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源流から攻める設計改革~「売れて儲かる」受注設計生産型製造業

1.はじめに

受注設計生産型製造業とは、工作機械や電子部品製造装置などの設備機械産業のように、個々のお客様の要求仕様に基づいて受注都度、製品の一部を個別設計したり、事前準備された派生品やオプションの中から選択して組み合わせたりして製品を実現して、お客様に提供するようなタイプの製造業です。ものづくり日本の技術を支え、日本の景気回復の鍵となる、非常に重要な産業です。

しかし、近年のお客様の要求の多様化に伴い、個別対応の幅、量が広がったため、

・お客様毎の仕様決定プロセス、タイミングが大きく異なる。また、変更も多く、社内の標準業務プロセスが確立しない
・お客様の生産設備を扱うため、納期要求が厳しく、遵守のために生産性およびコストは度外視せざるを得ない
・結果的に、膨大な在庫、仕掛を抱えて生産する

ため、「売れても儲からない」仕組みになっているのが実情です。

「売れて儲かる」ためには、お客様からの要望に対して、タイムリーな生産/調達計画を立案し、それを計画通りに遂行して、必要な製品やサービスを提供するような業務プロセスの構築が必要です。
ただし、業務プロセスを構築することはできても、お客様の要望が単一でない中でそれを遂行するのは大変なことです。
そのためには、会社全体での取り組みが必要となります。

今回は、売れて儲かる受注設計生産型製造業になるためのアプローチとして、お客様からの要求仕様への対応を行い、「儲けのカギを握る設計業務」のアプローチについて考えてみたいと思います。


2.目指すべき「売れて儲かる」受注設計生産型製造業とは

「受注設計生産型製造業だから・・・」という既成概念にとらわれず、会社全体で解決する問題として、製品構成のみならず、設計開発業務プロセス、原価企画、原価管理、生産現場や生産物流など、様々な領域からアプローチすることが必要です。本稿ではそのうち、受注設計型製造業の悩みから設計業務に関する取り組みについてご紹介します。

「売れて儲かる」受注設計生産型製造業


3.受注設計生産型製造業の悩み

お客様は、自身の製品の競争力を確保するために、製品仕様だけでなく詳細生産方式までを含めた変更を納品直前まで行っています。そのため、受注設計生産型製造業にとっては、業務プロセス全般に渡っての変更対応が必要となり、「売れても儲からない」仕組みとなっています。

「売れても儲からない」仕組み


4.「売れて儲かる」受注設計生産型製造業になるために

製品戦略の位置づけに合った製品提供プロセスを明確にして、それにあわせた業務の改革を行っていく必要があります。
収益を得る方法としてオペレーションの優位性追求と技術力の優位性追求があります。今回は前者について考えてみます。

「売れて儲かる」受注設計生産型製造業になるために
◆検討すべき業務プロセスは多岐に渡ります。その中で、今回は設計業務を中心とした取り組みついて説明します。


5.スピードとコストを考えた場合の設計の現状は

現状の設計業務は多様な顧客要求に対応する為に都度設計を行ってます。その結果、いつも同じモノでないためにスピードとコストを重視した製品供給が困難になります。そこで考えられる手段として都度設計を減らす活動が重要になります。

現状の製品提供プロセスの概要
次項では都度設計を減らす為に設計業務としてどのような取り組みが必要か説明します。


6.設計業務の取り組み

設計業務としての取り組みは製品戦略に基づく対象を明確にして、スピードとコストを重視した良いモノを繰り返し使える製品の設計が重要な考え方となります。

設計業務の取り組み

◆設計業務の取り組みはいずれも重要な役割を占めておりそれぞれの活動がリンクしています。本稿では標準化活動のポイントについて説明します。


7.標準化活動の概要① 標準化活動の目指すべき姿

市場やニーズに対して標準設計を行い都度設計領域を限りなく少なくすることにより製品を標準ユニットの組合せと若干の都度設計品を対応させる事ができます。活動の狙いを明確にして標準化活動を行うことにより短納期で安く、品質の確保された製品を顧客に提供することが出来ます。

目指すべき製品提供プロセスの概要


8.標準化活動の概要② 設計標準化活動の検討例

設計標準化活動のポイントは、市場に立脚した商品構成企画を基に迅速に幅広く対応出来る製品体系(ベース、オプション、アタッチメント、個別対応)を整理することです。さらに製品提供プロセス視点の検討等、多面的な活動を統合マネージメントすることが大切です。

設計標準化活動の検討例



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受注設計製品の標準化をどう進めるか

1.はじめに

受注設計製品は、商談を通して最終仕様を決めていくため、ほうっておくと個別設計の山になりがちです。この問題について、「どのように標準仕様を決めたらよいか」について考えてみたいと思います。

これには大きく3つのアプローチがあります:

1)準標準品を認定する
過去の設計実績から、モデルとなる図面と部品リストを準標準に「認定」する
新たな案件は、認定された実績から近いものを流用し「差分」設計を行う

2)標準部品を整備する
汎用性とライフを意識して、標準部品を選定する
新規設計部分において、標準部品の利用率を上げる

3)モジュール化率を向上させる
モジュールを開発して、標準製品におけるモジュールの構成割合を増やす

受注設計製品とはいっても、大半は核となる標準品の改造であることが多いのですが、問題は、その変更管理の方法です。はじめに、この問題への対応方法について考えます。
また、受注設計製品におけるモジュール化は、そもそもモジュールをどのように決めるのかが大きな課題です。3では、これに対する考え方の一例を示します。


2.受注設計製品の標準化が進まないわけ

受注設計製品の標準化が進まないわけ

上図にあるように、受注設計の案件では、たとえ過去に類似の事例があったとしても、担当する設計者が異なれば、実現方法も異なってしまうケースが多く見られます。
都度の設計を前提としているので、他人の蓄積から類似事例を検索・引用するよりは、自分でさっさと設計を始めてしまった方が、担当者本人としては楽だからです。
しかしこれを野放図にしておくと、設計者個人毎に「自分しか使えない蓄積」が構築されてしまい、部品や工程の標準化が進まないどころか、製品の品質まで、設計者毎にばらついてしまう、由々しき事態となります。
このような事態を避けるため、多くの企業では標準図を定めて、そこからの流用設計を促していますが、努力レベルで終わっているのが大半です。流用設計の結果はあくまでその場限りで、次からは再び標準図に立ち戻るやり方では、設計者自身にメリットが感じられないからです。


3.個別の設計結果も再活用する

そこで、これでは設計者の個人蓄積になっていた個別の設計結果を、組織として再活用することを考えてみてはどうでしょうか。
それには過去の設計結果を、①手配実績(取引先・価格・納期)とセットで蓄積し、②営業担当者にも公開することがミソです。
受注設計製品では、出図後の部材手配が、全体の納期や品質に大きく影響しますが、一度でも手配実績のあるものは、価格・納期の見積を立てやすく、取引先との交渉も楽です。QCD全てに良いことは営業担当者にもわかりますから、類似受注・リピートを意識した受注活動が進むようになります。設計担当者にしても、価格と品質が最初から読めるのはありがたく、引用元との差分に留意しておけば、取引先との打合せを含め、設計時間の短縮を期待できます。

個別の設計結果の再活用


4.関連する実績を紐づけて蓄積する

受注設計の結果は、商談情報を営業、図面や仕様明細を設計、調達価格を調達と、バラバラで蓄積されていることが多いと思います。その際、営業と設計以降との管理番号体系が異なるのはよくある話ですが、問題は、相互に直接参照する術が殆ど用意されていないということです。
相互参照を可能にするには、蓄積の際に共通のコードを振っておく必要があります。
その上で営業担当者が共通コードを意識し、今回商談との要件差異の形で設計に伝える、この商談サイクルを繰り返すことによって、本当に再利用の進む蓄積が行われます。

関連する実績を紐づけて蓄積する


5.通常構造とモジュール構造との違い

通常の製品は、「型式 =基本部分+オプション」の標準構造を取り、①型式の決定→②オプション選択、の順で仕様が決定されます。
この場合、顧客要件の違いはオプションでしか吸収できませんから、その範囲で対応し切れない場合は、近い型式を選んで改造することになります。その場合、たとえ改造箇所が一部であったとしても、製品全体のアライメントを取る必要が生じ、これが設計者の大きな負担になります。更に改造は、設計者の独自仕様に陥りがちなため、部材の手配も、製作工程も個別対応になってしまいます。
通常構造

モジュール構造を持つ製品は、「ベース部位(不変)+モジュール部位(選択)+都度設計部位」の構造を取ります。
すなわち、型式のみで製品の機能構成が決まるわけではなく、モジュールの組合せによって、同じ製品でありながら、機能と構成が大きく変わります。
またモジュール構造の特徴として、組合せの結果が所定の性能品質を得られるよう、プラットフォームという共通のインタフェースルールを設定します。このルールに従う限り、モジュールの独立性が保証されるので、新たに追加する場合も、他の部位とアライメントを取る必要はありません。
ベース部位とモジュールは標準化されているため、これらについて規模の経済が追求できることは、言うまでもありません。
モジュール構造


6.受注設計製品におけるモジュールの決め方

モジュール型構造を持つ製品は、パソコンなどの見込生産品に多く、これらは開発段階で演繹的にモジュールが設計されています。
それに対し、受注設計製品では、過去の設計結果を分析して、帰納的にモジュールを決めるのがよいと思われます。
ある部位に着目して、個々の設計の起点である、顧客の要求仕様を横軸に、個別の設計により実現した機能を縦軸に取ると、左上図大小の円プロット(実際には不定形)のようになります。
また要求仕様の出現頻度を縦軸に取ると、充分なサンプル数下においては左下図のようになります。
そこで
 
1)出現頻度を元に、モジュール化の仕様範囲を決める
2)その範囲を幾つのレンジで区切るかを決める
3)区切ったレンジ毎に個別のモジュールとする

の順序で検討を行うことにより、受注設計製品においても、モジュールを決めることができます。
※なおこの方法では、最初に対象部位を決めてから、検討を始めています。すなわち、この部位と他とのインタフェースを変更しないことが前提であり、これがプラットフォーム定義になっています。

受注設計製品におけるモジュールの決め方


7.モジュール展開レベルを求める

特定の部位に着目すると言いますが、実際にはモジュールを展開する製品構造のレベルを、どのように求めたらよいのでしょうか。

一つの例をご紹介します:

1)対象の製品を選んで、VE(Value Engineering)手法を用いて、製品の機能体系に展開します。これと製品構造とを対比させて、左図のような「機能-構造図」を作成します。

2)通常、機能と構造とは「多対多」の関係になりますが、これを「機能が1なのに対し、構造が多または1」となる、機能がこれ以降変化しないレベルまで、機能と構造のそれぞれについて展開をしていきます。

3)もはや機能が変化しないのに、構造を変化させても意味はありません。機能の変化が無くなる箇所に対応する、製品構造のレベルを見つけ出し、これをモジュール展開を行うレベルと定めます。

4)このレベルにおいて、機能の変化に応じたバリエーションを持てば、代替モジュールとなります。

モジュール展開レベル


8.モジュールバリエーションの整理

モジュールバリエーションの整理
モジュールのバリエーション展開は、どのように考えたらよいでしょうか。
顧客の要件は、機能に関するものであったり、方式や作動条件に関するものであったりするので、これが区別できるレベルまで、製品の機能展開を行っておきます。
その上で、製品の機能と構造を対比させた上で、過去の設計実績から「同じ機能/方式/動作条件でありながら、構造・材質・形状が異なる」ものをカウントしてみると

1)①の部品は、明らかにバラエティが多過ぎるので、この整理が考えられます。
2)同じ機能を構成する部品②③は、もともと同じユニットに付いているので、この統合が考えられます。


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受注設計生産型製造業における改革方向

はじめに - 受注設計生産型製造業の課題

受注設計生産型商品は、一般的に標準部と顧客要望に対応した都度設計対応部の混在したユニット構成となっています。しかし企業によっては、都度対応の範囲の違いや、その規定さえも不明確なままで設計者任せになっている企業もあります。このような受注対応をどれだけきちんと管理するかで、儲けが大きく変わります。一般的な問題点を羅列してみると以下のような共通した問題を抱えています。

1.顧客ニーズ対応を重視することにより、プロジェクト毎の管理になってしまい、プロジェクト間のつながりが弱く、標準化が遅れがちになる。プロジェクト毎、セイバン毎の管理のために、個別最適の追求活動になりがちである。

⇒標準化が進まなく、購買、生産における量の拡大によるモノコストの追求が弱い。
⇒設計負荷集中による設計効率向上ができず、設計品質問題等の問題が発生する。
⇒サービス部品等の集約化が出来づらい。

2.過去実績を有効活用できず、またコストテーブル等の整備が間に合わないため、見積精度が低く、利益管理が弱くなりがちである。全ての活動が終わらないと、損益が確定しない。

3.設計と並行する原価管理活動(目標実行予算管理)がしづらい。過去実績をそのまま使用できないため、見積期間、見積精度が向上しない。

⇒受注競争力の向上が進まない。
⇒継続的なコストダウンが出来づらい。

4.設計計画が不十分で、設計者の負荷管理、納期管理が出来ない。また品質面の管理が不十分になると、成果自体が見えなくなる。

これらの問題に対しては、まず基本的な考え方を明確にし、その上で個別判断、対応が出来るようにすべきです。
基本的考え方をより具体的に述べたいと思います。


1.事業遂行上の立脚点

1.事業として大きな成果を得ることを目指して、もの・プロセス・情報を対象に、競合優位性向上と社内業務効率化を目指した標準化の姿を明確にするとともに、総合力発揮ができるように業務プロセスの連携・強化が大切です。組織はえてして個別最適を追求しがちであり、組織間に負の力として発生してしまわないように配慮すべきです。

2.製造業は技術の強みを持って顧客満足と競合優位性を確保しています。ただ受注設計型企業には、「度が過ぎる」ことが多く、「自社は顧客の言う通り設計したことで顧客満足を得ている」と発言される企業が多く見受けられます。その結果、技術の先進性の追求ではなく、個別対応技術(付加価値の低い作業の増大)が多くなり、利益が出しずらくなっている場合があります。  顧客対応を考えた標準化は、先回りして顧客の活用企画を行なって、必要な種類の標準品に盛り込むことと定義すべきでしょう。

3.製品開発の採算性管理を考えた標準化企画が行なわれないと投資回収が出来なくなります。受注設計型企業では、回収機会が少ないため、特に意識して投資回収評価を基本にした新商品開発、個別対応、ライフサイクルマネージメントが重要になります。

4.標準化が遅れたままでCADやPDMの導入をしても大きな成果は出せません。この当たり前のことがおろそかになっている企業が多く、ITに対し、「魔法の杖」的な期待が強すぎる企業もあります。商品モデル、技術モデル、業務モデル、ITモデルのバランスこそが重要です。

5.「様々な投資をしたが利益につながらない等々」多くの悩みがあるが、それらは一言で言うと「マネージメントの責任」である。マネージメントとは利益を出すための機能である。上記の観点を配慮した活動企画が重要です。

事業遂行上の立脚点


2.受注設計型企業における付加価値創出業務とは、顧客の立場で企画すること

受注設計生産型製造業が顧客も自社もすり合わせ型になるのは、各々の業務プロセスに起因します。
顧客は主として生産技術部門であり、その先のユーザの要望対応を行い、設備メーカーはその顧客の要望に対応して行くプロセスであるからです。受身的な対応をしている限りは、すり合わせが限りなく広がります。

設備ユーザーは、新工場建設やライン増設等の際に、自社の製品仕様を基本に、いくらでどのように製造するかの個別検討を行う。これはその製造業の生産技術部門中心で企画される。その中で、図の右のように生産プロセス、作業方法、物流方法、情報システムとのかかわりとバランスを持って、必要な設備に対する機能。条件を設定していく。
これが発注仕様書として設備メーカにーに引合として示される。これを受けた段階では、企画が終っており標準を提案するには遅すぎる。
これを解決するには、早い段階で情報を得て、ユーザー検討に入ることが望まれる。また事前にユーザーが標準カタログ等を前提に企画してくれるような事前の提案を行なう必要がる。
残念ながらそのタイミングを逸した場合は、逆提案の形で提案することになる。これは技術、価格的な優位性を必要とする。
このような営業は、ユーザーの生産技術者の絶大な信頼を得る技術レベルを必要とし、受身型の営業ではなく、技術力をもった営業であるべきで、コンサルティングセールスとは、このような営業スタイルをいいます。受注設計型で儲けるには、このように業務の役割が大きく変わると認識すべきです。

受注設計型企業における付加価値創出業務


3.標準化の追求を市場、商品、製品、購買、生産、営業を通して実施する

受注設計生産型製造業で事前の準備を怠ると、迅速な顧客対応が出来ません。事前準備とは、市場を基本に営業体制、商品体制を整備し、それを効率よく対応する製品体系を用意することです。さらに購買、生産のSCM対応も考えた事前準備を行なうことです。

標準化の追求を市場、商品、製品、購買、生産、営業を通して実施する

市場からみて準備するものと、購買・生産から準備していくものの双方からの整備ができれば、受注対応を迅速に行なうことが出来ます。よくみる失敗は、片方からのみの検討で満足している場合であり、そのときには何らかの問題を発生しています。このように見ると複数の部門をまたがった、モデルの姿であり、そのために部門間をまたがった部品表のあり方が重要となり、部品表を核にして、この管理を行なうのが部門間協業を実現する方法です。
この例では、固定部と変動部を明確にし、オプション部と受注対応部で幅広い対応を可能にすることを目指しています。
このように事前に準備したものを、受注の都度認識し、大きく外れないようにしながら、受注対応を行なうのが良いでしょう。
またこの受注対応方法は、営業のメンバーが認識しておき、お客様の接点での対応方法まで整備しておくべきです。


4.事業全体を支える部品表整備で、全部門にメリットを出させる

受注に対して、事前に準備した部品表に連携して、設計管理と購買・生産活動をコンカレントに実施し、迅速に生産につなげる活動が求められます。部品表は生産管理のためだけではなく、商品企画や設計管理さらにコンカレントのために整備すると定義し、全部門の参加を義務付け、かつ全部門に有効になるように作りこむべきです。

事業全体を支える部品表整備で、全部門にメリットを出させる

受注設計型製造業では、受注の都度設計し部品表を整備する業界です。従って速く、効率よく部品表を整備することが重要です。設計・設計管理・技術管理・見積・コスト管理・購買管理・生産準備等を並行して作るしくみを整備すべきです。
これを迅速に整備できるように部品表に様々な情報をリンクさせて準備しておくことが必要になります。その上で営業活動と対応して部品表を迅速につくり、それに沿って各業務をコンカレントにできるようにマネージメントすべきです。
まとめると設計段階から部品表を整備し、それを迅速に生産部品表へつなげ、発注、生産、納期管理、出荷につなぐこと。さらにアフターサービスの部品表までつなげ、設置済み設備の部品表としての整備も出来るようにすると部品表を核にした部門間連携が実現できます。
部品表整備とは、このような全体のビジネスに関わるプロセスとの関係で整備すべきです。


5.受注設計型企業での原価低減活動は、既存業務にコスト要素を盛り込む

原価の設定部門、発生部門を巻き込んだ活動とし、全員がコストを基準に業務を行なえるようにすることが受注設計生産型企業の原価管理の姿です。(活動と原価管理のしくみへの配慮)

受注設計型企業での原価低減活動

受注設計型製造業での原価管理は、全ての業務プロセスでの原価管理が必要です。開発とコストダウンを切り離しては実施できないため、設計の際、調達・生産の準備の段階で、目標原価の実現を果たさなければなりません。よって通常の業務機能に加えて、常にコストの管理が出来るようにすべきで、全てのメンバーが、コスト見積、コスト評価ができることが最低限望まれます。その上で、幅広い情報を収集、発想して、世界一の原価の実現への挑戦が必要になります。原価管理とは、そのような各部門の活動とリンクしつつ目標原価設定、進捗管理、各種原価低減支援を行ないつつ、結果を出す部門です。組織的には、部門間を貫く串刺し機能を持ちます。別の言い方をするとプロジェクト的な意味合いを持った部門であり、部門長への強権を持たなければ出来ない部門です。原価管理部門を中心にしてトータル原価管理を実現していきましょう。


6. 受注設計型企業での利益確保は準備、営業段階から始まる

個別顧客対応の際には、事前に標準モデルを準備し、それを基本に営業用資料を整備し、提案型営業へ移行し、標準モデルをベースに、顧客要件を把握し、提案書を速く、精度良く作成し、受注に結びつける連携と迅速なマネージメントが重要です。

受注設計型企業での利益確保は準備、営業段階から始まる

受注設計型製造業では、事前に準備した情報で、ターゲットの市場への提案が出来なければならなりません。説得営業です。その段階で、設計上の必要な条件を早く決めてくる機能が求められます。
その条件を決めるためにも、個別対応要望に対する設計としての対応性と見積の迅速化が求められます。
仕様が決まれば、流用範囲と新規設計範囲を明確化し、設計管理を行い納期どおり設計を完了させます。
並行して調達、生産準備を行い、納期どおり製品を納める。トータルのマネージメントを成功させるために、プロジェクト管理も必要になります。

日本の受注設計型製造業では、技術の強みが盛んに言われますが、管理力の強みも世界に冠たるものがあります。ただあまりにも複雑なものが多く、個人の技に依存する領域もおおくなり、儲かりずらい代表選手になっています。その改革の切り口は、全体最適、一気通貫であり、方針に沿った組織総合力の発揮であります。「理屈は分るが難しい」のも事実で、それだけ少しづつの意識の統一、しくみの整備、実践活動こそが成果につながります。
そのための一助になれればと考えております。



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標準化の観方&考え方

1.標準化の概念

「標準化(standardization)」を辞書で引くと

①標準に合わせること、または近づくこと
②工業製品などの質・形状・大きさなどについて標準を設け、それに従って統一すること

とあります。

そもそも「標準」とは何か。これも一見分かっているようで、人に聞かれると明確に定義しにくいものです。私は「標準」というのは、「今まで確立されたやり方の中で、一番良いもの」というくらいに理解しています。一般に、「標準作業」とか「標準仕様」「標準時間」という形で使われたとき、いろいろやり方がある中で、一番「平均的」「多く出現する」ものという受け止め方が多いと思いますが、これは誤った解釈だと考えます。たとえば「標準作業」というのは、一つのものを作るプロセスの各々の作業で、いろいろな手順や行動・動作の違ったやり方がありますが、その中で一番理にかなった良いやり方という意味です。標準時間は、そういうやり方で作業をし、ものを作ったり、何かアウトプットを産出する時の一番少ない時間(当然、それなりのアウトプット水準を満たしていることが大前提)のことです。標準仕様も、その製品の顧客要求を満たし、かつ最も合理的に考えて設定された仕様のことをいいます。
換言すると、「標準」とは「名人の技」を言い、「標準化」とは「標準」に合わせる、近づけることと定義できます。「標準化」は工場生産のもの作りの基本コンセプトの一つでもあり、事業活動においては、極めてプリミティブな概念であって、収益を生み出す原動力の一つといえます。


2.標準化の目的・狙い

標準化の目的(狙い)は、「品質の安定したものを、短い納期で安く供給する(QCDの確保)」ことにつきます。
この目的(狙い)が実現するメカニズムは、以下の図表の如くです。

ものの標準化の目的の体系図

前述では、「もの作り」における「標準化」の目的(狙い)ですが、「業務」「プロセス」においても(人の行動、事業活動)においても、まったくそのメカニズムは同じです。

業務・プロセスの標準化の目的の体系図

ここで注意すべきは「環境変化」です。ビジネス環境は常に変化しています。これにより顧客の要求が変われば仕事の仕方も変えないと、要求に応えられませんし、仕事を取り巻くその他の要件(技術の進捗、サプライヤ市場、人材市場、法規制 etc.)が変われば、変化を余儀なくされます。定期的にチェックし、必要に応じ標準を変えていくことが必要です。これは「もの作り」でも「業務プロセス」でも同じです。


3.標準化を検討する単位

「もの作り」(モノ)も「業務・プロセス」(こと)も、それぞれに構造を持っています。標準化を考える「対象」を丸ごと標準化検討できれば、これが一番効果が大きい訳ですが、なかなかそうもいきません。
「対象」は一般的に「構造」を持っており、その構造要素の中で、他の与件が変わってもあまり影響を受けない部分と、敏感に影響を受ける「部分」があります。これらを見分けて、標準化を検討することが肝要です。
「もの」については、(参考1)に示すように、「市場」「製品」「製品構造」の3つの「ディメンション」での関係を検討してみると、どの単位で検討すべきかのヒントが得られます。
「こと(業務)(プロセス)」については、「もの」のように構造でつかまえにくい対象ですが、「サプライチェーン協議会(SCC)が提唱している業務プロセス記述ツール「SCOR」を使って業務プロセスを記述すれば、構造的表現が可能です。なぜなら「SCOR」は「レベル1」「レベル2」「レベル3」「レベル4」のように、業務の固まりを「大きなくくり」「中くらいのくくり」「細かいくくり」と階層性を持たせて記述するツールです。((参考2)参照)
業務の場合は、業種・業態(事業特性)や、企業の文化・慣習によっても業務の内容・手順やルールが変わり、個人差もあるため、「大きなくくり」レベルで標準化するのはまずないと思います。JBCでは、業種・業態毎の「レベル3」までの「業務テンプレート」を過去のコンサル経験から整備しておりますが、「システム化」「ツール化」の対象は「レベル3、4」以降が対象となるのが一般的です。


(参考1)標準化を検討する単位(もの編)

標準化を検討する単位(もの編)


(参考2)SCORの構成

SCORの構成


4.標準化を検討する考え方

■標準化を検討する考え方は以下のように整理できます。
(基本)標準化 = あるやり方(業務)、技術・仕様に統一・集約すること

標準化を検討する考え方


5.整理・まとめ・標準開発に使える手法

標準化・共通化を推し進める際の固有の手法はありません
    ↓
既存のCD手法(VE ⇒ 製品のCD手法)等をアレンジして活用することで活動効率を向上させる/標準化原資を発見しうることができます

ここでは「モノ」についての手法の例を紹介します。

ものの標準化のための手法一覧


6.標準化を成功させる要件

モノもプロセスもできるだけ標準化して事業のプロセス上に乗せることによって、効果の最大化を狙うスタンスが事業活動の基本となります。そのためには、標準と決めた製品を標準プロセスによって、予定通りの効果を得るように活動するべきであり、もし標準が予定通りに機能しないならば、機能するように標準そのものを修正することとし、標準を中心とするスタンスを崩さないことが重要です。

標準化を実現するための考え方


7.製品/モジュール/部品の標準化(取組の手順)【モノの標準化】

ものの標準化の範囲と取組み手順


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Author:日本ビジネスクリエイト
経営改革、業務改革、現場改革、システム実現支援などの総合的なコンサルティングを提供しています。特に製造業の現場に精通したコンサルティングに強みを持ち、SCM/CVM領域でのパイオニアとして認知され、また公益事業向けコンサルティングにおいても実績があります。

経営コンサルティング企業として、日本におけるSCM改革をリーディングしております。
また最近では、「X-Chain Mangement(エックスチェーンマネジメント)」という新しい経営手法を開発して、お客様の事業の成功に貢献しております。

【ホームページ】: http://www.jbc-con.co.jp/

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