをどう活用すれば、「在庫を適正化できるか」即ち「利益拡大に“繋げられるか”」を考察したいと思います。

2.需要予測ソフトの機能
まず、最初に需要予測ソフトの機能を簡単に紹介したいと思います。より具体的なイメージを持ってもらうために、需要予測ソフトの一つであるSmartForecastsを中心に説明します。
SmartForecastsでは、予測手法として大きく5つを備えています。

どの需要予測ソフトも機能や精度に大きな違いはありません。それよりも何のために、需要予測ソフトを活用するかが重要です。コストに着目すれば、上述したように「在庫を適正化するために需要を予測する」というのが一般的ではないでしょうか。
【参考】需要予測ソフトの適用パターン

3.ソフト活用のメリット
次に、「在庫を適正化するための」需要予測ソフトの活用方法を考察したいと思います。
まず、需要予測ソフトを活用した時のメリットを明確にしたいと思います。

以上のことから、「需要予測ソフトの活用」により、計画業務のうち計算業務工数を大幅に削減することができます。その結果、想定されるいくつかのパターンをすべて数値分析して、比較検討の末、実現度の最も高い予測を採用することもできます。

4.ソフトを使いこなすスキル
しかし、需要予測ソフトは万能ではなく、需要ソフトを導入すれば、全てが解決するというわけではありません。ソフトを導入すると、「うまく使いこなすスキル」が必要になります。一般的に数値計算をするためには、条件設定をする必要があります。需要予測でも同様で、これらの設定の仕方で、予測精度は左右されます。
ソフト導入時には、以下のような、予測までの準備業務や予測結果への対応業務などが重要になります。

以上のことからお分かりのように、需要予測ソフトを導入したら、即人員を削減できるというわけではありませんし、勘と経験が全くいらなくなるというわけでもありません。「計画業務の内容や質が変化する」ということなのです。予測計算にかけていた時間を削減して、より付加価値の高い業務である、判断業務や販売企画業務、仕組み改善業務などに、シフトすることになるのです。

5.最後に
需要予測ソフトを導入するということは、計画業務を高付加価値な業務にシフトさせるということであり、これがセットで実施されて初めて、大きなコスト削減を達成できると思われます。特に、業務の仕組み改善まで着手することができれば、より継続的に低コスト体質を実現できると思われます。
是非、需要予測ソフトの導入とともに計画業務の変革を実行し、現在のこの不況を乗り切って頂ければ幸いです。
最後に、需要予測の適用対象に関して触れたいと思います。弊社では「Xチェーン経営」
(http://www.jbc-con.co.jp/books/books_xcm.html)という本を出版しております。この本の中では事業を「デマンドチェーン(マーケティング・営業領域)」「エンジニアリングチェーン(製品開発領域)」「サプライチェーン(製品供給)」「サービスチェーン」の4つから構成されると定義し、それらの繋がりに着目して、経営を管理する新しい手法を紹介しています。各チェーンと需要予測の関係を整理すると、

各チェーンが連携することで、各計画をリンクさせて、全体最適で在庫を適正化されることをお勧めします。

関連商品: 「ビジネスプロセス改革」コンサルティング
弊社HP掲載:http://www.jbc-con.co.jp/consul_service/pdf/STC03.pdf
イプロス掲載:http://www.ipros.jp/products/141048/017/
困ったときはここ!「 ビジネス解決の玉手箱」
http://www.jbc-con.co.jp/consulting/index.html
コンサルティングのお問い合わせ先:
bca@jbc-con.co.jp にお気軽にお問い合わせください
世界同時不況をきっかけに、更なるコストダウンに取り組むとともに、需要の大きな低価格品でも利益の出るようなコスト体質に変革しようとしている企業は多いのではないでしょうか。
利益拡大の考え方には色々あるかと思いますが、ここではその一つとして、「必要な製品を、必要なときに、必要なだけ顧客に届ける」を徹底することに、焦点を当ててみたいと思います。「需要予測を起点に、製造コストを最小し、在庫を適正化する方法やそのインフラ構築のポイントを発信するとともに、このような取り組みにより、どんな効果がもたらされるかについても提起していきたいと思います。
具体的には、以下のような4回の連載をお届け致します。

1.はじめに
サブプライムローンに端を発して、世界な不況に陥っています。その結果、営業赤字に急落した企業が続出しています。大企業ですら、例外ではありませんでした。赤字化の要因の一つは、北米中心に、国内外の需要が減退していることが挙がられます。このような状況下で利益を獲得するには、大きく次の2つの方向性があるのではないでしょうか。
①需要を喚起できる商品を市場に投入する(⇒売上拡大)
②需要の変動に迅速に対応(需要動向を予測)し、必要な商品だけ準備(在庫を適正化)しておく
⇒欠品率低下による機会損失を最小化(売上拡大)し、不動在庫を削減する(原価低減)
上記①に比べて、上記②は各企業のコントロール下にあり、容易に着手できるのではないでしょうか。
上記②を実現するためにキーとなるのが、「需要予測を予測する」ことです。ここでは、需要予測ソフトをどう活用すれば、「在庫を適正化できるか」即ち「利益拡大に“繋げられるか”」を考察したいと思います。

2.需要予測ソフトの機能
まず、最初に需要予測ソフトの機能を簡単に紹介したいと思います。より具体的なイメージを持ってもらうために、需要予測ソフトの一つであるSmartForecastsを中心に説明します。
SmartForecastsでは、予測手法として大きく5つを備えています。

どの需要予測ソフトも機能や精度に大きな違いはありません。それよりも何のために、需要予測ソフトを活用するかが重要です。コストに着目すれば、上述したように「在庫を適正化するために需要を予測する」というのが一般的ではないでしょうか。
【参考】需要予測ソフトの適用パターン

3.ソフト活用のメリット
次に、「在庫を適正化するための」需要予測ソフトの活用方法を考察したいと思います。
まず、需要予測ソフトを活用した時のメリットを明確にしたいと思います。

以上のことから、「需要予測ソフトの活用」により、計画業務のうち計算業務工数を大幅に削減することができます。その結果、想定されるいくつかのパターンをすべて数値分析して、比較検討の末、実現度の最も高い予測を採用することもできます。

4.ソフトを使いこなすスキル
しかし、需要予測ソフトは万能ではなく、需要ソフトを導入すれば、全てが解決するというわけではありません。ソフトを導入すると、「うまく使いこなすスキル」が必要になります。一般的に数値計算をするためには、条件設定をする必要があります。需要予測でも同様で、これらの設定の仕方で、予測精度は左右されます。
ソフト導入時には、以下のような、予測までの準備業務や予測結果への対応業務などが重要になります。

以上のことからお分かりのように、需要予測ソフトを導入したら、即人員を削減できるというわけではありませんし、勘と経験が全くいらなくなるというわけでもありません。「計画業務の内容や質が変化する」ということなのです。予測計算にかけていた時間を削減して、より付加価値の高い業務である、判断業務や販売企画業務、仕組み改善業務などに、シフトすることになるのです。

5.最後に
需要予測ソフトを導入するということは、計画業務を高付加価値な業務にシフトさせるということであり、これがセットで実施されて初めて、大きなコスト削減を達成できると思われます。特に、業務の仕組み改善まで着手することができれば、より継続的に低コスト体質を実現できると思われます。
是非、需要予測ソフトの導入とともに計画業務の変革を実行し、現在のこの不況を乗り切って頂ければ幸いです。
最後に、需要予測の適用対象に関して触れたいと思います。弊社では「Xチェーン経営」
(http://www.jbc-con.co.jp/books/books_xcm.html)という本を出版しております。この本の中では事業を「デマンドチェーン(マーケティング・営業領域)」「エンジニアリングチェーン(製品開発領域)」「サプライチェーン(製品供給)」「サービスチェーン」の4つから構成されると定義し、それらの繋がりに着目して、経営を管理する新しい手法を紹介しています。各チェーンと需要予測の関係を整理すると、

各チェーンが連携することで、各計画をリンクさせて、全体最適で在庫を適正化されることをお勧めします。

関連商品: 「ビジネスプロセス改革」コンサルティング
弊社HP掲載:http://www.jbc-con.co.jp/consul_service/pdf/STC03.pdf
イプロス掲載:http://www.ipros.jp/products/141048/017/
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笛吹いて踊らす?【後編】
最近の事例では、
・毎年成績が最下位だった営業所の成績を上げるため、本社や支店のワーキングメンバーが足しげく現場に通い
現場社員と何度も対話を重ねることで動機付けを行った上で施策を導入した結果、数か月で劇的に成績が上がった。
⇒ソフト面の取り組みをベースにハード面の取り組みを展開
・組織の役割分担を大きく変えた新プロセスを設計し導入するプロジェクトにおいて、 過去のやり方と新しいやり方とのGAPが一番大きくなり、最も変化への負担感を感じるであろう社員をあえてプロジェクトメンバーに加えて,意識付けをしつつ新しいプロセスを一緒に設計することで、新プロセスへの移行をスムーズに進めた
⇒ハード面の取り組みとソフト面の取り組みを一体化
などがある。
どちらもハードとソフトのバランスを取りながら活動を推進することで成果が得られた事例である。
このように、現状を変える事を行う際は、ハード面とソフト面の両面をバランスよく手当てすることが重要である。
それが「笛吹けど踊らず」と「笛吹いて踊らす」の分かれ道となる。
笛吹いて踊らす?:完
関連商品: 「 ビジネスプロセス改革」コンサルティング
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・毎年成績が最下位だった営業所の成績を上げるため、本社や支店のワーキングメンバーが足しげく現場に通い
現場社員と何度も対話を重ねることで動機付けを行った上で施策を導入した結果、数か月で劇的に成績が上がった。
⇒ソフト面の取り組みをベースにハード面の取り組みを展開

・組織の役割分担を大きく変えた新プロセスを設計し導入するプロジェクトにおいて、 過去のやり方と新しいやり方とのGAPが一番大きくなり、最も変化への負担感を感じるであろう社員をあえてプロジェクトメンバーに加えて,意識付けをしつつ新しいプロセスを一緒に設計することで、新プロセスへの移行をスムーズに進めた
⇒ハード面の取り組みとソフト面の取り組みを一体化

などがある。
どちらもハードとソフトのバランスを取りながら活動を推進することで成果が得られた事例である。
このように、現状を変える事を行う際は、ハード面とソフト面の両面をバランスよく手当てすることが重要である。
それが「笛吹けど踊らず」と「笛吹いて踊らす」の分かれ道となる。
笛吹いて踊らす?:完
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