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新付加価値創出による生き残り戦略とは~ロジスティクス主導の新ビジネスモデル(最終回)

■環境負荷の低減および荷主の売上拡大のための静脈物流の事例(事例4)

静脈物流で「商品を運ぶ目的」を作っている事例をもう一つご紹介致します。これはアイリスオーヤマとDHLサプライチェーンが共同で構築したLED照明に関する物流事例です。
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工場や商業施設など法人へLED照明を導入する際、使用していた蛍光灯の再資源化が不透明な状況でした。そこで、DHLサプライチェーンがコントロールタワーとなり、LED照明の販売物流から蛍光灯の回収、リサイクル後の原料輸送までを繋げた物流を確立しました。「蛍光灯を運ぶ目的」は消費者である法人の環境負荷低減活動への貢献です。しかも、これは環境意識の高い法人の購買意欲を刺激し、「LED照明を運ぶ目的」も作っています。静脈物流が売上を増大させている事例と言えます。

■総括

ここまで、「商品を運ぶ目的」を作るというテーマで、物流業界を生き残るための「新付加価値サービス」の事例をご紹介しました。今回の事例では、物流増大の機会がサプライチェーンの下流にありましたが、上流にも存在します。例えば、高齢化問題を抱える農業の物流です。農家の減少は運ぶ商品の減少に繋がり、その打開策として、物流企業が農業に参入する事例が全国各地で増えています。また、物流と表裏一体である商流に着目して、物流・商流一体サービスなども生き残り戦略の一つです。卸業や商社が中抜きされる中で失われつつある商流サービスの提供は、物流企業にとってのチャンスです。更に検討対象を拡大して、荷主からみた新市場創造への貢献まで視野に入れると、物流企業の貢献の可能性は格段に広がります。
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荷主以外にも、荷主の顧客や小売業などサプライチェーンに関与するあらゆる企業のニーズを常に把握し、それらを「ロジスティクス視点で繋ぐ」と言う発想が重要です。その発想が物流企業を主導的な立場に導き、ひいては物流業界の生き残りへと繋がると考えます。

(おわり)

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新付加価値創出による生き残り戦略とは~ロジスティクス主導の新ビジネスモデル(その3)

前回までは、物流企業の役割が荷主と荷主の顧客を物流で繋ぐことで、それを基盤に、「荷主のビジネス成功の為に何ができるか」という積極的な発想が重要であることを述べ、「商品を運ぶ目的」を物流企業自らが作った事例として、フットワークのカタログ販売をご紹介致しました。

■ロジスティクス主導のニーズとシーズのマッチング事例②(事例2)

今回最初の事例もフットワークと同様に販売・販路開拓の観点を持ち、「商品を運ぶ目的」を自ら作っている事例です。「農産物・海産物と、それを欲する小売業のマッチング」に強い思いを持って、三重県内に物流ネットワークを張り巡らした大王運輸の「たべねっとみえ」という取組みです。
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発端は、百五銀行と百五経済研究所が2012年に開始した「流通トライアル事業」で、大王運輸が単独で引き継ぎ、現在に至っています。同社が構築した地産地消ネットワークの特徴は毛細血管のようなきめ細かさで、販路や物流に困っている小規模生産者や購入量の少ない小規模飲食店も対象にしている点です。ロジスティクス視点で主体的に関与し、県内企業の事業拡大や地域経済の活性化に貢献したいという同社の思いが読み取れます。それが「商品を運ぶ目的」を作ることに繋がっている事例です。

■物流企業が構築し、全体管理している循環物流の事例(事例3)

次に廃棄物に着目して、「商品を運ぶ目的」を作ることを考えてみます。リサイクル事業の中で物流企業は「廃棄物の回収」という役割を担います。リサイクル工場は、廃棄物を受け取って始めて稼働でき、廃棄物の回収量が工場の稼働率に直結します。「運ぶ目的」は工場の稼働率向上と言えます。廃棄物物流が興味深いのは、リサイクル工場で生産した製品を帰り便で運ぶチャンスが存在する点です。廃棄物の回収量の増大に伴い、帰り便の物量も増大する物流です。
この事例として、ジェイアール西日本マルニックスが実現した再生紙に関する循環物流があります。
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JR西日本から出た中吊り広告やパンフレットなどの古紙を回収して、リサイクル工場に届け、その足で古紙と等価な重量の再生トイレットペーパーをJR西日本の事務所に持ち帰る循環物流です。これまで廃棄物を届けるリサイクル工場と再生トイレットペーパーを購入する会社は異なっていました。同社はそれを一体化して、循環型に再構築したのです。これは、工場を稼働させたいリサイクルエ場の思いと、古紙の市場価格によりトイレットペーパーの調達価格が変動する環境下で、古紙を安定に供給して安定した価格で再生トイレットペーパーを調達したいJR西日本の思いを繋げた事例と解釈できます。「行きの目的」と「帰りの目的」を繋いで循環物流化した事例です。同社は循環物流の全体管理も行っており、物流全体の主導権を握っています。日々の運行管理を行いながら、大阪エリアから山陽エリアへの拡大、即ち「運ぶ目的」の拡大にも取組まれています。

(次回へ続きます。お楽しみに!)

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本年のブログ更新は今回で終了です。ご愛読いただきまして、どうもありがとうございました。
来年も変わらずご愛読いただきますようよろしくお願いいたします。
それでは、どうぞ良いお年をお迎えください!


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新付加価値創出による生き残り戦略とは~ロジスティクス主導の新ビジネスモデル(その2)

■サービスビジネスのポイント

最初にご紹介する事例は、神姫バスによる「バスの八百屋」と言う取組みです。物流企業ではありませんが、物流企業同様、サービス提供を生業とする同社がこの取組みに至った着想は参考になります。「バスの八百屋」とは、バス路線の中核拠点である姫路駅に農産物の直売所を設置し、近隣の農家さんにバスに乗ってそこまで農産物を運んでもらおうという取組みです。
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このビジネスのポイントは2つです。①多くの人が集まる場所である姫路駅で販売を行うことと、②直売所での販売を農家さん自身とルール化することで、農家さんがバスに乗る目的を作っていること、です。
人であれ商品であれ、移動が目的になることはなく、移動した先に目的があります。物流企業も荷主の商品を運ぶ目的を作ることができれば、物流が発生し、売上高が増大することを、この取組みは教えてくれています。

■ロジスティクス主導のニーズとシーズのマッチング事例①(事例1)

それでは、「商品を運ぶ目的」をどのように作ればよいのでしょうか。
商品の流れは、エンドユーザーである住民の購買行動が起点です。店頭在庫が減ると、小売業は補充のために商品を仕入れます。商品補充という目的の結果、物流が発生します。当たり前のこの流れには、物流企業の積極的な意思や行動は存在しません。しかし、物流企業自身が販売を行ったらどうでしょう。売れ行きに応じて、商品補充が発生し、「商品を運ぶ目的」を自ら作ることができます。
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かつて、フットワークが産地直送「うまいもの便」という名称で、地域の特産品をカタログ販売していたのが、この事例にあたります。当時、夕張メロンは物流がネックで全国流通していませんでした。同社が物流企業のノウハウを駆使して、全国物流網を構築し、全国に流通しました。同社が素晴らしい点は販売まで自社に取り込み、販売商品を増やしながら、物流の売上高も拡大していったところです。このビジネスの成功には、企業と企業を物流で繋ぐと言う役割を基盤に「地域の特産品(シーズ)とそれを欲しい人(ニーズ)を結び付けたい」という強い思いを持って、主体的に取組んだ物流企業の姿があります。
次回からは、廃棄物に着目して、「商品を運ぶ目的」を作っている事例を見ていくとともに、「新付加価値サービス」で生き残る戦略で成功するためのポイントを総括させて頂きます。

(次回へ続きます。お楽しみに!)

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新付加価値創出による生き残り戦略とは~ロジスティクス主導の新ビジネスモデル(その1)

■本報告の主旨

物流企業を取り巻く状況は厳しいものです。荷主からの厳しい価格要求に対応する一方で、共同物流の拡大や異業種からの参入により競争が激化し、終わりの見えないコスト削減を強いられています。そんな中で疲弊気味の物流企業も少なくないと推察致します。
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このような物流業界を生き抜くための戦略とは何でしょうか。圧倒的なコスト競争力の維持という戦略もありますが、今回ご紹介するのは、競合他社が実施していない「新付加価値サービス」で生き残る戦略、所謂ブルー・オーシャン戦略です。筆者が企画・運営に関与している「物流ブルー・オーシャン戦略研究会」で取り上げた事例も交えて、ご紹介致します。

■荷主のニーズ傾向

まず、荷主が持つニーズを考察しますが、ここでは荷主=製造業として話を進めます。「米国大手コンサルティング会社の報告書」からニーズの傾向が読み取れます。顕在ニーズとして既に多くの物流企業が対応済みである物流費削減の提案などが挙がる一方、潜在ニーズでは、需要予測支援やキャッシュフローの改善支援など、荷主の売上拡大に関わるものが挙がってきます。これらへの対応は、競合他社との差別化から、必要不可欠と考えます。

■物流業界生き残りのポイント

それでは、これらのニーズにどう対応すればよいのでしょうか。「荷主のビジネスに貢献するために何ができるか」という発想が重要だと考えます。荷主は物流費を始めとするコスト削減の一方で、売上高拡大にも日々努力されています。従って売上拡大、あるいは荷主の顧客への販売促進に対する貢献も視野に入れて考えるべきです。
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ここで改めて物流企業の役割を確認してみると、「物流インフラ・物流システムを最大活用して荷主の商品を確実に運ぶ」ことが役割であり、荷主と荷主の顧客を物流で繋ぐ存在と言えます。即ち荷主の顧客に対して購買意欲を促進させる働きかけを実行できる位置にいるのです。荷主ではなく、サプライチェーンの下流に位置する顧客やエンドユーザーに着目して、「その購買意欲を如何にすれば活性化できるか」、これこそが荷主のビジネスへの貢献には欠かせない着想なのです。「荷主の指示に従って商品を運ぶ」という受け身から、「荷主のビジネス成功の為に何ができるか」という積極的な発想へ転換して、物流企業自体のビジネスも成功させましょう。そのために参考となる「ロジスティクス主導の新ビジネスモデル」の事例をご紹介致します。

(次回へ続きます。お楽しみに!)

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景気低迷の製造業界、今こそ攻めのサービス事業の実現を!【4連載:その4(最終回)】

■サービス事業化の進め方

次にサービスを事業化する場合に、事業化判断を行なうまでの弊社の一般的な検討手順を示します。検討するときには、上記で明らかになったサービス事業成功のポイントを意識して、事業を設計することが重要です。

(1)事業環境分析(3C分析)
:顧客、競合、自社の各視点から現在置かれている事業環境を把握する
(2)市場セグメンテーション&ターゲッティング
:分析結果から、市場を区分して、ターゲット市場を選定する
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(3)ビジネスモデル構想
:市場別に、どんな製品・サービスを、どのように提供し、どのように儲けるか設計する
(4)収益計画・実行計画立案
:サービス事業化すべきかどうかの判断材料として、収益計画と今後の実行計画を立案する
(5)【事業化判断】
:上記(1)~(4)の検討資料を基に、経営層が事業化の判断をする

■最後に

4回に分けて、「将来の景気回復に向けての自社の基礎体力強化」の一つとして、『サービス事業の確立』を取り上げましたが、景気が低迷した今、将来のために何かに着手することが重要ではないでしょうか。景気が回復したときに顧客にアピールできる武器を、今から少しずつでも磨かれることをお奨めします。

話は変わりますが、弊社では「Xチェーン経営」(http://www.jbc-con.co.jp/books/books_xcm.html)という本を出版しております。
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この本の中では事業を「デマンドチェーン」「エンジニアリングチェーン」「サプライチェーン」そして今回対象の「サービスチェーン」の4つから構成されると定義し、それらの繋がりに着目して、経営を管理する新しい手法を紹介しています。
サービスチェーンを中心に繋がりの事例を挙げると、

a.より良いサービス提供のために構築した製品稼動情報管理システムのデータを基に、デマンドチェーンで製品の需要予測をする(建機のコマツの事例【参考】)
b.サービス提供時に得られた顧客ニーズを基に、エンジニアリングチェーンで新製品を開発する

などがあります。

事業全体の中に有機的に関係付けられた『サービス事業』を実現して、事業全体の成功に繋がれば幸いです。

【参考】
・ダイヤモンド・ハーバード・ビジネスレビュー2008年7月号 P.146-155 (再掲)
・建機のコマツのKOMTRAXの事例
日経ビジネス 2007年6月4日号 P.26-41/週刊東洋経済 2008.8.30 P.41-42/
http://www.komatsu.co.jp/CompanyInfo/csr/pdf/2005/KOMTRAX_17p.pdf

(おわり)

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弊社HP掲載:http://www.jbc-con.co.jp/consul_service/pdf/STC02.pdf
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困ったときはここ!「 ビジネス解決の玉手箱」
http://www.jbc-con.co.jp/consulting/index.html

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Author:日本ビジネスクリエイト
経営改革、業務改革、現場改革、システム実現支援などの総合的なコンサルティングを提供しています。特に製造業の現場に精通したコンサルティングに強みを持ち、SCM/CVM領域でのパイオニアとして認知され、また公益事業向けコンサルティングにおいても実績があります。

経営コンサルティング企業として、日本におけるSCM改革をリーディングしております。
また最近では、「X-Chain Mangement(エックスチェーンマネジメント)」という新しい経営手法を開発して、お客様の事業の成功に貢献しております。

【ホームページ】: http://www.jbc-con.co.jp/

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