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ユニクロの成功に学ぶ!「ポジショニング」「工業化」「顧客起点」の極意

1.ユニクロに関する記事の紹介

世界同時不況にありながら、売上や営業利益を伸ばしている好業績の企業は存在します。そのような企業の一つとして、柳井正CEOが率いる「ユニクロ」があります。2009年8月期には過去最高益を達成し、ファーストリテイリングの連結において、2009年度の売上6600億円、営業利益1010億円が見込まれています。日経ビジネス 2009年6月1日号(http://ec.nikkeibp.co.jp/item/backno/NB1493.html)では、特集として「ユニクロ~柳井イズムはトヨタを超えるか~」というタイトルで取り上げています。
ここではこの記事をベースに、ユニクロ好調の秘訣は何なのか、そこから適用できるエッセンスは何なのかを私なりに考察したいと思います。

日経ビジネスの記事内容の目次を列挙すると以下のようになります。
日経ビジネスの特集記事

2.ユニクロ成功の秘訣

==3つの成功の秘訣==
日経ビジネスの特集記事を読んで、ユニクロ成功の秘訣は、タイトルにもありますが、次の3点に集約できると感じました。
ユニクロ成功の秘訣

==秘訣1.ポジショニング==

まず、ポジショニングに関してですが、競合他社のいない隙間の市場を狙う「ブルーオーシャン戦略」が功を奏しました。しかし、この商品ポジションを確立するには、繊維メーカーとの協業体制が絶対不可欠だったように思います。顧客ニーズを肌で感じているユニクロが商品を企画し、それを技術力を持った繊維メーカーが実現し、最終的にはユニクロが商品として製造・販売するというようにお互いの長所を繋げることができたからこそ、デザインだけじゃなく、機能性も兼ね備えた商品を生み出すことができたのだと思います。繊維メーカーも顧客ニーズに熟知したユニクロと組むことで「売れる」繊維を開発することができることもあり、より協業関係が強固なものになっているように感じました。
ユニクロのポジショニング

==秘訣3.顧客起点==

ここでさらに、うまいなと思ったことがありました。それは前述の秘訣の3番目に相当しますが、ある機能が実現できたら商品化して、販売していることです。東レとの共同開発の「ヒートテック」の商品では、「保湿性」が実現できたところで販売して、顧客ニーズを検証し、さらに「しっとり感」を実現したところでまた販売し、顧客ニーズを検証しています。商品化する度に、より高度な顧客ニーズに応えるべく商品を改良することで、販売枚数をどんどん伸ばしていることです。
ユニクロの商品化サイクル

==秘訣2.工業化==

この記事で最も感心したのは、「衣服を工業用品と捉える」発想です。製造から小売りまで一貫したSPA(製造小売業)モデルを、ユニクロは「工業化」という観点で進化させています。ユニクロの凄いところは、「工業化」を次の3つのように具体的に定義していることではないでしょうか。

◇技術の水平展開;製品は技術の組み合わせと捉え、技術を使い回して、多品種を実現する
◇ケイレツ化;生地作りから検査まで一気通貫化して、各生産会社と一緒に生産工程を作り上げる
◇継続的な改善;品質確保のために、不具合発生個所を特定し、現地・現物で解決する


ユニクロが競合他社のSPAモデルとは違うのは、上記の「工業化」の概念を取り入れているからだと強く思いました。
業態の変化と「工業化」の発想

3.ユニクロに学ぶべきこと

ユニクロの成功の秘訣には、アパレル業界だからこそという点もありますが、より抽象化すれば他業界にも当てはまる秘訣が見えてくるのではないかと思います。

まず「ポジショニング」における成功のエッセンスは、顧客ニーズの徹底的な研究に基づき、競合他社の隙間市場を狙ったということではないでしょうか。低価格商品に対して顧客が足りないと強く感じているキー仕様をいくつか特定して、それを実現した商品を開発し、販売するということが秘訣だと思います。
次に「工業化」における成功のエッセンスは、2つあると考えます。一つは上述したように、製品を技術の組合せと見る発想で、技術を分解したり、統合したりして、より広い適用範囲を探すことが重要だと思います。2009/06/09の日経新聞に、安川電機が産業機械などに使うモーターやインバーターなどを組み合わせて、ハイブリッド車等の駆動装置を開発した記事が載っていましたが、これも技術の適用範囲拡大の好例ではないでしょうか。もうひとつは、「自社が品質の全責任を負う」という覚悟ではないでしょうか。だからこそ、ケイレツ化して生産工場を指導するし、継続的な改善を実現したくなるのではないでしょうか。
最後に「顧客起点での顧客ニーズの仮説&検証」における成功のエッセンスは、そのままで実直に顧客ニーズの仮説を立て、それを即時検証することを繰り返す仕組みを作ることでしょう。アパレルという業界だから、徐々に機能アップさせて、顧客ニーズを検証できたところもあるでしょうが、商品化せずに顧客ニーズを検証する手段を構築すれば、可能性は広がるのではないでしょうか。例えば、顧客に直接ヒアリングしたり、WEB上に掲載してそのアクセス数で検証するなどしては如何でしょうか。

成功のエッセンス

4.最後に

ここまで、ユニクロの成功事例から学ぶべきエッセンスを考察してきましたが、業界によって、3つのエッセンスの重みづけは異なると思います。ユニクロのように一般消費者を顧客とするBtoCビジネスと、産業機器のような法人を顧客とするBtoBビジネスでは、重みづけは異なります。
この違いは、それぞれの商品仕様の最終決定者の違いに起因していると言えます。マーケティングを駆使して、商品仕様を自社が最終決定するBtoCと、顧客が商品仕様を決定するBtoBでは、BtoCの方が「ポジショニング」の僅かなミスが売上に大きく影響します。BtoBは顧客と仕様を擦り合わせるために、BtoC程「ポジショニング」のミスが大きく響きません。また「顧客ニーズの収集、仮説&検証」の具体的なやり方もBtoCとBtoBでは異なります。顧客への直接ヒアリング中心のBtoBに対して、統計データ中心のBtoCとなるでしょう。
「工業化」に関しては、BtoB/BtoCという観点よりも、事業が売上管理中心か、原価管理中心かで違うのではないでしょうか。これまで原価中心に管理してきた企業は「工業化」は進んでいるでしょうが、売上中心に管理してきた企業は「工業化」によるコスト削減余地が大きいでしょう。
ユニクロの成功の秘訣と企業の属する業界の特性を鑑みて、不況を乗り切られることをお勧めします。

BtoBとBtoCの違い


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