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サプライヤと付き合う理由を再点検しよう【6連載:その6(最終回)】

■最後に

これまで、工事の調達における、地元企業の優位性を説明しましたが、国土交通省も公共事業において地元企業を重視した契約方式「地域維持型契約方式」を提唱しています。
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地域維持型契約方式の導入について
http://www.mlit.go.jp/common/000171606.pdf

地域維持型契約方式の活用に向けて
http://www.mlit.go.jp/common/000170061.pdf

「地域社会の維持に不可欠な最低限の維持管理等が将来にわたって持続的に行われるようにするために、入札制度においても地域建設企業の確保に資する工夫が必要」との認識から始まっています。
具体的な施策としては、複数の業務の一括契約、あるいは複数年契約が挙げられています。
サプライヤの形態に関しても、個々の企業ではなく、複数の地元企業が集まった建設共同企業体(JV)などを推奨しています。
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日本国内の少子高齢化、そしてグローバル競争化に伴い、日本国内の公共事業を始めとする建設・施工業界も変化を求められています。発注者もこのような環境の変化を考慮しながら、「高品質・低価格・短納期でモノや工事を調達するために、どんな手を打つべきか」をサプライヤと一緒に真剣に考えるべきときが来たのではないでしょうか。

(おわり)

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サプライヤと付き合う理由を再点検しよう【6連載:その5】

■調達戦略の立案のポイント

これまで、モノの調達戦略と工事の調達戦略の一例を説明してきました。どんな調達戦略を立てるかも重要ですが、どのように調達戦略を立案するかも、負けず劣らず重要ではないかと考えます。
筆者は技術部門と調達部門が顔を付き合わせて、トコトン目指すべき調達戦略を議論すること、それぞれ見方の異なる2部門が議論することが戦略立案時に重要と考えます。
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技術部門は、モノ品質・工事品質・サプライヤの技術力などの観点を中心に、サプライヤを評価します。一方、調達部門は、コスト・納期を中心に、サプライヤを評価します。
それぞれ見方の異なる2部門が議論するからこそ、全体最適解が発見できるのではないでしょうか。

ところで、技術部門と調達部門が共同で評価すべき観点もあります。例えば、調達の安定性です。
品質面・技術面から安定性を技術部門は気にしていますし、コスト面から安定性を調達部門は気にしています。
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前出の工事の調達の考察では、まさしく調達の安定性を重要視しています。地元企業への継続的な発注で品質の安定性を、負荷の平準化や複数年契約などで、コストの安定性を狙っています。これらの安定性のバランスを取るをためにも、技術部門と調達部門の協力体制はなくてはならないと言えるのではないでしょうか。
調達戦略を立案するときに、評価指標を設定することも重要です。議論して設定した調達戦略が実際に有効に機能しているかを定期的に測定しないと、適切なタイミングで、適切な手を打つことができません。それは結果として、調達が絵に書いた餅になってしまうことを意味します。
調達戦略を立案したことで安心することなく、その実効性を常に監視することで、確実に経営効率化に貢献することをお奨めします。

<調達戦略立案のポイント>
◆技術部門と調達部門が一緒になって、事業戦略に基づきながら、目指す調達戦略を議論する。
◆技術部門と調達部門が共同で評価すべき観点も盛り込む。
◆調達戦略の実効性を、評価指標の設定と測定で、常に監視する。

(次回へ続きます。お楽しみに!)

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サプライヤと付き合う理由を再点検しよう【6連載:その4】

それでは、次に重要な視点はなんでしょうか。過去のコンサル経験から筆者はアフターサービス対応ではないかと思います。なぜならば、モノと異なり、設備・建物等は移動させられない上に、トラブル復旧を迅速に行うことを要求されること多いからです。
緊急対応のサービスを提供できるサプライヤを選んでいないと、トラブル発生時に、大きなロスコストや販売機会損失が発生してしまいます。
迅速なトラブル復旧という条件を設定したとして、どのような企業に発注すればよいのでしょうか。設備・建物等の近くに拠点を構えている地元企業ではないでしょうか。
地元企業に継続的に定期メンテナンスも発注すれば、設備等の特徴も熟知してもらえて、「品質」という価値も獲得できます。このように、地元企業は「品質」と「アフターサービス対応」の両方を提供できる位置にいます。従って、発注者からすれば信頼関係を維持すべきサプライヤであることが分かります。
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ここまでは、価格以外に焦点を当てて、工事会社を選定することをご紹介してきました。
しかし、企業が存続するためには利益を確保する必要が有り、そのためには工事のコストダウンも追求する必要があります。それでは、工事コストダウンはどのように考えればよいのでしょうか。
コストはサプライヤ選定の視点と捉えるよりは、サプライヤが決定した後に、そのサプライヤと一緒になって低減すべきものとして捉える方が良いように思います。以下では、具体的にどうやって低減するかをご紹介します。

コストダウンの効果的な方法の一つが、負荷の平準化を考慮した調達計画です。なぜならば、工事コストが増加してしまう要因として、大きいのが次の2つだからです。

●繁忙期に、保有工数以上の工事を受注し、外部から賃金の高い作業員を調達することによるコスト増(原価損)
●閑散期にも、社員に報酬を支給できるように、1人あたりの工賃単価増(稼働損)

負荷の平準化により、上記の増加要因を抑制することができます。
更に、サプライヤ1社あたりの工事量を増加させたり、複数年契約にしたりすることで、更なるコスト低減も見えてきます。
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<工事の調達のポイント>
◆工事の調達の重要視点:品質とアフターサービス対応(迅速なトラブル対応等)
⇒設備・建物等の近くに拠点を構えている地元企業が有利である
◆工事のコストダウンは、サプライヤ決定後に、負荷の平準化を考慮した調達計画にすることで達成する

(次回へ続きます。お楽しみに!)

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サプライヤと付き合う理由を再点検しよう【6連載:その3】

■工事・メンテナンス作業の調達における調達戦略

前回の事例では、モノの調達を対象にしていましたが、ここでは工事やメンテナンス作業などの労務の調達を対象にしたいと思います。具体的には、以下のようなものが考えられます。
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○生産設備をお客さまの工場に設置する工事の調達
○社会インフラや建物などの建設工事の調達
○設備・社会インフラ・建物のメンテナンス作業の調達

労務の調達とモノの調達を比較すると、以下のような違いを見出すことができます。

●モノの生産はサプライヤの工場になるが、工事は発注者の指定した場所になる。
●モノの場合は毎回ほぼ同じ仕様であるが、工事の場合は毎回異なる。
●モノの品質は安定化できるが、工事の場合はその時の作業者に品質が依存する。

このような違いに伴い、モノと工事では調達の考え方が異なります。
モノの調達では、品質が安定していることもあり、選定の最重要視点はやはりコストでしょう。
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一方、工事の調達では、最重要視点は品質ということが多いようです。ここで言う「品質」の中には、過去の経験から工事のポイントを熟知していることや、少ない指示内容でも高品質を提供できること、などの要素も含めており、そのような観点からサプライヤを選定しています。

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サプライヤと付き合う理由を再点検しよう【6連載:その2】

■調達戦略におけるトヨタ自動車と日産自動車の違い

まず、コストを重視した調達戦略とコスト以外を重視した調達戦略の違いを自動車業界の事例でみてみましょう。
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日産自動車は、カルロス・ゴーン社長の下、経営再建の第1段階として、これまでのサプライヤとのしがらみを断ち切り、「競争原理」を導入することで、調達コストを削減しました。このケースでは、「価格が低いこと」がサプライヤ選定の大きな基準です。
一方、トヨタ自動車は、ケイレツという体制を組んで「協調的なカイゼン」という視点でサプライヤを選定しています。このケースでは、価格ではなく、「カイゼンに協力的であるかどうか」という観点がサプライヤ選定の一番の基準になっています。

上記の2つの調達戦略には、それぞれメリット・デメリットがあり、どちらがいい悪いではないと思います。そのときの経営環境に応じて、取るべき戦略を適切に選択することこそがポイントではないでしょうか。
実際に、日産自動車も事業環境の変化に伴い、価格一辺倒の基準から、協調性も含めた基準に変化してきているようです。

ちなみに、メリット・デメリットを整理すると以下のようになるのではないでしょうか。これらを踏まえて、適切な調達戦略を取られることをお奨めします。
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◆競争原理のメリット・デメリット
<メリット> コストダウンの即効性が高い。
<デメリット> 継続性に乏しい(ある価格から下がらない、サプライヤが疲弊する)
※なお、競争対象の企業が多いことが前提となっている。

◆協調的カイゼンのメリット・デメリット
<メリット> 継続的なコストダウンが期待できる。コスト以外の価値も享受できる。
<デメリット> コストダウンの即効性が低い。
※なお、サプライヤのコストダウンを自社の売上拡大で補うことが前提となっている。

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経営改革、業務改革、現場改革、システム実現支援などの総合的なコンサルティングを提供しています。特に製造業の現場に精通したコンサルティングに強みを持ち、SCM/CVM領域でのパイオニアとして認知され、また公益事業向けコンサルティングにおいても実績があります。

経営コンサルティング企業として、日本におけるSCM改革をリーディングしております。
また最近では、「X-Chain Mangement(エックスチェーンマネジメント)」という新しい経営手法を開発して、お客様の事業の成功に貢献しております。

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