物流の5S【後編】
4.清潔
四つ目の「S」は「清潔」です。
これまで挙げた3つの「S」(3Sと言う場合もある)である、「整理・整頓・清掃を徹底して行い、汚れのない綺麗な状態を維持すること」と定義されています。
これまでの「S」と違って、何かすることではなく、3つの「S」を継続している状態を表しています。初期の状況では、かなりの努力や苦労をして整理・整頓・清掃をすることになると思います。そんな状態を維持・継続するのは、
実際には相当難しいことです。そこで現場の指導では「3ない作戦」を行います。「捨てない整理」のために不要物が発生しない仕組みづくり、「乱れない整頓」のために戻さなくてよい仕組みづくり、「汚れない清掃」のために
汚さない仕組みづくりを進めます。「継続は力なり」と言いますが、「5S」による改善の成功の秘訣は、まさに粘り強く継続できるかということがポイントです。
5.躾
最後の「S」は「躾」です。
「決められたことを、いつも正しく守り、決められた通りに実行できるよう習慣づけること」と定義されています。いちいち言われてから実行するのではなく、習慣として身に付き、自然と実行できるようになることが求めるところです。
これらの「5S」は本来ならば「当たり前のこと」ですが、その「当たり前のこと」ができていないのが実態ではないでしょうか?現在、物流現場では作業の乱れから、生産性の低下や顧客クレームの発生などの多くの問題を抱えている物流センタが増えているように感じます。多くの企業では、コスト削減によって、新人を教育すべき熟練社員が少なくなり、さらに物流業務をアウトソースする動きが加速して、多くの企業では、わずかな自社の社員と大勢の委託先の社員により業務が行われている物流現場をよく見るようになりました。人材面での問題が、物流現場の生産性や品質を低下させている要因のひとつであり、現場の作業者に対する教育が急務になっています。それも自社の社員に限定したものではなく、委託先の社員やパート・アルバイトを含むすべての人員を対象にした教育が必要です。なぜなら、全員が一緒になって改善にあたってこそ、ミスを出さない物流現場が育ち、生産性や品質レベルの高い物流センタに生まれかわることができるからです。そして、現場で作業をしながら、人づくりの教育をするのに最も効果的なのが「5S」活動の導入です。これまで、誤解をしていた人が居るかもしれませんが、「5S」は単なる整理や整頓による美化活動ではなく、利益を生み出す物流現場に変るための体質改善活動なのです。この点に誤解があることから、「5S」を
導入したにもかかわらず、改善活動を職場に定着させるまでに至らず、単なる美化活動で終わり、導入に失敗した例も数多くあります。決して、見せかけだけの「5S」に終らない本物の「物流現場における5S活動」の導入にチャレンジしてみませんか?

関連商品: 「 ビジネスプロセス改革」コンサルティング
弊社HP掲載:http://www.jbc-con.co.jp/consul_service/pdf/STC03.pdf
イプロス掲載:http://www.ipros.jp/products/141048/017/
困ったときはここ!「 ビジネス解決の玉手箱」
http://www.jbc-con.co.jp/consulting/index.html
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四つ目の「S」は「清潔」です。
これまで挙げた3つの「S」(3Sと言う場合もある)である、「整理・整頓・清掃を徹底して行い、汚れのない綺麗な状態を維持すること」と定義されています。
これまでの「S」と違って、何かすることではなく、3つの「S」を継続している状態を表しています。初期の状況では、かなりの努力や苦労をして整理・整頓・清掃をすることになると思います。そんな状態を維持・継続するのは、
実際には相当難しいことです。そこで現場の指導では「3ない作戦」を行います。「捨てない整理」のために不要物が発生しない仕組みづくり、「乱れない整頓」のために戻さなくてよい仕組みづくり、「汚れない清掃」のために
汚さない仕組みづくりを進めます。「継続は力なり」と言いますが、「5S」による改善の成功の秘訣は、まさに粘り強く継続できるかということがポイントです。
5.躾
最後の「S」は「躾」です。
「決められたことを、いつも正しく守り、決められた通りに実行できるよう習慣づけること」と定義されています。いちいち言われてから実行するのではなく、習慣として身に付き、自然と実行できるようになることが求めるところです。

これらの「5S」は本来ならば「当たり前のこと」ですが、その「当たり前のこと」ができていないのが実態ではないでしょうか?現在、物流現場では作業の乱れから、生産性の低下や顧客クレームの発生などの多くの問題を抱えている物流センタが増えているように感じます。多くの企業では、コスト削減によって、新人を教育すべき熟練社員が少なくなり、さらに物流業務をアウトソースする動きが加速して、多くの企業では、わずかな自社の社員と大勢の委託先の社員により業務が行われている物流現場をよく見るようになりました。人材面での問題が、物流現場の生産性や品質を低下させている要因のひとつであり、現場の作業者に対する教育が急務になっています。それも自社の社員に限定したものではなく、委託先の社員やパート・アルバイトを含むすべての人員を対象にした教育が必要です。なぜなら、全員が一緒になって改善にあたってこそ、ミスを出さない物流現場が育ち、生産性や品質レベルの高い物流センタに生まれかわることができるからです。そして、現場で作業をしながら、人づくりの教育をするのに最も効果的なのが「5S」活動の導入です。これまで、誤解をしていた人が居るかもしれませんが、「5S」は単なる整理や整頓による美化活動ではなく、利益を生み出す物流現場に変るための体質改善活動なのです。この点に誤解があることから、「5S」を
導入したにもかかわらず、改善活動を職場に定着させるまでに至らず、単なる美化活動で終わり、導入に失敗した例も数多くあります。決して、見せかけだけの「5S」に終らない本物の「物流現場における5S活動」の導入にチャレンジしてみませんか?

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物流の5S【前編】
「5S」という言葉を初めて聞く人はあまり居ないとは思いますが、「5S」は「整理・整頓・清掃・清潔・躾」のことです。しかし「5S」が、この5つの単語からなる改善活動の基礎になるものであると知っている人でも、それぞれが本当にどういう意味をもつかを理解している人は意外に少ないのが事実です。
現場の診断で物流センタを訪れる機会が多く、そのなかには「5S活動」をスローガンに横断幕を掲げて改善活動をしていることをアピールしている企業がありますが、「本当に5S活動しているの?」と疑問に思うこともあります。
今回は、物流現場の改善に役立てるための「5S」の本当の意味をきちんと理解して、効果のあがる「5S」活動の取り組みについて紹介してみます。

1.整理
最初の「S」は「整理」です。
「要るものと要らないものに分けて要らないものを捨てること」と定義されています。
「5S活動」を始めるものにとって、最も難しいことでしょう。なぜならば、「捨てる」んですよ。「使うかもしれないから…」と思うと、なかなか捨てられないのが人の心情です。現場の指導では、「赤札作戦」ということを行います。
ここ最近使ってないものには、すべて赤札を貼り、1箇所にまとめます(ザクザク出てきます)。この赤札の貼られた山にあるものが、この先1ヶ月使われることがなかったら、本当に要らないものとして廃棄します。このなかには高価
なものもあるはずです。でも物流センタのような現場では使わないものを置いておくことで、スペースというコストが発生しています。こんな小さなものと見逃すものが積もり積もって、スペース不足と悩んでいることも少なくありません。
なんの付加価値も生むことなく、そこに居座ることでコストだけ発生しているケースが非常に多いです。皆さんの周りにも、そんな不要なものが溢れていませんか?
2.整頓
二つ目の「S」は「整頓」です。
「必要な物がすぐに取り出せるように置き場所、置き方を決め、表示を確実に行う」と定義されています。
人は「しまい忘れ」ということをよくやります。大切に保管したものを探している光景をよく見ますが、要るものと要らないものに分別できたとしても、必要なものを必要な時、すぐに取り出せなければ意味がないです。物流現場での
作業分析をする際、付加価値のない「探し」というアクティビティ(作業の単位)の記録をする回数が頻繁にあります。現場の指導では、定置定量、形跡による「看板表示作戦」を行います。置き場所、置き方を決めるうえで重要な
ことは、パレットやケースのようにそのものが複数ある場合、いくつあることが正しいかを決め、マーキングや形跡などの方法で管理することです。パレットが足りないと何度も買い足した挙句の果てに、すべて集めてみたら売るほど
集まったというケースもありました。整頓は見える化です。不要なものが増えることもなく、使用者を管理すれば行方不明も防ぐことができます。使いたいときに何処にあるか分からなくて、探しまわっていませんか?
3.清掃
三つ目の「S」は「清掃」です。
「掃除をしてゴミや汚れのない綺麗な状態にすると同時に点検をすること」と定義されています。
「5S」の「清掃」が意味することは、実際に手足を使って行動した結果です。
物流センタが新しいから綺麗とか、古いから汚いということではありません。
始業前、終業後の清掃が、品質や安全のレベルをあらまします。現場の指導では、「磨き作戦」を行います。棚や台車、ケースなどの什器を徹底的に綺麗にします。こうした作業を通して、什器の損傷を早く見つけることで、
物流品質をあげると同時に作業の安全を確保することができます。たかが清掃ではなくて、清掃を通して、日常の状態の変化に気づくことができます。
「整頓」が「見える化」ならば、「清掃」は「変化の発見」です。皆さんの職場も清掃を続けて日常の変化に気づく目を養ってみてください。

清潔,躾については次週6月24日(木)後編でご紹介しましょう。お楽しみに!
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現場の診断で物流センタを訪れる機会が多く、そのなかには「5S活動」をスローガンに横断幕を掲げて改善活動をしていることをアピールしている企業がありますが、「本当に5S活動しているの?」と疑問に思うこともあります。
今回は、物流現場の改善に役立てるための「5S」の本当の意味をきちんと理解して、効果のあがる「5S」活動の取り組みについて紹介してみます。

1.整理
最初の「S」は「整理」です。
「要るものと要らないものに分けて要らないものを捨てること」と定義されています。
「5S活動」を始めるものにとって、最も難しいことでしょう。なぜならば、「捨てる」んですよ。「使うかもしれないから…」と思うと、なかなか捨てられないのが人の心情です。現場の指導では、「赤札作戦」ということを行います。
ここ最近使ってないものには、すべて赤札を貼り、1箇所にまとめます(ザクザク出てきます)。この赤札の貼られた山にあるものが、この先1ヶ月使われることがなかったら、本当に要らないものとして廃棄します。このなかには高価
なものもあるはずです。でも物流センタのような現場では使わないものを置いておくことで、スペースというコストが発生しています。こんな小さなものと見逃すものが積もり積もって、スペース不足と悩んでいることも少なくありません。
なんの付加価値も生むことなく、そこに居座ることでコストだけ発生しているケースが非常に多いです。皆さんの周りにも、そんな不要なものが溢れていませんか?
2.整頓
二つ目の「S」は「整頓」です。
「必要な物がすぐに取り出せるように置き場所、置き方を決め、表示を確実に行う」と定義されています。
人は「しまい忘れ」ということをよくやります。大切に保管したものを探している光景をよく見ますが、要るものと要らないものに分別できたとしても、必要なものを必要な時、すぐに取り出せなければ意味がないです。物流現場での
作業分析をする際、付加価値のない「探し」というアクティビティ(作業の単位)の記録をする回数が頻繁にあります。現場の指導では、定置定量、形跡による「看板表示作戦」を行います。置き場所、置き方を決めるうえで重要な
ことは、パレットやケースのようにそのものが複数ある場合、いくつあることが正しいかを決め、マーキングや形跡などの方法で管理することです。パレットが足りないと何度も買い足した挙句の果てに、すべて集めてみたら売るほど
集まったというケースもありました。整頓は見える化です。不要なものが増えることもなく、使用者を管理すれば行方不明も防ぐことができます。使いたいときに何処にあるか分からなくて、探しまわっていませんか?
3.清掃
三つ目の「S」は「清掃」です。
「掃除をしてゴミや汚れのない綺麗な状態にすると同時に点検をすること」と定義されています。
「5S」の「清掃」が意味することは、実際に手足を使って行動した結果です。
物流センタが新しいから綺麗とか、古いから汚いということではありません。
始業前、終業後の清掃が、品質や安全のレベルをあらまします。現場の指導では、「磨き作戦」を行います。棚や台車、ケースなどの什器を徹底的に綺麗にします。こうした作業を通して、什器の損傷を早く見つけることで、
物流品質をあげると同時に作業の安全を確保することができます。たかが清掃ではなくて、清掃を通して、日常の状態の変化に気づくことができます。
「整頓」が「見える化」ならば、「清掃」は「変化の発見」です。皆さんの職場も清掃を続けて日常の変化に気づく目を養ってみてください。

清潔,躾については次週6月24日(木)後編でご紹介しましょう。お楽しみに!
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ギャップこそチャンス!【後編】
弊社はSCM(サプライチェーン・マネジメント)の領域では豊富なコンサルティング実績を誇っている。SCMは90年代の終わりに米国で練られた経営改善手法である。実はこの手法、80年代に日本車の輸出攻勢で大打撃を受けた自動車業界を何とかしようと、米国内でトヨタ生産方式を研究した結果生み出された手法である。つまり、米国が「模倣技術」に独自の「工夫力」と「考案力」を発揮して創造した産物であることは、あまり知られていない。オリジナルの発明者は日本なのである。

SCMは顧客への提供価値を重視する。つまり「顧客第一主義」が原点。著者の志村さんは語る。実はこの商慣行は古くから日本にある商習慣であり、そこには顧客を「お客様」と敬称で呼ぶ日本的心情が働いている、と。つまり日本人のDNAには顧客第一主義が刻まれているのである。だから多くの日本企業で、SCM手法はミートするものと筆者は考える。
10年3月期の決算で、トヨタ自動車は黒字を確保した。リコールの逆風はあるがその過程でより強くなる可能性がある。「1%の成功は99%の失敗が支えている」と先人の言葉が鮮明に記憶に残っている。今年度GDPは中国に抜かれるが、1人当りに換算すれば日本のパフォーマンスは中国の10倍もある。ここまで頑張ってきた日本人。自信を持って愚直に進むことが逆風に挑む企業人には欠かせない。改革に成功する企業は「愚直にやりぬくポテンシャル・エネルギーが高い」ことを様々な経験から知ることができる。今そこに見えるギャップこそ、飛躍に繋がるなによりの機会と考える。
最後に、私たちは多くの企業でSCM改革を実践させて戴いた。そんな中から、最近のSCMの動向と題して、このたび雑誌『プラントエンジニアリング』7月号に取り上げて戴いた。興味のある方は、是非、ご一読して戴ければ幸甚です。
ギャップこそチャンス!<終り>
関連商品: 「 ビジネスプロセス改革」コンサルティング
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SCMは顧客への提供価値を重視する。つまり「顧客第一主義」が原点。著者の志村さんは語る。実はこの商慣行は古くから日本にある商習慣であり、そこには顧客を「お客様」と敬称で呼ぶ日本的心情が働いている、と。つまり日本人のDNAには顧客第一主義が刻まれているのである。だから多くの日本企業で、SCM手法はミートするものと筆者は考える。
10年3月期の決算で、トヨタ自動車は黒字を確保した。リコールの逆風はあるがその過程でより強くなる可能性がある。「1%の成功は99%の失敗が支えている」と先人の言葉が鮮明に記憶に残っている。今年度GDPは中国に抜かれるが、1人当りに換算すれば日本のパフォーマンスは中国の10倍もある。ここまで頑張ってきた日本人。自信を持って愚直に進むことが逆風に挑む企業人には欠かせない。改革に成功する企業は「愚直にやりぬくポテンシャル・エネルギーが高い」ことを様々な経験から知ることができる。今そこに見えるギャップこそ、飛躍に繋がるなによりの機会と考える。
最後に、私たちは多くの企業でSCM改革を実践させて戴いた。そんな中から、最近のSCMの動向と題して、このたび雑誌『プラントエンジニアリング』7月号に取り上げて戴いた。興味のある方は、是非、ご一読して戴ければ幸甚です。

ギャップこそチャンス!<終り>
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ギャップこそチャンス【前編】
トヨタ自動車がGMを抜いて世界No.1になったことと同時期に米国をはじめ一連のリコール問題が発生したことは実に残念なことと悲痛な思いにとらわれているのは筆者だけではなく多く方の共通の思いではなかろうか。明治の開国以来、欧米の文化を学び国力の拡大に邁進し「サルまね」と揶揄されながらも,戦後は世界に冠たる品質を誇る工業製品供給国となり,米国に次いでGDP第二位に躍進した日本。その日本の誇るものづくりにほころびが見えたと世界に軽んじられてしまうことは避けなければならない。

戦後、しばらくの間,メイド・イン・ジャパンはものまね品,粗悪品と揶揄された時代があり,日本のものづくり技術は「模倣技術」と世界で批評された。
その理由について、「世界を制した『日本的技術発想』」という著作の中で、志村幸雄氏
は明治以降のわが国の取り組みに遡って語っている。
①近代科学と技術の確立・発展をもっぱら欧米の成果の移入に依存した
②欧化主義を通したため模倣主義が抵抗なく受入られた
③その結果として舶来崇拝思想が生まれた
と,3つの理由を展開されている。それが悪いのか?そうではない、と主張している。同著作によると、「模倣主義」を甘受した国は日本だけではなく、世界のどの先進国でも当然のように見られる現象であることを説いている。そして、模倣を超える類い稀な日本人の工夫力と考案力こそが、高性能・高信頼性の代名詞となったメイド・イン・ジャパンを生み出したことを述べている。同感である。そう信じたい。江崎玲於奈氏も、「日本人は欧米に比べて創造性に長けているとは言い切れないが、工夫・考案の才では抜群の力を発揮する」と述べていることも紹介されていた。我々を勇気づけてくれる著書である。

弊社はSCM(サプライチェーン・マネジメント)の領域では豊富なコンサルティング実績を誇っている。・・
次回6月10日(木)掲載後編に続く!お楽しみに!!
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戦後、しばらくの間,メイド・イン・ジャパンはものまね品,粗悪品と揶揄された時代があり,日本のものづくり技術は「模倣技術」と世界で批評された。
その理由について、「世界を制した『日本的技術発想』」という著作の中で、志村幸雄氏
は明治以降のわが国の取り組みに遡って語っている。
①近代科学と技術の確立・発展をもっぱら欧米の成果の移入に依存した
②欧化主義を通したため模倣主義が抵抗なく受入られた
③その結果として舶来崇拝思想が生まれた
と,3つの理由を展開されている。それが悪いのか?そうではない、と主張している。同著作によると、「模倣主義」を甘受した国は日本だけではなく、世界のどの先進国でも当然のように見られる現象であることを説いている。そして、模倣を超える類い稀な日本人の工夫力と考案力こそが、高性能・高信頼性の代名詞となったメイド・イン・ジャパンを生み出したことを述べている。同感である。そう信じたい。江崎玲於奈氏も、「日本人は欧米に比べて創造性に長けているとは言い切れないが、工夫・考案の才では抜群の力を発揮する」と述べていることも紹介されていた。我々を勇気づけてくれる著書である。

弊社はSCM(サプライチェーン・マネジメント)の領域では豊富なコンサルティング実績を誇っている。・・
次回6月10日(木)掲載後編に続く!お楽しみに!!
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なぜ在庫を削減すべきか?キャッシュフロー経営が突破口!
1.状況に応じた在庫の捉え方
リーマンショックに端を発した未曾有の経営危機が日本のみならず、全世界の企業を襲いましたが、昨年には「在庫処理が進んだ」という文字が新聞やテレビで見られるようになりました。顧客の購買意欲が減退したにも関わらず、不況以前の計画に基づいて既に生産していたために、今回のような過剰在庫が発生しました。このように販売不振の状況になると、「在庫が悪である」「在庫を削減すべき」がよく理解できますが、販売が順調なときはなかなか実感できないのが正直なところではないでしょうか。なぜならば、在庫があるから短納期要求にも対応でき、販売機会を最大限に獲得できるという論理があるからです。
ここで、改めて「なぜ在庫を削減すべきなのか」という質問に取り組みたいと思います。在庫は商品供給(サプライチェーン)において果たしている役割から解きほぐして、在庫を削減する動機付けとなる指標をご紹介し、最後に在庫削減の手法例を述べたいと思います。

2.在庫削減に取り組む意義
まず、今回「在庫削減」に焦点を当てた理由を明らかにしたいと思います。1点目は、上述したように、昨今の販売不振で、自動車業界、あるいは自動車部品業界をはじめ、各業界で在庫が過剰な状態に陥ったからです。また10年後再来するであろう不況時に、少しでもダメージを最小化するための施策をここで考えることは有意義であると考えるからです。
2点目としては、製造業のグローバル化が進んだために、国際輸送が発生し、移動中の在庫を含めると在庫が大幅に増加してしまったことが挙げられます。グローバル化に伴い、ますます「在庫削減」は重要な経営課題になってきていると言えるからです。
3点目としては、企業会計制度において棚卸資産の評価の低価法による見直しが義務付けられることが挙げられます。この制度により、売れる見込みのない在庫は資産として評価されず、不良資産として売上原価に組み入れられることになります。このことからも売れない在庫の削減が喫緊の課題になります。
以上、3点から「在庫削減」をテーマとして選定しました。


3.在庫が果たす役割
次に、「在庫」の果たす役割から、なぜ在庫が必要かを明確にするとともに、そこに潜むリスクを明らかにしたいと思います。在庫の果たす役割には、大きく良い面と悪い面の2つがあるのではないかと思います。
良い面としては、需要と供給のギャップを埋めて、短納期、あるいは即座に商品を供給できるような環境を作るという役割があります。また、営業部門が「棚に商品が並んでいるから商品が売れる」と言うのも、在庫が需要を喚起するという良い面に立った発言です。
しかし、この良い面の裏には、「在庫が計画通りに売れる」という前提があります。現在の不況において、自動車業界なので発生した在庫過剰の事態は、この前提が崩れた結果です。そうすると見えてくるのが、「在庫」の役割の悪い面です。部品/仕掛/製品の各在庫はどれも、キャッシュをモノという形に変換しており、キャッシュフローを停止させるという悪い役割を果たしています。
「なぜ、在庫を削減すべきか」の問いに対する回答は、この悪い役割から説明できます。なぜならば在庫でなく、キャッシュという形で保有していれば、もっと企業価値向上のための活動に取り組むことができるからです。在庫はできる限り削減して、そこで余ったキャッシュを、設備増強による生産性向上や新製品開発による需要喚起などを目的とした活動などに充当するべきではないでしょうか。「在庫削減」の施策として、売れる見込みのない在庫をなくすという取り組みは必須の施策ではないでしょうか。

4.在庫管理のための指標
キャッシュフローの観点から、「在庫」は出来る限り削減すべきものであることが分かりましたが、どんな指標で、在庫を管理すればよいのでしょうか。まず挙がる指標は、在庫量・在庫金額、あるいは在庫回転数(在庫期間)ではないでしょうか。
(指標候補)
※部品/仕掛/製品の各在庫に対して
○在庫量・在庫金額
○在庫回転数(在庫期間)
キャッシュフローにより焦点を当てると、以下のようなキャッシュ・コンバージョン・サイクル(CCC)も指標になり得ます。
(指標候補)
○キャッシュコンバージョンサイクル(CCC):買掛金支払から売掛金回収まで期間
説明サイト http://www.exbuzzwords.com/static/keyword_4942.html
この指標を改善しようとすると、「①在庫削減」以外にも「②買掛金サイト長期」「③売掛金サイト短期化」などの施策も考えられます。
その他にも、株式会社Jコスト研究所の田中正知さんが開発された「Jコスト論」という概念に基づく指標もあります。利回り計算と同じ考え方、「いくらのコストと時間を掛けて、どれだけの利益を得たか」を指標化したものです。これまでの利益率(=利益/コスト)に時間軸を導入したものです。(詳細は後述)
(指標候補)
○利回り = 利息 / (預入金額 × 預入時間)
○収益性 = 利益 / (投入金額 × 拘束時間)← 「Jコスト論」で定義される指標
拘束時間は、キャッシュがモノ(部品/仕掛/製品在庫)に変換されている時間で、在庫期間に相当します。上記の「収益性」という指標を改善しようとすると、「①在庫期間短縮」「②投入金額の低減」「③利益の増大」という3つの方向性があります。特に、重要で、かつ実現性の高いのが「①在庫期間短縮」です。これを実現するためには、必要なときに、必要な部品を購入したり、必要な時に製品を製造したりして在庫回転率を上げればよいからです。これはCCCにおいて、「①在庫削減」を行うのと同じことです。この指標が優れている点は、コスト(=投入金額)とキャッシュフローを繋いでいるところです。コストを扱っているにも関わらず、この指標を改善しようとすると、キャッシュフロー改善になっています。
(※「Jコスト論」を紹介しているURL
本流トヨタ方式
http://jbpress.ismedia.jp/category/toyota
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/854
株式会社Jコスト研究所ホームページ
http://www.j-cost.com/
【参考】Jコスト論とは
トヨタ自動車の田中 正知さんが開発した会計学
参考資料 http://jbpress.ismedia.jp/category/toyota
1)Jコスト論開発の目的
「現場改善の要諦は、自働化や品質保証体制によってQ(品質)を確保した上で、Dの管理(ジャストインタイムによるリードタイム短縮)に専念することにある。そうすれば現場は強くなるし、C(収益/コスト低減)は後からついてくる」を数値的に、議論できるようにすることが目的である
2)Jコスト論とは
○時間軸を導入して、業績の基本である利益率を議論できるようにした管理会計のことである。
○どれだけのコストと時間をかけて、利益を獲得したかを数値化した指標のこと
⇒ 利回りの計算と同じ考え方で計算する

5.在庫削減への取組み
在庫削減するための指標の候補が見えてきたところで、次に具体的な施策について検討します。施策は大きく分けて、「①過剰在庫の削減」「②理論在庫水準の低減」「③業務の標準化・自動化」「④マネジメント力強化」の4つの方向性があります。これらを実現するためには、基本的に次の5つのパラメーターを最適化することになります。

例えば、「②理論在庫水準の低減」のためには、「B.発注・出荷サイクル」を短期化するとともに、「C.発注・出荷ロットサイズ」を小さくします。このとき、待ち時間が減少し、その結果「D.出荷リードタイム」が短縮化します。最終結果として、在庫が削減されます。
また、「③業務の標準化・自動化」のためには、需要予測ソフトを活用することで、需要予測精度を属人化することなく、安定化させることができます。結果として、長期的に見れば在庫が削減されます。

6.最後に
ここまで「なぜ在庫を削減すべきなのか」という質問に対して、在庫の役割から切り込み、キャッシュフローの観点から、「在庫削減」の必要性を説明しました。また、「在庫削減」の施策例についても簡単に触れました。
前述のように「在庫削減」はキャッシュフロー改善の一つの施策であります。そこで、キャッシュフロー改善の施策を別のアプローチで検討したいと思います。そのひとつのアプローチとして、集合動産(在庫)を担保にして融資を受ける「動産担保融資」という方法があります。この方法では、年度末の売上高予測を基準に融資します。そのため、担保となる集合動産は「売れる商品(在庫回転率の高い商品)」でなければなりません。
在庫削減の目的がキャッシュフロー改善であるならば、「動産担保融資」などの施策も幅広く検討しては如何でしょうか。

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リーマンショックに端を発した未曾有の経営危機が日本のみならず、全世界の企業を襲いましたが、昨年には「在庫処理が進んだ」という文字が新聞やテレビで見られるようになりました。顧客の購買意欲が減退したにも関わらず、不況以前の計画に基づいて既に生産していたために、今回のような過剰在庫が発生しました。このように販売不振の状況になると、「在庫が悪である」「在庫を削減すべき」がよく理解できますが、販売が順調なときはなかなか実感できないのが正直なところではないでしょうか。なぜならば、在庫があるから短納期要求にも対応でき、販売機会を最大限に獲得できるという論理があるからです。
ここで、改めて「なぜ在庫を削減すべきなのか」という質問に取り組みたいと思います。在庫は商品供給(サプライチェーン)において果たしている役割から解きほぐして、在庫を削減する動機付けとなる指標をご紹介し、最後に在庫削減の手法例を述べたいと思います。

2.在庫削減に取り組む意義
まず、今回「在庫削減」に焦点を当てた理由を明らかにしたいと思います。1点目は、上述したように、昨今の販売不振で、自動車業界、あるいは自動車部品業界をはじめ、各業界で在庫が過剰な状態に陥ったからです。また10年後再来するであろう不況時に、少しでもダメージを最小化するための施策をここで考えることは有意義であると考えるからです。
2点目としては、製造業のグローバル化が進んだために、国際輸送が発生し、移動中の在庫を含めると在庫が大幅に増加してしまったことが挙げられます。グローバル化に伴い、ますます「在庫削減」は重要な経営課題になってきていると言えるからです。
3点目としては、企業会計制度において棚卸資産の評価の低価法による見直しが義務付けられることが挙げられます。この制度により、売れる見込みのない在庫は資産として評価されず、不良資産として売上原価に組み入れられることになります。このことからも売れない在庫の削減が喫緊の課題になります。
以上、3点から「在庫削減」をテーマとして選定しました。


3.在庫が果たす役割
次に、「在庫」の果たす役割から、なぜ在庫が必要かを明確にするとともに、そこに潜むリスクを明らかにしたいと思います。在庫の果たす役割には、大きく良い面と悪い面の2つがあるのではないかと思います。
良い面としては、需要と供給のギャップを埋めて、短納期、あるいは即座に商品を供給できるような環境を作るという役割があります。また、営業部門が「棚に商品が並んでいるから商品が売れる」と言うのも、在庫が需要を喚起するという良い面に立った発言です。
しかし、この良い面の裏には、「在庫が計画通りに売れる」という前提があります。現在の不況において、自動車業界なので発生した在庫過剰の事態は、この前提が崩れた結果です。そうすると見えてくるのが、「在庫」の役割の悪い面です。部品/仕掛/製品の各在庫はどれも、キャッシュをモノという形に変換しており、キャッシュフローを停止させるという悪い役割を果たしています。
「なぜ、在庫を削減すべきか」の問いに対する回答は、この悪い役割から説明できます。なぜならば在庫でなく、キャッシュという形で保有していれば、もっと企業価値向上のための活動に取り組むことができるからです。在庫はできる限り削減して、そこで余ったキャッシュを、設備増強による生産性向上や新製品開発による需要喚起などを目的とした活動などに充当するべきではないでしょうか。「在庫削減」の施策として、売れる見込みのない在庫をなくすという取り組みは必須の施策ではないでしょうか。

4.在庫管理のための指標
キャッシュフローの観点から、「在庫」は出来る限り削減すべきものであることが分かりましたが、どんな指標で、在庫を管理すればよいのでしょうか。まず挙がる指標は、在庫量・在庫金額、あるいは在庫回転数(在庫期間)ではないでしょうか。
(指標候補)
※部品/仕掛/製品の各在庫に対して
○在庫量・在庫金額
○在庫回転数(在庫期間)
キャッシュフローにより焦点を当てると、以下のようなキャッシュ・コンバージョン・サイクル(CCC)も指標になり得ます。
(指標候補)
○キャッシュコンバージョンサイクル(CCC):買掛金支払から売掛金回収まで期間
説明サイト http://www.exbuzzwords.com/static/keyword_4942.html
この指標を改善しようとすると、「①在庫削減」以外にも「②買掛金サイト長期」「③売掛金サイト短期化」などの施策も考えられます。
その他にも、株式会社Jコスト研究所の田中正知さんが開発された「Jコスト論」という概念に基づく指標もあります。利回り計算と同じ考え方、「いくらのコストと時間を掛けて、どれだけの利益を得たか」を指標化したものです。これまでの利益率(=利益/コスト)に時間軸を導入したものです。(詳細は後述)
(指標候補)
○利回り = 利息 / (預入金額 × 預入時間)
○収益性 = 利益 / (投入金額 × 拘束時間)← 「Jコスト論」で定義される指標
拘束時間は、キャッシュがモノ(部品/仕掛/製品在庫)に変換されている時間で、在庫期間に相当します。上記の「収益性」という指標を改善しようとすると、「①在庫期間短縮」「②投入金額の低減」「③利益の増大」という3つの方向性があります。特に、重要で、かつ実現性の高いのが「①在庫期間短縮」です。これを実現するためには、必要なときに、必要な部品を購入したり、必要な時に製品を製造したりして在庫回転率を上げればよいからです。これはCCCにおいて、「①在庫削減」を行うのと同じことです。この指標が優れている点は、コスト(=投入金額)とキャッシュフローを繋いでいるところです。コストを扱っているにも関わらず、この指標を改善しようとすると、キャッシュフロー改善になっています。
(※「Jコスト論」を紹介しているURL
本流トヨタ方式
http://jbpress.ismedia.jp/category/toyota
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/854
株式会社Jコスト研究所ホームページ
http://www.j-cost.com/
【参考】Jコスト論とは
トヨタ自動車の田中 正知さんが開発した会計学
参考資料 http://jbpress.ismedia.jp/category/toyota
1)Jコスト論開発の目的
「現場改善の要諦は、自働化や品質保証体制によってQ(品質)を確保した上で、Dの管理(ジャストインタイムによるリードタイム短縮)に専念することにある。そうすれば現場は強くなるし、C(収益/コスト低減)は後からついてくる」を数値的に、議論できるようにすることが目的である
2)Jコスト論とは
○時間軸を導入して、業績の基本である利益率を議論できるようにした管理会計のことである。
○どれだけのコストと時間をかけて、利益を獲得したかを数値化した指標のこと
⇒ 利回りの計算と同じ考え方で計算する

5.在庫削減への取組み
在庫削減するための指標の候補が見えてきたところで、次に具体的な施策について検討します。施策は大きく分けて、「①過剰在庫の削減」「②理論在庫水準の低減」「③業務の標準化・自動化」「④マネジメント力強化」の4つの方向性があります。これらを実現するためには、基本的に次の5つのパラメーターを最適化することになります。

例えば、「②理論在庫水準の低減」のためには、「B.発注・出荷サイクル」を短期化するとともに、「C.発注・出荷ロットサイズ」を小さくします。このとき、待ち時間が減少し、その結果「D.出荷リードタイム」が短縮化します。最終結果として、在庫が削減されます。
また、「③業務の標準化・自動化」のためには、需要予測ソフトを活用することで、需要予測精度を属人化することなく、安定化させることができます。結果として、長期的に見れば在庫が削減されます。

6.最後に
ここまで「なぜ在庫を削減すべきなのか」という質問に対して、在庫の役割から切り込み、キャッシュフローの観点から、「在庫削減」の必要性を説明しました。また、「在庫削減」の施策例についても簡単に触れました。
前述のように「在庫削減」はキャッシュフロー改善の一つの施策であります。そこで、キャッシュフロー改善の施策を別のアプローチで検討したいと思います。そのひとつのアプローチとして、集合動産(在庫)を担保にして融資を受ける「動産担保融資」という方法があります。この方法では、年度末の売上高予測を基準に融資します。そのため、担保となる集合動産は「売れる商品(在庫回転率の高い商品)」でなければなりません。
在庫削減の目的がキャッシュフロー改善であるならば、「動産担保融資」などの施策も幅広く検討しては如何でしょうか。

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