技術・ノウハウの共有による組織力向上
1.技術・ノウハウの共有の必要性
はじめに
いつの時代も、どんな組織でも技術・ノウハウが個人で閉じてしまい、組織で十分共有できていないのが実態ではないでしょうか。組織が抱える永遠の課題ではないでしょうか。最近では、文字情報だけでなく、ビデオなど視覚情報の形で将来に伝えることもできるようになってきています。ここでは、技術・ノウハウの継承の事例も交えながら、どうすれば少しでも組織で共有できるようになるかを考えてみたいと思います。
ここで、技術・ノウハウを組織で共有する目的を確認しておきたいと思います。本資料における共有の目的は、「組織力向上」です。以下の図において、個人Bのノウハウをその他の4人が習得することで組織の能力が、「a×b」になり、5人の能力の総和より大きくなり、シナジー効果を享受できるわけです。ここでポイントは、個人Bのノウハウを共有できるように、「技術化する」というステップが必要なことです。

2.業務分類の定義
業務の分類
まず、組織内で共有しやすいかどうかの基準で業務を分類してみたいと思います。最もオーソドックスな分類はルーチン業務/非ルーチン業務の分類基準ではないでしょうか。なぜなら、ルーチン業務は比較的文書化、即ち形式知化できる一方、非ルーチン業務は文書化できない、即ち暗黙知化しやすいという特徴があるからです。非ルーチン業務の場合、文書化しても次いつ同じ業務が行われるのか分からないために、文書化する意味がないという側面もあります。

3.本記事の全体ストーリー
部門ごとの業務の違い
ルーチン業務と非ルーチン業務の比率は、部門によって異なります。例えば、経理部門はルーチン業務の割合が比較的大きく、営業部門や技術部門はルーチン業務の割合が小さいと言えるのではないでしょうか。ルーチン業務の割合が小さい部門ほど、技術・ノウハウの継承が進んでおらず、後継者の育成に悩んでいるものと推察できます。ここからは、営業部門を事例に、業務の実態や共有方法、共有の課題、その解決案を見ていきます。

4.営業部門の事例紹介
1)業務の実態
営業部門の業務
営業部門の業務をルーチン業務/非ルーチン業務に分類すると、およそ以下のようになります。

2)業務の共有方法と課題、解決案
営業部門の業務
営業部門の業務の共有方法、及び共有するための課題、その解決案を整理すると以下のようになります。

(註) 映像による技術・ノウハウを共有化する取組み
・NECの技術継承支援システム http://www.nec.co.jp/solution/movsol/system02.html
・テプコシステムズのePower/K-SHOW http://www.tepsys.co.jp/service/k-show.html
・エムツーメディアの技術継承ビデオ制作 http://www.non-linearjp.com/ginou.html
3)ルーチン業務の共有
共有方法は、当然のことながら、技術・ノウハウを可視化して、共有するということになります。可視化の手段には、フローチャートやチェックリスト、映像化などがあります。以下のように、各社から作業を映像化するシステムが提供されています。同一の業務に初めて従事する人が、この可視化された技術・ノウハウを必要とします。先輩との簡単なOJTとセットで、技術・ノウハウ継承が容易に実施できます。
課題として挙げるとすると、可視化したノウハウが最新でないということでしょう。この解決策としては、ジョブローテーションなどで文書等を活用する頻度を増やすことくらいではないでしょうか。

4)事例1:ベストプラクティス選定
ある企業でやられていた事例をご紹介します。営業プロセスに従い、元ベテラン営業マンのノウハウを整理して、ベストプラクティス構築した上で、現役営業マンが活用しながら、ベストプラクティスを改善している事例です。

5)事例2:出し手と受け手の協力
短期間のOJTでノウハウを継承するには、ノウハウの出し手と受け手のそれぞれのモチベーションを如何に高めるかがポイントです。受け手は、自分がやらなければならないという当事者意識や目的意識を持つべきで、出し手は、受け手の実践をタイミングよくサポートして、受け手のモチベーションを維持させるべきです。

出し手と受け手がモチベーションを高めて、ノウハウを共有することが重要であることは分かっているが、出来ないのが実情ではないでしょうか。それを促す、以下のような仕掛けが必要なのではないでしょうか。

5.最後に
継続することの重要性
ここまで記述したことは、当り前のことかも知れませんが、これらをどれだけ徹底して行うか、あるいは継続的に行うかが技術・ノウハウの共有のポイントではないでしょうか。
例えば、ベストプラクティスのポイントをどれだけ抽出できたか、あるいは実践を通じて、どれだけポイントを見直したかが重要なのではないでしょうか。100%の技術・ノウハウが組織で共有されることが目的ではなく、組織で共有することが会社の業績向上に繋がるという文化を作り上げることを目的に掲げるべきではないかと思います。全ての技術・ノウハウが共有されなくても、共有する場を継続的に設けることが重要で、「継続は力なり」と思えてなりません。
野中郁次郎氏他が書かれた著書「知識創造企業」の中でも、個々人の体験・実践、及び知識(技術・ノウハウ)の共有の場の必要性を主張されています。
困ったときはここ!「 ビジネス解決の玉手箱」
http://www.jbc-con.co.jp/consulting/index.html
コンサルティングのお問い合わせ先:
bca@jbc-con.co.jp にお気軽にお問い合わせください
はじめに
いつの時代も、どんな組織でも技術・ノウハウが個人で閉じてしまい、組織で十分共有できていないのが実態ではないでしょうか。組織が抱える永遠の課題ではないでしょうか。最近では、文字情報だけでなく、ビデオなど視覚情報の形で将来に伝えることもできるようになってきています。ここでは、技術・ノウハウの継承の事例も交えながら、どうすれば少しでも組織で共有できるようになるかを考えてみたいと思います。
ここで、技術・ノウハウを組織で共有する目的を確認しておきたいと思います。本資料における共有の目的は、「組織力向上」です。以下の図において、個人Bのノウハウをその他の4人が習得することで組織の能力が、「a×b」になり、5人の能力の総和より大きくなり、シナジー効果を享受できるわけです。ここでポイントは、個人Bのノウハウを共有できるように、「技術化する」というステップが必要なことです。

2.業務分類の定義
業務の分類
まず、組織内で共有しやすいかどうかの基準で業務を分類してみたいと思います。最もオーソドックスな分類はルーチン業務/非ルーチン業務の分類基準ではないでしょうか。なぜなら、ルーチン業務は比較的文書化、即ち形式知化できる一方、非ルーチン業務は文書化できない、即ち暗黙知化しやすいという特徴があるからです。非ルーチン業務の場合、文書化しても次いつ同じ業務が行われるのか分からないために、文書化する意味がないという側面もあります。

3.本記事の全体ストーリー
部門ごとの業務の違い
ルーチン業務と非ルーチン業務の比率は、部門によって異なります。例えば、経理部門はルーチン業務の割合が比較的大きく、営業部門や技術部門はルーチン業務の割合が小さいと言えるのではないでしょうか。ルーチン業務の割合が小さい部門ほど、技術・ノウハウの継承が進んでおらず、後継者の育成に悩んでいるものと推察できます。ここからは、営業部門を事例に、業務の実態や共有方法、共有の課題、その解決案を見ていきます。

4.営業部門の事例紹介
1)業務の実態
営業部門の業務
営業部門の業務をルーチン業務/非ルーチン業務に分類すると、およそ以下のようになります。

2)業務の共有方法と課題、解決案
営業部門の業務
営業部門の業務の共有方法、及び共有するための課題、その解決案を整理すると以下のようになります。

(註) 映像による技術・ノウハウを共有化する取組み
・NECの技術継承支援システム http://www.nec.co.jp/solution/movsol/system02.html
・テプコシステムズのePower/K-SHOW http://www.tepsys.co.jp/service/k-show.html
・エムツーメディアの技術継承ビデオ制作 http://www.non-linearjp.com/ginou.html
3)ルーチン業務の共有
共有方法は、当然のことながら、技術・ノウハウを可視化して、共有するということになります。可視化の手段には、フローチャートやチェックリスト、映像化などがあります。以下のように、各社から作業を映像化するシステムが提供されています。同一の業務に初めて従事する人が、この可視化された技術・ノウハウを必要とします。先輩との簡単なOJTとセットで、技術・ノウハウ継承が容易に実施できます。
課題として挙げるとすると、可視化したノウハウが最新でないということでしょう。この解決策としては、ジョブローテーションなどで文書等を活用する頻度を増やすことくらいではないでしょうか。

4)事例1:ベストプラクティス選定
ある企業でやられていた事例をご紹介します。営業プロセスに従い、元ベテラン営業マンのノウハウを整理して、ベストプラクティス構築した上で、現役営業マンが活用しながら、ベストプラクティスを改善している事例です。

5)事例2:出し手と受け手の協力
短期間のOJTでノウハウを継承するには、ノウハウの出し手と受け手のそれぞれのモチベーションを如何に高めるかがポイントです。受け手は、自分がやらなければならないという当事者意識や目的意識を持つべきで、出し手は、受け手の実践をタイミングよくサポートして、受け手のモチベーションを維持させるべきです。

出し手と受け手がモチベーションを高めて、ノウハウを共有することが重要であることは分かっているが、出来ないのが実情ではないでしょうか。それを促す、以下のような仕掛けが必要なのではないでしょうか。

5.最後に
継続することの重要性
ここまで記述したことは、当り前のことかも知れませんが、これらをどれだけ徹底して行うか、あるいは継続的に行うかが技術・ノウハウの共有のポイントではないでしょうか。
例えば、ベストプラクティスのポイントをどれだけ抽出できたか、あるいは実践を通じて、どれだけポイントを見直したかが重要なのではないでしょうか。100%の技術・ノウハウが組織で共有されることが目的ではなく、組織で共有することが会社の業績向上に繋がるという文化を作り上げることを目的に掲げるべきではないかと思います。全ての技術・ノウハウが共有されなくても、共有する場を継続的に設けることが重要で、「継続は力なり」と思えてなりません。
野中郁次郎氏他が書かれた著書「知識創造企業」の中でも、個々人の体験・実践、及び知識(技術・ノウハウ)の共有の場の必要性を主張されています。
困ったときはここ!「 ビジネス解決の玉手箱」
http://www.jbc-con.co.jp/consulting/index.html
コンサルティングのお問い合わせ先:
bca@jbc-con.co.jp にお気軽にお問い合わせください
スポンサーサイト